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琵琶湖のさらに北にひっそりとたたずむ余呉湖。この湖の西岸に豊かな食と伝統料理を美食に高めた料理宿がある。ここで食の探求を続ける料理人の姿勢は、訪れる者の感動を誘う。
波ひとつない、凪いだ湖面が周囲の景色をものの見事に映し出す場所。その様から〝鏡湖〟とも呼ばれる余呉湖は、琵琶湖のさらに北に位置する周囲6㎞ほどの小さな湖だ。その静謐な場所に向かう今回の相棒は〝日産〟「アリア」。話題のクロスオーバーSUV型電気自動車(EV)である。
「アリア」はEV開発に積極的に取り組んできた〝日産〟の意欲作とあって、他のEVとは一線を画すクオリティの高さを感じさせる。張りのある有機的な面構成のおかげで、存在感はたっぷりながらも威圧感はなし。EVにありがちなパワーやレスポンスの良さをことさらに強調せず、ドライバーの意思にしっかりと応える走りの躾や、内装のそこここに組子や枯山水のモチーフが盛り込まれるなど、全体を通した仕立てに〝和〟を尊ぶ精神が息づいている。
そんな「アリア」で向かったのは湖の西岸に居を構える和のオーベルジュ、「徳山鮓」だ。ここは日本の発酵学の第一人者である小泉武夫氏の後押しにより、発酵料理人としてのキャリアをスタートさせた徳山浩明氏が開いた料理宿。「足を運んでもらうからには、ここでしか食べられないものを堪能していただきたい」と徳山氏が語るように、軸足はこの地の恵みを存分に味わえる料理にある。一緒にこの店を切り盛りする家族たちと山に入り、自然の恵みを自らの目で確かめ、そのうえで様々なアイデアを出し合って季節ごとの特別なひと皿を生み出している。この地域に伝わる熟鮓(なれずし)も「徳山鮓」を語るうえで欠かせない一品だが、そのアレンジにも積極的だ。素材そのものはもちろん、歴史や文化を尊重しながら、新たな味の創造に挑戦する〝静と動〟の姿勢こそが、厚い支持を集める秘訣だろう。そんな当たり前だが大事なことを〝日産〟「アリア」と「徳山鮓」は教えてくれた。
徳山鮓で供されるコースは、実際に取れた食材によって内容も異なってくる。料理方法も最適なものが選ばれるため、同じ素材でも常に進化している印象を受けるはずだ。すべて自信ありの一品だからこそ、これがメインとは謳っていないそう。春夏秋冬、いつ行っても驚きや感動が味わえる楽しみがある。
京都の料亭で和食の基礎を学んだのち、地元の伝統食である熟鮓の可能性を追求するべく発酵料理人となった徳山浩明氏。いまも自ら食材探しに出歩き、訪れる美食家たちの意見も取り入れるなど、新しい味の創造に余念がない。
「ここから見えるところで取れた食材のみで勝負しています」とは板長の言葉。4種類のきのことすっぽんの出汁を使った鍋や鰻の白焼き、熟鮓の飯(いい)を用いたジュレ添えなど、野趣あふれる素材がどれも高い洗練度の一皿に生まれ変わる。
「リーフ」に続く〝日産〟の量産型EVとして登場した、クロスオーバーSUVスタイルの「アリア」。シンプルな面構成のなかに走るシャープなラインが新しいデザインの方向性を物語る。2022年度のグッドデザイン賞を受賞。プロパイロット2.0をはじめとする先進の運転支援機能も充実している。
水平基調でまとめられたダッシュボードには12.3インチのディスプレイを2つ並べ、そこに様々な機能や情報が集約される。空調のコントロールは木目調パネルに光るアイコンに触れると作動するハプティックスイッチ。石庭の紋様をイメージしたフロアカーペットや〝組子〟模様のインテリア加飾パネルなど和の趣が感じられる。
ことさらにモーターの力強さを強調するのではなく、あくまでドライバーの意思に忠実にパワーを立ち上げてくれるためシチュエーションを問わず扱いやすさが光っていた。
主要諸元 | Nissan Ariya B6 2WD |
モーター | 交流同期電動機 |
最高出力 | 160kW(218ps)/5,950〜13,000rpm |
最大トルク | 300Nm/0〜4,392rpm |
全長×全幅×全高 | 4,595×1,850×1,665mm |
車両重量 | 1,960kg |
車両本体価格 | ¥5,390,000 |
「アリア」には66kWhの「B6」と91kWhの「B9」があり、それぞれに1モーターのFFと2モーターのe-4ORCE(4WD)を用意。B6モデルは470kmの航続距離(WLTCモード)を標榜する。
初出:2022年12月4日発行『AdvancedTime』14号。掲載内容は原則的に初出時のものです。
STAFF
Photos: Chikara Kitabatake
Writer: Tsuneharu Kirihata
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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