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そのワイルドで男っぽい魅力で、2000年代のドラマ界を席巻してきた坂口さん。2018年、病気の治療に専念するために芸能活動の休止を発表。その間、コーヒー焙煎士としての道を歩み始め、今年、11年ぶりに、連続ドラマに復帰。人生のリスタートを切った今、まるでこれまで背負ってきたものを軽くするかのように、シンプルな生き方に原点回帰している。
波がよければ、海に出てサーフィンを。そうでなければ、コーヒー豆を焙煎して過ごしたり、ひとり集中して、ドラマの台本を読んだり。かつては休む間もなく、ドラマや映画の主演を務めてきた坂口さんは、今、緑と海に囲まれた場所で、家族と暮らしながら、自分が選んだ“好きなもの”に囲まれた生活を楽しんでいる。
「朝起きて、コーヒーを淹れて、家族でゆっくり楽しむ。子どもたちの朝食を作り、送り出すのも、最近の習慣のひとつです。そして、ときには、サーフィン仲間にコーヒーをふるまったりすることも。“誰かのため”に何かをすること。そして、そこから自然に広がるコミュニケーションが好きなんです。家族や仲間といると、仕事で悩んでいたことも、いつの間にかリセットされて『なんとかなる』と思えてくるもの。
20年前の自分は、常に台本を持ち歩き、一日中セリフについて考え、正解のない答えを探しては、煮つまり…。もっとかっこよく、もっと上手に、自分を見せなきゃいけないという思いが、強かったのでしょうね。
今は背伸びをせず、力を入れすぎず、周りとの調和こそが大事だと思えます。いっぽうで、仲間や家族といるときとは対極にある、完全に“ひとりになれる”車の中や波の上も、自分にとって大切な時間であり、仕事のことや将来のこと、自分の考えを整理する最適な場所。仲間との時間、ひとりの時間、両方があってこそ、バランスがとれていると思うんんです」
周囲への温かいまなざしと、程よいゆるさは、11年ぶりに出演した連続ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』の役・長倉真平そのもの。真平も坂口さんも、50歳を前に、自分を見つめ直すという点で、共通している。
「父(元プロレスラーで柔道家の坂口征二氏)の50代を思い出すと、びしっとスーツを着た“大人”だったけれど、自分はまだまだ、そうなれそうもありません。年相応に見られないのは、いいのか悪いのか(笑)。そんな自分が目ざすべきは、やはり、年相応の品と色気なのかと。こればっかりは、お金で買えるものでもないし、それまでのその人間の、生き方や考え方、ふるまいが蓄積されて、にじみ出てくるもの。かといって、今さら焦って、何かを始めてみても仕方ない。自分に余裕をもって、運転でいえば、人に道をゆずりながら、マイペースで進むだけ。そうしながら、この先の自分の人生に必要なものが何かをまっすぐ見極め、それ以外は削ぎ落として、どんどんシンプルになっていく。そんな生き方ができたらいいと思います。そのときに大事にしたいのは、やっぱり、家族とコーヒーと仲間たちですね」
自分のなりのペースで、流れに身を任せつつも、必要な物事は、しっかりと自分の手で取捨選択していくのが、坂口さんの生き方。だから描く未来も、とても具体的だ。
「いつか、都心から訪れた人にも、ゆったりと過ごしてもらえるような、カフェをつくりたい。今の店よりもスペースを広くして、ひとりひとりのお客さんが、好みのコーヒーを見つけられるような。僕の好みですか? 深煎りで、昔の喫茶店で出てきたような、苦いコーヒーですね。海から上がって飲むのには、これがぴったりなんです」
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1975年11月8日生まれ、東京都出身。1999年、モデルデビューを経て、俳優に。2002年『精霊流し〜あなたを忘れない〜』で、連続ドラマ初主演。2003年映画『新・仁義なき戦い-謀殺-』で映画初出演。2006年ドラマ『医龍-Team Medical Dragon-』では主演を務め、その後、シリーズ化され、自身の代表作となった。病気で芸能活動を休止していた2018年、自身のコーヒーブランド「The Rising Sun Coffee」を立ち上げる。2023年より俳優業を再開。2025年4〜6月ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)では11年ぶりの連ドラ出演ながら、長倉真平役で大好評を博した。2025年2月より、ボルボのアンバサダーを務める。
初出:2025年6月28日発行『AdvancedTime』27号。掲載内容は原則的に初出時のものです。
STAFF
Model: Kenji Sakaguchi
Photo: Yasuma Miura
Styling: Shuichi Ishibashi
Hair&Make-up: Shinsuke Kita(337inc.)
Text: Yukari Mimami
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