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毎年高級ブランドが集い、新作時計の見本市となっているウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ(以降W&WG)。本年が初参加となった筆者が会場や市内の雰囲気をお届けする。
毎年高級ブランドが集い、新作時計の見本市となっているウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ(以降W&WG)。W&WGだけではなく、海外取材が初となる筆者が会場やジュネーブ市内のリアルな雰囲気をお届けする。
W&WGは2022年からの開催のため、2025年で4年目になる。これまで100年以上にわたり世界最大の時計見本市となっていたバーゼル・ワールドが消滅し、ジュネーブ・サロンにバーゼルで出展していたブランドが合併される形で誕生した。本年は4月1日(火)~4月7日(月)まで7日間の開催となり、全60ブランドが参加。年々認知度は高まっており、来場者数は前年から12%増の55,000人以上を記録。これは史上最多の記録で、時計製造の文化を世界に広めるというW&WGとしての役割を十分に果たす結果となっている。
ジュネーブ国際空港から徒歩15分ほどの距離にある会場は、荘厳な雰囲気を纏う。入り口には多数のガードが配置されており、入場には事前登録した際に送られてくるQRコードの認証が必要になる。ここから更に荷物検査を経て、ようやく入場できる。とはいえ、会場のなかには数億円する時計もあるため、厳しい監視が必要になるのも納得できる。
会場に入ると、開放感のあるスペースが広がっている。東京ドーム約2.2個分の広さの会場は1階と2階で構成されており、端から端まで歩くには10分程度かかる。驚くべきは各ブランドのブース装飾だ。展示場と聞いて思い浮かべるのは簡易的に建設されたブースかもしれないが、W&WGでは各ブランドが世界観を表現するために趣向を凝らしている。例えばF1の公式パートナーを務めているタグ・ホイヤーはレーシングカーをブースの入り口付近に配置していた。また、イタリア海軍との結びつきがあるパネライは、イタリア海軍特殊部隊が使用した攻撃兵器(SLC)を水槽に浮かべて展示。勿論、時計の展示だけのブランドもあるが、ブランドの色を出すための方法が多岐に渡っており、さながら博物館を周遊しているような印象を受ける。
期間中は様々なセレブリティや文化人が訪れる。ロレックスのアンバサダーでプロテニスプレイヤーのロジャー・フェデラーはスイスの英雄であり、大いに会期を盛り上げた。また、日本からは俳優の竹内涼真がゼニスのアンバサダーとして参加した。著名人ではないが、時計を100個以上洋服やバッグに貼り付け(時計は26カ国から寄贈されたものとのこと)、会場で一際注目を浴びている男性もいた。「巻き戻ることはないから時間は面白い」と彼は語ったが、普段何気なく過ぎていく時間について、改めて考えさせてくれるきっかけを与えてくれた。
W&WGの熱狂は会場内にとどまらない。期間中は「IN THE CITY」と呼ばれる催事がジュネーブ市内の至る所で実施されており、時計に関連するイベントが各所で散見される。そのなかでも印象に残っているのが、時計の製造体験ができるワークショップに若年層が参加していたことだ。スイスにおいて時計製造の歴史は長いが、継承者がいないと産業として廃れていくことになる。だからこそ、若者が時計文化への興味を持っていることは大切なのだ。
市内ではその他にも講演会や時計の展示などが行われているが、予約が必須の場合も多く、すぐに枠が埋まってしまうので、参加を希望する際は注意が必要になる。
W&WGには日本の祭りと重なる部分がある。勿論、神様を奉るのではなく、時計産業を盛り上げるための行事ではあるが、単に時計を紹介するイベントではなく、地域住民どうし、あるいは現地の人と観光客を繋ぐ交流の場となっており、まさに祭典と呼ぶべきにふさわしい。
時計を介して人が繋がる。時計を介して人を知る。時間を把握することが容易になった現代社会において、時計は時間を知るためだけに存在するのではないと感じさせてくれる、そんな7日間。それがW&Wであり、ジュネーブで開催される意義なのだ。
STAFF
Writer: Tatsuya Kanai
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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