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この春スイス・ジュネーブで開催されたウォッチズ&ワンダーズでは目を見張る時計の数々が発表された。また独自に発表するブランドの新作も見逃せない。今年登場したワクワクする機構、ゾクゾクするデザインの新作時計をご紹介していこう。
コロナ禍を経て、ガラリと変わったスイスで開催される新作時計の見本市。100年以上続く世界最大の時計見本市バーゼル・ワールドはさまざまな理由から2022年に消滅してしまった。そこでバーゼル・ワールドに出展していたパテック フィリップやロレックスなどの主要ブランドが、カルティエやヴァシュロン・コンスタンタンを擁するジュネーブ・サロンに合流してウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブが誕生したのだ。
今年で2年目となる対面で開催したウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブは48ブランドが出展。ブランド数が増えたことで、会場規模も約2倍に拡大して、まさしく世界最大の時計見本市となった。取材で訪れた3月には欧州では新型コロナウイルスがすでに過去のものとなっており、多くの人で賑わう会場ではマスクを着用する人は誰一人としていない。恐る恐るマスクを外すのは、海外のヌーディストビーチに迷い込んだ気恥ずかしさと似ていた。
新作が出揃ったところで今年はどんなトレンドが見えてきただろうか。昨年ブレイクしたケース&ブレスレットの一体型となったラグジュアリースポーツウォッチやグリーンダイヤルの新作は今年も引き続き多く見られた。そのなかで目立ったのが、クロノグラフウォッチやチタン製ケースのウォッチだ。高級時計においてもっとも人気の複雑時計といえるクロノグラフは、多くのパーツを収納するため、どうしても大きくなってしまうケースを薄型・小径化するのがトレンドだった。しかし、機能性ばかり追い求めると似たり寄ったりのデザインが増えるのも事実。そこで今年は個性をプラスしたさまざまなクロノグラフが登場し、オリジナリティを競っている。 一方で、ウォッチズ&ワンダーズは商業的な展示会であると同時に、新しいアイデアや機能の発表の場でもある。斬新な時計がまた別のアイデアを生み出すインスピレーションにも繫がっているのだ。所有欲を刺激するとともに、知的好奇心も刺激する独創的なデザインの時計も見本市の醍醐味だ。
個性派揃いの新作時計は見どころも満載。しかし各社が力を入れる分野をみれば、今年のトレンドも見えてくるはずだ。
リセット時にクロノグラフ秒針が、すぐ帰零せずに計測で進んだ周回分だけ高速で巻き戻る独自機構を搭載。
表面に時分表示、裏面に時分針とクロノグラフ秒針、30分積算計を備える。左右対称のメカニズムが美しい。
1993年のオリジナルモデルを取り入れながら、ブレスまでブラックセラミックを初採用。フライバッククロノグラフ機構を搭載。
GS初の機械式クロノグラフ。動力伝達効率に優れ、毎秒10振動にも関らずクロノグラフ作動時でも3日間(72時間)駆動する。
ベゼルの回転だけでクロノグラフの一連の操作が行える世界初の機構を採用。外からは見えないモノプッシャーを備える。
STAFF
Writer: Katsumi Takahashi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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