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ドイツの生活文化から生まれた発想、 棚や引き出しの中に広がるのはキッチンを使う人の個性
ドイツのキッチンブランドは日本でも人気です。特に驚くのは日本にはない発想の、数千種類にも及ぶ収納パーツです。
ドイツ人といえば掃除、整理整頓を心掛ける生活文化で知られています。キッチンを選ぶときには、日々の家事で無駄な探しものや作業を省くため、収納を緻密に計画し、ウィッシュリストは何十行にも及ぶとも言われます。
ドイツキッチンは基本的に見た目のデザインが実にシンプル。けれども扉を開けると一転します。
たとえば引き出しはスパイスラックや包丁、カトラリーを見やすいように並べられる、トール収納の多様なラックが設置できるなど、収納量よりも道具を適切な位置に配することが優先されます。だからこそ、キッチンに家族それぞれの個性も感じることができます。
そしてドイツ人の真意は合理的な作業で家事や仕事をいち早く終わらせてバケーションをゆったりと取る、人生の楽しみのためなのです。
収納パーツの種類では世界一を誇るドイツブランド。キッチン全体は直線的なシルエットでタイムレスなデザイン。実にシンプルな外見と扉を開けたときの収納パーツの充実ぶりの差が見事なほど。特に扉裏まで耐荷重があるラックを設置でき、収納量を30%アップできます。扉材は指絞レスの塗装、リッチな木目やブロンズ仕上げなどから自由に選べます。
建築と一体化するミニマリスティックで緻密なデザインのキッチンは世界中の憧れ。強靭なフレームを壁内に設置し、キッチンキャビネットや収納パーツ、オーブンなどのビルトイン家電までハンギングする驚きのキッチンシステム。壁に折りたたんでしまえる包丁差しやまな板など、ここにしかない独自の収納パーツも。引き出しの中も見事です。
初出:2023年9月30日発行『AdvancedTime』18号。掲載内容は原則的に初出時のものです。
本間美紀(インテリア・キッチンジャーナリスト)
インテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、 デザインやインテリアと暮らしを両立させたハイエンド住宅取材は300件以上。住み手とつくり手、 両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多い。著書は『人生を変えるINTERIOR KITCHEN』など。
STAFF
Writer: Miki Homma
Editor: Akihiro Miyazawa
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