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今年も新作ウォッチがほぼ出揃った。 その時計選びにはいつもとは違った視点が必要だ。 トレンドは意識しつつも、コロナ禍が終息しない社会情勢の中では、所有する喜びを感じられるウォッチを賢く選びたい。 そこで新作の中から厳選して、人生を豊かにしてくれる価値あるウォッチを紹介していこう。
腕時計ほど、価格の振り幅が著しく大きいアイテムはない。1000円から数億円以上するものまで世の中には存在する。自動車や住宅でも、これほどの値幅はつかないだろう。そこが面白いところなのであり、時計選びを難しくしている。その中でも今、高価格帯の時計市場が活況で、人生を豊かにするモノとして注目を集めている。
ひとつの理由は、新型コロナの影響もあり、各国の中央銀行が金融緩和政策を採って市中に大量のマネーをバラまき、空前のカネ余りの状況がおきていること。余っているということはお金の価値が希釈化され、同価格でも相対的にモノの価値が高まるということを意味する。いわゆるインフレであるが、日本は物価上昇率が目標の2%に未だ届いていないから安心していい。高級時計の人気はそうした社会情勢を反映しつつも、純粋にモノとしての価値があるからこそだ。人々は気に入った時計を身に着け、豊かな人生のしるべとしたいと、考えるのだ。
高級時計は自分の人生より長く生き残り、使われ続けることが可能だ。だからそこには所有する喜びがあり、お金には替えられない価値が生まれる。そうした時計選びには、時計ブランドにステータス性と歴史があること、メンテナンス体制がしっかりしていることが重要だ。
その上で自分のライフスタイルに合った機能やキラリとアイデアの光るデザインを持った時計を選べばいい。それは例えば、4つの小窓が並んだ永久カレンダー、セラミックをゴールドでサンドイッチのように挟んだケース、文字盤上部に小型のゼンマイ巻き上げ機構を搭載するといった新作ウォッチだ。自分の審美眼を養いながら、所有する喜びを味わえる時計こそ人生を豊かにしてくれる。そうしたことが、実物資産としての時計の価値を高めることにもなるのだ。
12時位置に10と1の位が別々に回転する日付を加えて、直列(インライン)で曜日・日付・月を大型窓表示にした新型の永久カレンダー。この機構には通常より多い118個ものパーツと、3つの特許技術を使用。縦方向に筋目が施されたブラック・グラデーションのブルー文字盤も美しく、高い技術と美意識が見事に両立している。
3ピース構造からなるミドルケースに、ブラックセラミックを新たに採用。上下をゴールドに挟まれたバイカラーのデザインと、軽量で耐傷性に優れるセラミックでスポーティな印象に仕上げた。一見するとファブリック素材に見えるストラップも、カーフレザーにラバーコーティングしたもので、軽やかさをアップさせている。
ウブロのアイコンともいえるブラックセラミックに、新開発の自動巻きトゥールビヨンを備えた自社製スケルトンキャリバーを搭載。マイクロローターをダイヤル側の12時位置に配置し、6時位置のトゥールビヨンと対比させることで、個性的なデザインに仕上げた。3つのサファイアクリスタル製のブリッジを備えてスケルトン感を高め、ムーブメントの立体感も高めている。
ランゲ1の持つ絶妙なダイヤルのバランスを崩さぬように、外周に12カ月表示の回転リングを採用した永久カレンダー。ブランドのアイコンでもあるデイト表示同様に、この月表示も瞬転式となっている。7-8時位置に配置されたムーンフェイズは、月齢表示と24時間で一回転する昼と夜が描かれたデイ&ナイト表示の2層構造になっていて実用性も高い。
これまでプラチナケースやセラミックケースによる限定モデルでの展開が多かった同モデルが、SSケースでレギュラー化。1980年代に同社の技術者クルト・クラウスが開発したキャリバーを搭載し、577.5年で誤差1日の南北半球の月相を表示するダブルムーンフェイズを12時位置に備える。7日間のロングパワーリザーブは調整が面倒なカレンダーウォッチには便利な機能だ。
腕時計は文字盤のデザイン、中身のメカニズム、装着感という3つの要素から成り立っている。毎年、それぞれに進化やトレンドがある。そこで、この3つの視点から見る、今年知っておくべき最旬のトレンドをご紹介しよう。
ヴィンテージテイストのダイヤルが引き続き人気だ。オールドスタイルの文字盤レイアウト、ダイヤルやケースの退色した風合い、ケースのサイズ感といった再現性は年々高まっている。しかし、搭載されるメカは最新というところがポイントだ。
今年で100年を迎えたアメリカ市場向けに生産されたヒストリカルモデル。斜め45度に傾いたダイヤルは車のハンドルを握ったままでもひと目で時刻を読み取れるようにしたため。プラチナモデルはダイヤルをサンドブラスト加工で上品な風合いに。
1969年に時計業界で初のグラーデーション文字盤であったA385を復刻。当時の設計図や製造計画を採用し、ポンプスタイルのプッシュボタンや37㎜のトノー型ケースを再現した。1969年に誕生したクロノグラフムーブメントを復刻したCal.400も搭載。
独自のブロンズゴールドをケースに初採用。酸化して緑青を発することなく、経年変化がゆっくり進むのが特徴。ダイヤルにはエイジング加工を施し、2層目に施されたヴィンテージ調の夜光塗料で雰囲気を出した。
三大複雑機構のひとつに数えられる永久カレンダーが今年は豊作。他の複雑機構と比べても実用性が高く、表示の方法に個性が表れる。腕に覚えのあるブランドほど、新作ラインナップに加えている印象だ。
永久カレンダー機構にクロノグラフを搭載し、軽量なチタンケースを採用した新バージョン。サンバーストのギョーシェ装飾のスレートグレーダイヤルでモダンスタイルに仕上げた。
永久カレンダー機構という複雑機構を搭載しながら、ケースの厚みを8.1mmに収めた画期的なモデル。オープンワークを施したダイヤルは薄型ながら奥行きを感じさせ、表からも裏からも複雑なメカニズムをじっくり楽しめる。
伝統的な永久カレンダーの制御・駆動とは異なるホイールとカムを採用した新開発のメカニズムを搭載。これにより時間帯に関わらず時刻調整が可能になった。グラデーションダイヤルがヴィンテージの趣を出す。
スポーティなウォッチが大流行している中、ブレスレット一体型ウォッチの勢いが止まらない。どのブランドでもこのスタイルがトップセールスを記録していて、今年も注目度の高い新作が多い。
スティールブレスを持つノーチラスの最終モデル。光の加減で変化するソレイユ仕上げのグリーンに、水平エンボス模様がダイヤルに複雑な表情を生み出している。
リモデルしたクロノマットに44㎜の大型ケースを採用した新シリーズ。クロノマットコレクションでは初となるセラミックがインサートされたベゼルを採用し、スティール製のルーローブレスレットとの組み合わせでよりスポーティに。
●掲載商品の価格はすべて、税込みです。
初出:2021年07月03日発行『AdvancedTime』08号。掲載内容は原則的に初出時のものです。
STAFF
Photos: Takeshi Hoshi
Text: Katsumi Takahashi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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