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ラグジュアリーなカーライフを提案するウェブマガジン「AUTOMOTIVE QUANTUM」。ここでは、そのターゲットである富裕層ファミリーのガレージを想定し、そこに収められるべき3モデルをピックアップ。“AQファミリー”3世代のカーライフを通して、ベントレー フライングスパー、レンジローバー、そしてアルピーヌA110という珠玉の3モデルの魅力に触れる。
ベントレー フライングスパーに乗るのは、主に70代の家長だ。自らが起したアパレル企業の会長を務める彼だが、移動には自らフライングスパーのステアリングを握る。
若かりし頃、英国に留学した経験がある彼は、ホストファミリーの当主からベントレーボーイズの逸話を聞かされ、ベントレーファンになった。カントリージェントルマンである当主は、
’50年代のベントレー製高級GT「Rタイプ コンチネンタル」に乗るエンスージアストでもあった。
1919年の創業時よりレース活動を続けてきたベントレー。1920年代にはル・マン24時間レースで5度の勝利に輝き、創業者W.O.ベントレーとドライバーたちは「ベントレーボーイズ」と称えられた。つまりベントレーは、創業時からレースで得られたノウハウをもとにドライバーのためのクルマづくりを行ってきたのだ。その意味で、全長5mを優に超えるラグジュアリーサルーンであるフライングスパーも、圧倒的なパワーとダイナミックなハンドリング性能を堪能できる、最高のドライバーズカーなのだ。
今日も彼は、丸の内のオフィスへとフライングスパーを駆っている。ベントレーボーイズに思いを馳せながら──。
晴海通りから東京駅前の行幸通りへと至る、街路樹の美しい約1kmのメインストリート。ハイブランドの路面店やお洒落なカフェ等が軒を連ね、ロンドンのボンドストリートを彷彿させるこの通りを、ベントレーで流すのが好きだと、英国留学経験がある家長は言う。
左/モダンでありながらクラシックな美しさも湛えたフロントビュー。ボンネットには、ベントレー伝統のマスコット「フライングB」が備わる。
右/エレガントなフォルムは丸の内の重厚な街並みにも映える。
左/英国ならではのクラフツマンシップ溢れるラグジュアリーなインテリアもフライングスパーの魅力。
右/22インチのブラックホイールが足元を引き締める。
主要諸元 | |
エンジン | V8エンジン ツインターボ |
最高出力 | 550ps/5750-6000rpm |
最大トルク | 770Nm/2000-4500rpm |
全長×全幅×全高 | 5325×1990×1490mm |
車両重量 | 2480kg |
車両本体価格 | ¥29,909,000〜 |
アルピーヌA110を特に好んでいるのが、50代になる家長の息子だ。父親が創業した会社の2代目社長として経営を担っている。
「ドライビングは知的なスポーツ」。これが彼の信条だ。例えば通い慣れた芦ノ湖スカイラインのあるコーナー。身体の感覚を研ぎ澄まし、エンジンサウンドやタイヤの接地感、前後左右へのGを感じつつ、ブレーキング、ギアシフト、操舵、アクセルワークという一連の操作を行う。イメージ通りに走れなければ、次のコーナーで反省を生かす。その繰り返しにより、クルマとの一体感が高まっていく。
軽量コンパクトなボディのミッドシップカーたるA110は、知的なスポーツとしてのドライビングにうってつけのモデルだ。イメージしたラインを寸分違わずトレースするステアリング、足の感覚と直結しているかのようなブレーキ等、A110にはドライビングというクルマとのコミュニケーションに一切の雑じり気がない。各操作が、ストレートに車両の挙動としてアウトプットされるから、ドライバーは全身全霊を掛けてドライビングに臨みたくなるのだ。
彼はA110とのこうした時間を通して魂を解放し、明日への活力を得る。多忙な日々を送るビジネスエグゼクティブにとって、アルピーヌA110は不可欠な相棒なのだ。
箱根は世界的にみても素晴らしいワインディングロードの宝庫だ。特に芦ノ湖スカイラインは、歴史的なクラシックカーラリー「ミッレミリア」の舞台として知られるイタリアのフータに匹敵する景観と走りを楽しめる。
写真の「A110 S」は、スタンダードな「A110」に対して48ps強化されたエンジンや、よりハードに締め上げられたスポーツシャシーが与えられ、10kgの軽量化が図られるなど、より走りにフォーカスしたモデルに仕上げられている。
左/エクステリアデザインは、アルピーヌブランドを象徴するクラシックA110のイメージを忠実に引き継いでいる。
右/ブレーキには強力なブレンボ製アルミモノブロックブレーキキャリパーと直径320mmのバイマテリアルディスクが採用される。
左/アルミやカーボンを多用したスポーティなインテリア。
右/リアにあしらわれたエンブレムがスポーティな雰囲気を演出。
主要諸元 | |
エンジン | 直4エンジン ターボ |
最高出力 | 300ps/6300rpm |
最大トルク | 340Nm/2400rpm |
全長×全幅×全高 | 4205×1800×1250mm |
車両重量 | 1110kg |
車両本体価格 | ¥11,600,000〜 |
STAFF
Photos: Ken Takayanagi
Writer: Koichi Yamaguchi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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