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The Greater “GINZA”の現在

規模も楽しみ方も拡大した、我が国の象徴。

来日客の多くが最初に訪問するのは、我が国を代表する商業地、銀座だ。インバウンドの激増と相まって周辺地域に威光を拡大し、いわばThe Greater “GINZA”となった今もなお、銀座に通暁することは、真に豊かなる者にとって、不可視のパスポートなのである。

LIFESTYLE Oct 24,2023

—Cruising—　華やかな表通りも粋人が好む裏路地も“GINZA”そのものだ

身近なようで実は遠い、あるいは踏み込み難い領域。そうした世界はどこにでも、あるいはどの都市にも存在する。東京における代表格は間違いなく銀座だろう。

BMW ALPINA B8 Gran Coupéの画像 — 東京国際クルーズターミナルから銀座まではクルマで20分程度。

街のファサードとも言うべき中央通りや晴海通りを練り歩けば、現代日本の到達点を一覧する華やぎが感じられる一方で、一本路地に入れば、限られた賓客をもてなすための特別誂えの施設や、初見の客をひるませるような小体な飲食店がひしめきあっている。その集積が銀座という街の構造であり、一見のきらびやかさとの対比が、より一層の魅力と深みを街に与えている。

クルマの世界でも同じようなことが言える。威風堂々としたスタイルながらも、これ見よがしな装飾は抑え、それでいてパーソナルな室内空間は独特の安らぎを与えつつ、また一方では途方もないドライビングパフォーマンスを忍ばせる。そんなラグジュアリーモデルが多く存在し、それぞれのブランドの歴史に裏打ちされた威光を放ち続けている。

その中でも独自の存在感を示しているのがアルピナだ。レースで培った高い技術力によるクルマ作りで、知る人ぞ知るブランドとして名を馳せ、ドイツを代表する自動車メーカーの地位にまで上りつめた。

特に今回の銀座クルージングに連れ出した「B8 グランクーペ」は、アルピナの世界観に溢れた、フラッグシップらしいモデルだった。

特徴的なフィンデザインの21インチのシューズは、ほとんど転がり抵抗を感じさせず、同時に専用チューンの足回りが路面の凹凸を一切合切包み込み、撫でるように、流れるように歩みを進める。ひとたびスロットルペダルを踏み込めば、天井知らずのパワーの奔流に飲まれるが、そこに一切の荒さや無駄は感じられない。リッチなトルクから生まれる強力なGの心地よさが、上質かつ静謐な空間で存分に味わえるだけだ。素材の旨みを最大限に引き出しつつ洗練度を高める手法はまるで魔法。そんな奥ゆかしさのなかにある贅を教えてくれる“アルピナ・マジック”の世界に身を委ねてみれば、銀座の様相もまた違って見える。この街の新たな豊かさに出合えるだろう。

主要諸元	BMW ALPINA B8 Gran Coupé
エンジン	4.4ℓ V型8気筒 DOHC ツインターボ
最高出力	621PS（457kW）／5,500〜6,500rpm
最大トルク	800Nm／2,000〜5,000rpm
全長×全幅×全高	5,090×1,930×1,430㎜
車両重量	2,170㎏
車両本体価格	￥26,900,000