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ここ数年、インバウンドや昭和ブームも後押しし、人気が高まっているのが温泉旅だ。全国に23施設を展開する星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」のなかから10か所を、その地の魅力を盛り込みながら紹介していくシリーズ。第3回目は、「界 奥飛騨」へ。2024年9月に開業し、界ブランドのなかでは、まだ新しい存在。南アルプスの山々に囲まれた自然豊かな地に身を置いてリラックスし、館内デザインや体験など、滞在を通して飛騨の伝統と技術に触れる旅を楽しんだ。
岐阜県高山市にある「奥飛騨温泉郷」は、平湯温泉、福地温泉、新平湯温泉、栃尾温泉、新穂高温泉という5つの温泉地からなる。100を超える源泉が湧き、湧出量も多いことから、日本屈指の温泉地として知られる。「界 奥飛騨」は、その玄関口となる平湯温泉にある。
高山市街からは車で約45分、長野県松本市街からは、1時間半ほど山道をドライブすると到着する。乗鞍岳や上高地などへの交通拠点である「平湯バスターミナル」からは、徒歩で数分。公共交通機関でもアクセスのいい場所に位置している。
「界 奥飛騨」のコンセプトは「山岳温泉にめざめ飛騨デザインに寛ぐ宿」。山あいの新鮮な空気や風を感じながら、山岳地ならではの温泉を楽しめることと、飛騨の歴史や文化、そして高い木工技術によって培われてきた伝統工芸に触れながら、ゆったり過ごすことを提案する。
まずは、フロントでチェックイン。レセプションは平湯大滝を、飛騨産のナラを使用した床は奥飛騨を流れる川の水、ソファーは岩、小さな光の装飾が施された壁は雪をイメージした空間に迎えられる。
約6500平方メートルの敷地に東・西2つの宿泊棟と、大浴場のある湯小屋棟、中庭や足湯のある離れ棟の4つの棟が点在する。その昔、この温泉街では、家から共同浴場へ歩いて出掛けて湯浴みをするという習慣があったことから、滞在客は客室から湯小屋棟や離れ棟へと行き来し、回遊して宿を楽しめるような造りになっている。
中庭を通って、西の宿泊棟へ。「界 奥飛騨」では、全ての客室が、その土地の個性を表現した「ご当地部屋」。飛騨の伝統工芸を散りばめた「飛騨MOKUの間」となっている。
印象的なのは、飛騨の伝統的な木工技術である「曲木(まげき)」をモチーフにしたヘッドボード。飛騨地域を代表する広葉樹のブナ、タモ、サクラ、ナラの木のグラデーションが目に優しく、ベッドに身を横たえれば、木々に優しく包まれるような感覚に。
ほかにも、広葉樹を使用した曲木チェア、800年の歴史を持つ山中和紙の行灯など、随所に飛騨の魅力あるアイテムが配されている。
今回は、露天風呂付きの客室に滞在した。湯船にはディベッドが配され、湯上りに身を委ねて涼みながら、外の景色を眺めて過ごした。
界の特徴のひとつに、温泉の歴史や泉質や効果的な入浴法をスタッフが説明してくれる「温泉いろは」がある。施設によって内容が異なるが、ここでは、中庭の足湯で行われていた。
温泉に関して知識を深めたら大浴場へ。ぬる湯でじっくりと体を温めてからあつ湯へ。そして、露天風呂へ。
内湯の先にある露天風呂は、「雪の回廊」をモチーフにしたデザイン。湯あみだけでなく切り取られた空、そして、湧き出す温泉の音までも堪能した。
温泉棟の前には外気を感じながらくつろげるスペースがあり、夜は星を眺めながらの語らいも。
界ブランドならではのおもてなしのひとつが、地域の文化を体験できる「ご当地楽」。これまでも、「界 長門」では「大人の墨あそび」で心を整え、「界 由布院」では、わら綯いでお守り作りに挑戦してきた。
ここでは、「飛騨の匠体験」と題し、飛騨で長い歴史を持つ工芸技術・曲木の体験ができる。
湯(温泉)に浸けて柔らかくした檜の木を、型に沿わせて手でゆっくりとアーチ状に曲げて、バッグのハンドルを作る。檜の芳香に包まれ、リラックスしながらの体験。
ハンドルが仕上がったら、界オリジナルの風呂敷を穴に通して結べば、あっという間にハンドバッグのでき上がり。滞在中、館内を持ち歩くゲストの姿も多くみられた。
ディナーは半個室の食事処にて。
最初のひと品は、飛騨の郷土民芸品の「山彦人形」があしらわれた「先付け」が供された。「山彦人形」の頭は北アルプスの山並みを、顔は自然への畏敬の念を、色彩は四季を現しているとスタッフから聞く。
先付けの「すったてと牛しぐれ」は、郷土料理の「すったて」(大豆などを茹でてすりつぶしたもの)と牛のしぐれ煮を組み合わせた、滋味深い味わい。
煮物椀「鮑真薯 白葱 柚子」に続いては、「宝楽盛り」。八寸やお造り、酢の物などが一堂に。地酒とともにゆっくりと味わう。メインは、味噌ベースの「飛騨牛味噌すき焼き」。卵ではなく、とろろにつけて食べるのも当地ならでは。
翌朝の「ご当地朝食」も「干し野菜と豚肉の味噌鍋」にキビの「朴葉蒸し」、鮎の「ぼっか煮(甘露煮)」など郷土の魅力たっぷり。雪深く長い冬を過ごす当地ならではの経験と知恵が生かされた、保存食や発酵食品で冷えがちな夏の体も温まった。
夏には絶好の避暑地であり、秋は紅葉、冬は雪景色など季節が移り変わるごとにダイナミックな山岳風景も楽しめる。逗留し、のんびりと奥飛騨温泉郷内の湯巡りをするのも乙な過ごし方だ。
「界 奥飛騨」のご当地部屋「飛騨 MOKU(もく)の間(和室)」(夕・朝食付き)ペア宿泊券を1名様に抽選でプレゼントいたします。
※有効期間:2025年10月1日~2026年3月31日。除外日あり。
◾️締め切り:2025年9月21日23:59まで
ご応募いただくには小学館IDへのログインが必要です。是非、小学館IDへ会員登録(無料)の上、ご応募ください。
標高1000メートルの阿蘇くじゅう国立公園内、約8000坪の敷地にわずか12棟の露天風呂付き離れが点在する贅沢な造り。緑に包まれたような、プライベート感のあるお籠り滞在をかなえてくれる。阿蘇のカルデラ、大自然を知る体験プログラムも充実。2025年8月末までは、満天の星を眺める「星空乗馬」、9月以降は黄金色のすすき野原を楽しむ「金色乗馬」など、一年を通じて、さまざまな乗馬のアクティビティがあるのも大きな魅力だ。
STAFF
Writer: Fukuko Hamada
Photos & Editor: Atsuyuki Kamiyama
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