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ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブの開催を中心に、街が一体となって盛り上げる時計都市ジュネーブ。メイン会場以外にも、ジュネーブ市中のホテル、郊外の工房やシャトーを会場にして、独自に新作展示会を開催するブランドも見逃せない。その中から注目の3ブランドをご紹介。
ジュネーブ空港近くのパレクスポが会場となって開催されるのが時計見本市、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ。ジュネーブの中心地で時計のブティックが立ち並ぶ旧市街ではDJブースやライブ会場が登場し、開催期間中はお祭り騒ぎとなる。
同時に、市中のホテルや、郊外の工房を会場にして独自開催する時計ブランド、ジュエリーブランドなども数多く展示会を行っている。ジュネーブの街が一丸となって時計産業を支えているところに、文化としての厚みも感じさせる。
メイン会場ともいえるパレクスポのウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブは、多くのブランドが集まり、お互いに意識しながら切磋琢磨しているので、次なるトレンドも見つけやすい。一方で、独自開催するブランドは、トレンドを追うというよりも自分たちの理想を追求しているという印象が強く、自由な発想で、より個性的だ。
今回は独自開催のブランドにフォーカス。まずはジュネーブ郊外の自社工房を、展示会場にするフランク ミュラーから見ていこう。
フランク ミュラーは毎年、ジュネーブ郊外のウォッチランドと呼ばれる自社工房のあるシャトーで新作発表会「WORLD PRESENTATION OF HAUTE HORLOGERIE(通称WPHH)」を開催する。普段は時計製造が行われている場所を、展示会会場として使用する独自のスタイルだ。作り手との距離感が近く、ブランドの世界観に没入できる絶好の環境といえる。
今年は「コンプリケーション ジュエリー」をテーマに、得意とする複雑時計にさまざまなジュエリーをセッティングしたモデルを多く発表。注目は「グランド セントラル トゥールビヨン レインボー」だ。ブランドを代表するトノウ カーベックスケースに現代的なアレンジを加えた「グランド カーベックス」に、トゥールビヨンを文字盤中央に大胆に配置。その周囲を囲むミニッツトラックには、ルビー、サファイア、エメラルドなどのスクエアカットされたレインボーの配列となるジュエリーとダイヤモンドをセットし、文字盤一面にはブリリアントカットダイヤモンドを敷き詰めた。さらにインナーベゼルに加え、曲面を形成するケースにも4列のダイヤモンドをセッティングして、複雑時計を芸術的に昇華させている。
一方で、「グランド カーベックス ピアノ ~ジャパン レッド~」も見逃せない。インデックスがなく、艶やかなエナメル文字盤を際立たせた時計だが、今年は赤漆のような日本の伝統色である茜色や深緋に近いレッドを新色に追加。前作のブラック同様にレッドのエナメルを20層も塗り重ねて、深みのある光沢を生み出した。3次元曲線を特徴とするグランド カーベックスは文字盤も曲面になっているので、均一に塗り重ねるのは高い技術が必要だ。レッドの背景にゴールドの時分秒の針がよく映える。ケースサイズは縦48.4mmのCX33と縦44mmのCX30が展開されるが、小振りサイズに注目が集まる中でCX30が今年の気分だ。
フランク ミュラーと同じくウォッチランドで新作発表が行われたクストス。フランク ミュラーの共同創業者の息子であるサスーン シルマケスが中心に立ち上げた時計ブランドだ。今年で創業20周年を迎え、デザインコードともいえるトノウ型ケースにスケルトン文字盤の新作をいくつも発表。持ち味を発揮しているのは「チャレンジ ジェットライナー メカ」だ。
トノウ型ケースに機械式ムーブメントを収め、それを固定するために独特な曲線を描く力強いゴールドカラーのブリッジを配した。このデザインはジェットエンジンから発する気流を模したもの。視覚的に躍動感を与え、機械式ムーブメントの美しさを引き出すデザインに仕上げた。ケースはブラックカーボンにゴールドカラーが独特の模様を織りなす鍛造カーボンを採用し、軽量性と耐久性を両立させてスポーティに仕上げられている。
防水性能の技術を1960年代から磨いてきたエドックス。ダイバーズウォッチのコレクションを多くラインアップするが、その中のひとつである「グランドオーシャン」がリニューアルを果たした。アグレッシブにスポーツを楽しむための時計というより、先代機より機能性を削ぎ落してエレガントなデザインへと指向する時計となった。
3本ラグの特徴的なデザインは継承しながら、ベゼルに刻まれたノッチをゆったりとした間隔に変更し、回転ベゼルはスケールをなくしてスタイリッシュな外装へとアップデート。時分針はよりシャープな形状に改め、センタークロノグラフ秒針や積算計針には矢印を加えて視認性を高めている。また9時位置のスモールセコンドのサブダイヤルや曜日表示は省略することで、ブルー文字盤が映えるすっきりとしたデザインに仕上げた。ムーブメントにはセリタ製のクロノグラフムーブメントを採用することで、パワーリザーブは62時間へと伸長させた。
STAFF
Writer: Katsumi Takahashi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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