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“活動的紳士”アストンマーティンで京都・嵐山の新たな滞在の愉しみを知る旅——。この旅の目的である『MUNI KYOTO by 温故知新』は、心地よさを追求した非日常の空間で癒される唯一無二のラグジュアリーホテル。洗練された大人の京都旅がそこにあった。
動きやすくて機能的、そのうえ気持ちが華やぐ装いででかける旅は、きっと思い出深いものになる。ラゲッジも重要なポイントだ。滞在日数に合った容量のを選ぶことは大前提だし、入れ物じたいの重量が堅牢で軽く、さらにキャスター付きなら滑らかに回り、体感音量も小さいのがいい。こうした要件はそのまま、クルマ旅にも当てはまる。自分で操作する乗り物は体の延長みたいなものだから、加減速や制動、コーナリングなどの反応がイメージするもの以下だとストレスが溜まる一方だ。選ぶべきは、ハイスペックで贅を尽くしたハイエンドカー。当然、選択肢は限られるが、今春から日本でのデリバリーが始まったアストンマーティン DBX 707は、その最右翼である。
そして新緑が目にまぶしい季節、京都旅の目的にしたのが、嵐山の渡月橋に近い、桂川に面した風光明媚な場所に建つラグジュアリーホテル「MUNI KYOTO(ムニ キョウト)by 温故知新」だ。京都・嵐山は平安時代には貴族の別荘地であり、季節によって表情を変える自然の風景や桂川は歌にも多く詠まれ、古くから愛され続けてきた。その稀有な場所にあるラグジュアリーホテル『MUNI KYOTO by 温故知新』に滞在する大きな魅力は、その唯一無二の景観との一体感。さらに、心地よさを追求した非日常の空間で癒され、美食を楽しめる。
アストンマーティンの名は特に男性の間で知られている。理由はなんといっても映画「007」シリーズでボンドカーとして登場している点。第三作で登場した、秘密兵器満載のDB5は特に有名で、ここ6作でも切れ目なく登場している。
「007」シリーズはアクション映画でありながら、時代ごとのトレンドをミックスしたブリティッシュスタイルを楽しめることから、ファッション好きの間でもアストンマーティンは高く評価されている。今年で創業110周年を迎える歴史に内包されたモータースポーツへの傾倒、そしてトラディショナルな中にモードを感じさせる華やかさに、カーマニア以外の層も魅了されているのだ。
高性能を極めたDBX 707はSUVのスタイリングをまといながら、実質的にはスポーツカーと呼ぶのがふさわしい。4リッターのV8エンジンは最高出力707馬力を発揮し(車名の数字はこれに由来)、力強さを表す最大トルクは900Nm。標準モデルのDBXと比べ、それぞれ157馬力、200Nmも引き上げられている。
ハイパワーエンジンの搭載に合わせて、ブレーキはカーボンセラミック製ディスクを装備。ディスクブレーキはタイヤと一緒に回転する円盤状のディスクを両側からパッドで押さえつけ、発生する摩擦熱によって運動エネルギーを熱エネルギーに変換して制動させる。ディスクを大きく厚くすれば熱容量が上がり制動力は増す反面、重量がかさむ。その点、カーボンセラミック素材を使ったディスクは、一般的なスチール製に比べて軽量かつ大容量。レーシングカーに採用されるこのシステムを、DBX 707は装備しているのだ。
もはやサーキット仕様ともいえるハイスペックを誇るDBX 707。当然、一般道で性能を最大限に発揮する機会はないし、その必要もないが、ハイスペックは精神的にも物理的にも大きな余裕につながる。機械式時計同様、精緻を極めたアイテムは、身に着ける者の心にゆとりをもたらすのだ。
アストンマーティンの歴代モデルの多くは、スポーツカーとしての優れた資質に加えて、荷物をしっかりと積める十分な荷室を備え、エレガントなデザインと贅を尽くした設えを特徴とする。それは英国から始まったグランドツーリングにも耐えうる、頼りがいがあって長距離を走っても快適な乗り物を意識した結果かもしれない。
DBX 707は、そうしたアストンマーティンの哲学を現代的に表現したモデル。近年は日本でも真の高速移動を念頭に設計された新東名高速道路の区間が広がるなど、ロングツーリングを楽しみやすい状況になっている。英国が育んだツーリズム文化とモータースポーツに準拠する先進のパフォーマンスを堪能するには、やはり遠出が一番だ。
そんな思いから、今回は東京を発ち、京都をめざした。交通量の多い東名高速道路を走っている時点で感じていた、フラットで滑らか極まりない足回りは、最高速度120km/h区間の新東名高速道路に入るに至り、快楽的とさえいえる心地よさへと変わっていった。超扁平タイヤの存在を感じながら、しっとりと路面を撫でていくような感触が、たまらなく気持ちいい。体にフィットする専用のスポーツシートのレザー表皮部分は張りがあり、開放感あふれる室内で心地よいタイトなドライビングポジションを維持したまま、高速クルージングを楽しめる。
合流車線や車線変更時の加速では、どの速度域でもわずかなアクセルペダルの操作で力強さを発揮する。これはハイパワーエンジンと組み合わされる専用の9速ATの恩恵も大きい。
STAFF
Photos: Takaaki Miura
Writer: Kaori Sakurai,Fukuko Hamada
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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