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大阪・関西万博でも満足度の高いパビリオンに選出され、悠久の歴史とアラブ各国の交流地点として多様な文化を育んできたヨルダン。体験型の幻想的展示はこの国の過去・現在・未来を時空でつなぐ旅のプロローグであり、ヨルダンからわれわれに届いたリアルな旅への招待状でもある。冒険心と知的好奇心に満ち溢れる旅人は、ヨルダンへと導かれる。
熱気あふれる大阪・関西万博。アラブの伝統的な衣装「シュマグ」からインスパイアされたファサードのヨルダンのパビリオンを訪ねた。


この日はヨルダン館のメイン展示物である砂漠ドームで、アナウンサー・マインドフルネストレーナーとして活動する内田恭子氏による、マインドフルネスのイベントが開催された。



ドームに敷き詰められるのは、世界遺産「ワディ・ラム砂漠」から船で運ばれた22トンもの赤い砂。素足で踏みしめるとサラッとした心地よい感触が伝わる。
マインドフルネスは「ゆるめる・ほどく・てばなす」が重要なエッセンス。内田氏を中心に、参加者それぞれが思い思いのスタイルで心と体を整えていく。
この砂漠エリアを円形に抱く直径11メートルの360度スクリーンには、ワディ・ラムの映像がプロジェクションマッピングで映し出され、天を仰げば、無数の星が瞬く。砂上に座ったり仰向けに寝転んだり…。いつしかワディ・ラムに迷い込んだかのような実にリアルな没入感を経験できた。
パビリオンのもう一つのスペシャルな体験が、死海の塩と泥を使ったハンドマッサージ「死海スパ」。開場から10分足らずで1日の予約枠がすべて埋まるという盛況ぶりだという。自宅でも死海スパを再現できる、ヨルダンブランドのコスメも販売され人気を博している。




ヨルダン館のシファ・ズグール・ハッダード政府代表代行は、駐日大使の妻として2018年までの23年間を日本で暮らした。大学で日本の歴史や文化を学ぶと、2005年に愛知県で開催された「愛・地球博」にも深く関わり、今回のヨルダン館では館長のアフマド・ジョブラーン氏とともに、ヨルダンの魅力を伝える世界を作りあげた。ワディ・ラム砂漠と死海の塩を日本で体験できるという大胆な発想はシファ氏なくしては実現できなかった。すでにクライマックスを迎える万博だが、「ぴあ」の出口調査によると、ヨルダン館は「満足度No.1」のパビリオンとなった。
「『愛・地球博』では第3位でしたから、今回1位になれたことをとてもうれしく思っています。来館者アンケートでは95%の方が、この万博でヨルダンの歴史や文化に初めて触れたと回答されていました。砂漠やスパの体験を通じて、ヨルダンの魅力をより広く知っていただければと思います」と、シファ氏は屈託のない笑顔を見せた。

大阪・関西万博で、ヨルダン館の掲げたテーマは、“過去・現在・未来を織り交ぜ、ヨルダンの不屈の精神との深い結びつきを紡ぐ”時空を旅する没入型の体験。
パビリオンで体験する幻惑のパフォーマンスは、ヨルダンをより身近に感じるためのプロローグであり、ヨルダンから届いた招待状である。
ヨルダンの正式名称はヨルダン・ハシェミット。中東・西アジアに位置し面積はほぼ北海道に等しい。周囲をイラク、サウジアラビア、シリア、イスラエル、パレスチナに囲まれているが、国内の治安は良好で、中東地域の平和維持において、ヨルダンは重要な役目を果たしている。
決して渡航が難しい国ではなく、成田から首都アンマンまではひとっ飛び約19時間で到着。サウジアラビアやエジプトからは陸路で国境を超えることも可能で、今や中東エリアのラグジュアリーステイの拠点として世界中のセレブリティが集っている。
遺跡や城塞として記録にとどめる悠久の歴史や、冒険心を掻き立てる壮大な光景・風景が織りなすスペクタクルと感動。首都アンマンは現代都市としての意匠に満ち溢れ、中東のスタートアップの中心地点として、エネルギッシュなビジネスの未来図も描かれている。


アラビア半島北西部の高原地帯にあるヨルダンは、国土の大部分を砂漠で占められる。別名「月の谷」とも呼ばれるのが、壮大な絶景が圧巻の砂漠地帯「ワディ・ラム」。世界遺産になり砂漠全体が「ワディ・ラム保護区」となった。砂岩に含まれる酸化鉄によって砂が赤やオレンジとなったこの赤い砂漠は、映画『アラビアのロレンス』や『スター・ウォーズ/エピソード9』のロケ地として知られ、誰しも一度は目にしたことのある砂漠の原風景でもある。ワーディーとは流水のない涸れ川を意味し、ラムはアラビア語の「高い」に由来。ヨルダン最高峰のウム・ダーミー山を有し、登山やロッククライミングの名所としても名高い。
セレブリティには、ダイナミックな砂漠の景観と遊牧民「ベドウィン」が育んだ伝統文化を体験できる、豪華なドーム型テントで過ごすキャンプが人気。テントの頂部から望む満天の星空は、旅慣れたツーリストにとってもレアリティの高いアドベンチャーとなる。


紅海の奥に細長く伸びたアカバ湾と死海にはさまれた渓谷ある、2000年前に栄華を誇った古代の岩礁都市ペトラの遺跡。急峻な断崖や、赤茶けた岩壁をくり抜いて造られた幻想的な建造物が並ぶ。岩の裂け目を使った全長1.2kmのコースを抜けると突如出現するペトラの象徴的存在「エル・カズネ(宝物殿)」。その壮大なスケールに人はしばし絶句。映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の舞台としても知られる。強い日差しを浴びることで岩がバラ色に光輝くことから「バラ色の都」と言われることも。1985年にユネスコの世界遺産に登録され、2007年には「新・世界七不思議」にも選出された。




ヨルダン渓谷の中でも、地球上で最も標高の低い海抜マイナス423メートルに位置する塩湖。塩分濃度が約30%と高く、世界で唯一水面に浮遊することができる。同時に世界一酸素濃度が高い場所でもあるため、滞在をするだけでも脳がクリアに働くとも。死海周辺にはミネラル成分を豊富に含んだ温泉が点在し、美肌や健康効果があるとされることから、スパ施設も数多く存在する。死海を望む景観も素晴らしく、現在では世界の名だたるラグジュアリーホテルが建ち並んでいる。


アジア、アフリカとヨーロッパの文化交差点として古くから栄える首都アンマン。地域内からの多様な人々を受け入れてきた歴史的背景から独特なアートや文化を形成する。現在では高層ビルがそびえるモダン都市と変容。アートギャラリーが点在する地区「ジャバル・ルワイブデ」は国内外のアーティストが集まる文化拠点。カフェやレストランが軒を連ねる「レインボー・ストリート」では文化やアート、食事やショッピングを楽しめる。


高級リゾートホテルが集まるアカバは、ヨルダンの最南端に位置する、紅海に面したヨルダン唯一の港湾都市。紅海沿いには高級リゾートホテルが集まっている。紅海でのボートクルーズや艶やかなサンゴ礁が見られるダイビングなどウォータースポーツスポットとしての魅力も持ち合わせる。
日常と非日常がめまぐるしく交差するヨルダン。砂漠から古代遺跡、死海やアカバ湾でのラグジュアリーステイなど見どころを凝縮。未知なる魅力にあふれる時空を超えた旅に出かけてみよう。
STAFF
Writer: Masahiro Ando
Photos & Editor: Atsuyuki Kamiyama
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