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スイス・ジュネーブで開催された高級時計見本市「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ」。会期中、パテック フィリップはジュネーブ旧市街の本店サロンで「希少なハンドクラフト展」を毎年開催している。その中から職人の技が光る希少な時計をご紹介。
パテック フィリップが毎年開催している「希少なハンドクラフト展」はジュネーブに伝わる伝統技術を次世代に伝えるという重要な役割を果たしている。クロワゾネ七宝、七宝細密画、木象嵌といった工芸技術を駆使し、腕時計をはじめ、レギュラーコレクションには見られないドーム型テーブルクロック、懐中時計に表現される。
インスピレーションは多彩で、動植物からスターン家が愛するヨットが浮かぶレマン湖、文学作品にまで及ぶ。こうした芸術的な時計もまたジュネーブの時計文化のひとつだ。
近年、パテック フィリップが力を入れる木象嵌で、北米に生息するハクトウワシを表現。羽毛のニュアンス、くちばしのボリューム、鋭い目などを再現するために、木象嵌職人が33種類の異なる色、質感、木目を持つ極小の木片を切り出して、組み立てられる。
アマゾンの熱帯雨林での生物の多様性を生き生きと表現したドーム型の置き時計。金線で輪郭を形成し、そこにエナメルを塗ったデザインを890〜910℃の温度で10〜14回の焼成を施す「クロワゾネ」という技法を使用。このモデルは59色が使われ、ドーム状の曲面にも描いていくのは、とても高度な技術を要する。
クロワゾネと、銀箔の上にエナメルを施す「パイヨン・エナメル」の技法の組み合わせ。背景の黒地に映えるブルーの葉のニュアンスを出すために10色の半透明のエナメルを塗り重ねて、12回に及ぶ焼成を行った。チェーンブレスレットはこのモデル限定仕様だ。
プロヴァンスのラベンダー畑をテーマに、ギヨシェ彫りされたサンバーストの上に薄紫の釉薬で封じ込める「フランケ・エナメル」を表面と裏蓋で表現。その上にクロワゾネと七宝細密画で、ラベンダーとミツバチを繊細に描き出した。アワーマーカーのオレンジサファイアのジェムセッティングや、スタンドのラベンダーに取りつく蜂のゴールド彫金など、伝統技法が惜しげもなく用いられた逸品だ。
初出:2025年6月28日発行『AdvancedTime』27号。掲載内容は原則的に初出時のものです。
STAFF
Writer: Katsumi Takahashi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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