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シティ・ポップの金字塔である大瀧詠一氏のアルバム『A LONG VACATION』のジャケットを飾った永井博氏のイラスト。夏を象徴するようなその絵をカバーに配した“バング&オルフセン(B&O)”の「Beosound A9」が限定で発売された。音楽とライフスタイルの関係性を更新してきた“B&O”らしい、オーディオの概念を軽々と超えるような存在感が魅力だ。
現代に至るまで、私たちが日常生活において音楽を楽しむ可能性は、ずっと広がり続けている。19世紀後半にエジソンが蝋管レコードを発明して以来、音楽は「自宅で好きな時に聴ける」ものとなった。レコードは円盤になり、LPとなって再生(収録)時間が長くなった。さらに磁気テープが登場し、カセットテープとなって扱いがぐんと簡便に、そして安価になり、「ウォークマン」によって活動しながら音楽を楽しめるようになった。その後音源はデジタルデータ化し、CDが登場。そして今日、配信などで24時間、多種多様な音楽が、探したり選んだりする手間なしに聴ける状況が生まれている。
そんな風にソースが進歩し続ける一方で、生活においていい音楽を味わった実感、経験は、以前と比べてどのくらい増えているだろうか。イヤホンやヘッドホンによる聴取で、通勤通学時など、「ながら」時間を音楽で満たすことは可能となったが、多くの場合それは外界から隔絶されるためであり、音楽を楽しむ姿勢とは少し異なるように見受けられる。生活の中で、お茶を味わうように音楽を聴く。そのためには、感覚をリラックスさせるオープンイヤーでのリスニング、スピーカーによるサウンドが重要になってくる。
“バング&オルフセン(B&O)”といえば、優れたデザインのプロダクトで知られるデンマークのオーディオブランドだが、音楽を聴く行為の生活におけるあり方を、長年革新し続けてきたといえるだろう。複数の部屋で同時に音楽再生が可能なオーディオリンク、音源を自動で再生するシステムなどは、同ブランドではかなり前から実装されていた。また近年充実している携帯性の高いアクティブスピーカーは、日常のさまざまなシーンにおける高品質なリスニングを実現している。さらにピュアオーディオ的なリスニングスタイルにこだわりすぎないのも、生活の中に音楽を取り込むという点においては、有効だろう。
そんな“B&O”らしさがよく表れているアイテムのひとつが、アクティブスピーカーである「Beosound A9」。円盤に3本足がついた形状は、ミニマルであると同時に斬新な存在感がある。ツイーター、ミッドレンジ、フルレンジユニットを2個、そしてウーファーを1個使って再生されるサウンドは十分なパワーで、空間やシーンに合わせてアプリでカスタマイズが可能だ。さらにアーティストたちとコラボレーションした絵柄のカバーを採用した「ART OF THE A9」プロジェクトも展開され、このスピーカーの新たな魅力が表現された。
そして、この8月には特別企画「Your Summer Dream -Beosound A9 by Hiroshi Nagai-」として、日本限定の「Beosound A9」のコラボレーションモデルが発表された。大瀧詠一氏の大ヒットアルバム『A LONG VACATION』のジャケットにも使われた永井博氏のイラスト(の部分)が、カバーにプリントされている。昨今シティ・ポップまたは昭和歌謡として、国内外で人気を博している1980年代の日本のポピュラー音楽。今回のコラボレーションもそのブームの一環といえるが、同時にそれは、先述した“B&O”が追求し続けている、生活における音楽聴取のあり方と可能性を拡張する、最新の試みのように感じられる。
当初は永井氏のイラストに、大瀧氏がテキストを書いたイラストブックだったという『A LONG VACATION』。その後大瀧氏は永井氏の絵を着想源に、夏向けの曲を中心とした同名アルバムをつくったのだった。イラストレーターとミュージシャン、絵画と音楽、異なるもの同士の邂逅ゆえにもたらされた唯一無二な価値、存在感。今回、絵画とオーディオの出合いとして、その構図がリブートされているようにも思える。
この「Your Summer Dream -Beosound A9 by Hiroshi Nagai-」は、100台の限定モデル。8月6日より9月4日まで、バング&オルフセン伊勢丹新宿店にて先行販売されている。また期間中には、目黒区青葉台にて音楽とファッションが融合した「Adult Oriented Rooms(AOR)」を営むデザイナー、弓削匠氏セレクトのsummer musicが店内にて楽しめる。こちらのコラボレーションもまた注目だ。
AUTHOR
『エスクァイア日本版』(エスクァイア マガジン ジャパン)編集部を経て、『メンズプレシャス』(小学館)などでメンズファッションやデザインプロダクト、カルチャー等の企画を担当。それらの傍ら、紳士靴の雑誌『LAST(ラスト)』を創刊し編集長を務める。現在は『Advanced Time』本紙とオンラインのほか、さまざまなメディアにて、ファッションやライフスタイル分野でエディターまたはライターとして活動している。
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Writer: Yukihiro Sugawara
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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