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「ビームス50周年」を記念して登場した、“ビームス F”による英国“ドレイクス”のカプセルコレクション。“ドレイクス”の英国らしい、リラックスしたトラディショナル・スタイルは、“ビームス F”のチューニングにより、よりエレガントで、落ち着いた存在感を得ている。それはまた“ビームス F”が追求してきた服づくりがより端的に表れているようにも感じられる。

“Drake’s(ドレイクス)”は、1977年にネクタイやスカーフのブランドとして、マイケル・ドレイク氏とチャールズ・ヒル氏が英国イーストロンドンにて創業。その後同ブランドのハンドメイドタイやハンカチは世界的に知られるようになり、日本でも百貨店やセレクトショップなどで取り扱われるようになった。2010年にはチャールズ・ヒル氏の息子であるマイケル・ヒル氏がクリエイティブディレクターに就任。現在“ドレイクス”はロンドンやニューヨーク、ソウルにその名を冠した店舗を持ち、ネクタイなどのメンズアクセサリーだけでなく、メンズクロージング全般やシューズなどまで幅広く展開している。近年アメリカや欧州などで盛り上がりを見せる何度目かの「アイビー&プレッピー」ブームにおいても、“ドレイクス”はその存在感を高めている。さらにオリジナルのヴィジュアルやコラムなどが充実しているオウンドメディア(自社ウェブサイト)も、同ブランドの人気に重要な役割を果たしている。

この秋、その“ドレイクス”とコラボレーションする形で、日本の“ビームス F”が「ビームス50周年」を記念したカプセルコレクションを展開している。“ビームス F”は同店がスタートした1980年代から長年にわたって“ドレイクス”を取り扱い、信頼関係を築いてきた。今回のコラボレーションはその関係性の成果ともいえ、同時に“ドレイクス”からの“ビームス F”へのリスペクトを感じさせるものだ。

今回のカプセルコレクションのアイテムは、“ドレイクス”のデザインをもとに、“ビームス F”のフィルターを通して、同店が信頼する日本国内のメーカーやファクトリーが服づくりを担うという、新たな取り組みでつくられている。通常の“ドレイクス”アイテムにはシャツやニット、ネクタイなど、いまでは稀少となった英国製も多く、それらは同ブランドが追求する「英国のトラディショナルスタイルをベースとしたリラックス感あるエレガンス」を担う存在でもある。そんな“ドレイクス”がカプセルコレクションとはいえ、日本製の各種アイテムを展開すること自体に、彼らの美意識や価値を深く理解している“ビームス F”への信頼と、日本のつくり手への高い評価が表れているように見える。

今回のカプセルコレクションで展開されているのは、コート、ジャケット、ブレザー、チョアジャケット、ニット、パンツ、シャツ、帽子など多岐に渡るアイテム。“ドレイクス”のアイコニックな「ゲーム」ブレザー(ジャケット)は、高い仕立て技術で知られる日本のリングヂャケットにより、もともとのアンコンストラクテッドな構造からより本格的なテーラードジャケットへとアレンジされている。

ダブルブレステッドのブレザーは、“ドレイクス”独自のスタイルである腰パッチポケット+チェンジパッチポケットを採用して、さらに袖ボタン1つの仕様に変更。生地は尾州の三甲テキスタイルが手掛けた極厚カレッジフラノを使用し、ラギッドなテイストを巧みに配剤している。


またデニムチョアジャケットには、岡山のセルヴィッチデニムを使用。“ドレイクス”の定番モデルをベースとしながらも、袖口はヴィンテージカバーオールに見られるような1つボタンの仕様に変更している。縫製は国内屈指のデニム縫製工場といわれる新見ソーイングセンターが担当している。さらに同素材のファイブポケットパンツを、日本限定で展開している。

いずれのアイテムも、“ドレイクス”の英国性やカジュアルなムードを維持しつつ、“ビームス F”のクオリティ感が盛り込まれている。日本で“ビームス F”の服に親しんできた方にとっては、その感覚はお馴染みのものかもしれない。他方で、今回のカプセルコレクションはロンドンやニューヨークの“ドレイクス”でも取り扱われることになっている。ジャパンデニムが世界的に好評を博し、パリなどでメンズ・ウィメンズの別なく日本発のファッションが支持され広がっている昨今、このコラボレーションもその潮流の一翼を担う存在となりそうだ。さらにそれは英国と日本の美意識、双方が融合しもたらされた僥倖のようにも感じられる。長年服を楽しみ、味わってきた方ほど、その真価が実感できるのではないだろうか。
AUTHOR
『エスクァイア日本版』(エスクァイア マガジン ジャパン)編集部を経て、『メンズプレシャス』(小学館)などでメンズファッションやデザインプロダクト、カルチャー等の企画を担当。それらの傍ら、紳士靴の雑誌『LAST(ラスト)』を創刊し編集長を務める。現在は『Advanced Time』本紙とオンラインのほか、さまざまなメディアにて、ファッションやライフスタイル分野でエディターまたはライターとして活動している。
STAFF
Writer: Yukihiro Sugawara
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