京都で極上の空間を発見!上質なワインを堪能できるラグジュアリーなワインバー

京都といえば、京料理や日本酒のイメージを持たれるかもしれないが、じつは明治37年(1904)にはフランス料理店ができ、洋食の歴史は長いし、昭和54年(1979)には丹波にワイナリーが開業。ワインを嗜むという文化は、京都では長く染みついている。そんな中、昨年ひっそりとオープンしたワインバーが、あまりにも素晴らしすぎた。AdvancedTime読者だけにこっそりお教えする。

LIFESTYLE Sep 18,2026
京都で極上の空間を発見!上質なワインを堪能できるラグジュアリーなワインバー

扉を開けると瞬時に魅了される

京都の中心部、四条烏丸エリア。地下鉄と阪急の駅があり、デパートや銀行、有名企業などが建ち並び、表通りから一本道を入ると落ち着いた古い町並みも残る。近年、健啖家を唸らせる店も増え、夜は観光客も目立ち、賑わう。

昨年7月、この地にオープンしたのがワインバー『BRUN』(ブラン)。三度の飯よりワインが好きな(笑)筆者の情報網にたまたまひっかかり、気になっていた店で、この界隈での夕食後に立ち寄ってみた。

ワインバー『BRUN』(ブラン)の扉の画像
一階の入り口から少し急な階段を二階へ上がると、ワインバーの扉がある。

扉を開けると、瞬時に心地よいショックを受ける。なんとも静謐な空間なのだ。シンプルながら存在感のある、しかし安心できる温かみのあるカウンター。古い町家を改装したと思われる天井は、屋根の形が分かるほどの高さがある。客席はわずかながら、広々とした空間が初めての訪問者にも安堵感を与えてくれる。照明のバランスも絶妙で、奥にガラス張りのセラーが見えた。

この日、まだ他には誰もおらず、私が最初の客。物静かな店主が迎えてくれた。腰を下ろすと一瞬にして、この上品かつラグジュアリーな空間に魅了された。これはワインも間違いないと確信する。

ワインバー『BRUN』(ブラン)の店内の画像
扉を開けるとこの光景。天井が高く、奥にセラーが見える。

クリーンナチュラルからクラシックまで

この店のInstagramには、「クリーンナチュラルからクラシックまで垣根の無いワインセレクト」と記されている。まずはグラスで白ワインを所望した。店主がカウンターに並べてくれたワインは、フランス・ブルゴーニュをはじめ、ドイツのものまで7種類。これは頼もしい。過去に飲んだ馴染の銘柄もあったが、この日は初めて出合ったオーストリアの珍しいソーヴィニヨンブランを選んでみた。これは……!いや、詳細を語るのはよそう。口にした途端、お尻に根が生えたとだけ申し添えておく。

その後、赤ワインをお願いすると、フランス・ローヌからイタリアものまで6種類を並べてくれた。そこから2018年のバローロをチョイス。想定以上に奥深く、格調の高い香りと味わいで、頬が緩んでしまう。聞けば、グラスワインは泡、白、赤など計15~20種類を用意しているという。

時間が経つと、他の客もやってきた。旅行中のカップルもいれば、外国人観光客のグループもいる。それぞれに細やかに、そして優しく対応する店主。人が増えても、店内の雰囲気は変わらない。東京なら西麻布あたりにありそうな、隠れ家的ワインバーといえようか。

すっかり愛着を持ってしまい、会計を済ませて帰るときには、再訪を心に誓っていた。

オーストリア、Harkampのソーヴィニヨンブランの画像
オーストリア、Harkampのソーヴィニヨンブラン。キレイな味わいに絶句。
魅力的なラインアップの画像
魅力的なラインアップのなかから、イタリアScarzelloのバローロ2018を選ぶ。
左/パプリカ入りオリーブ 右/セラーをのぞくと、ルーミエやフーリエなどブルゴーニュの銘醸モノが鎮座している様子の画像
左/フードは写真のパプリカ入りオリーブなどのほか、ブルーチーズのバスクチーズケーキも。 右/セラーをのぞくと、ルーミエやフーリエなどブルゴーニュの銘醸モノが鎮座。

若き日に神戸でハマったワインバー

二度目にこの店を訪れたのは、初訪問から3か月以上が経っていたが、店主は私のことを覚えていてくれた。これはプロ中のプロだと思い、改めて今回、話を聞くことになった。

店主の名は、大山達也さん。京都市に生まれ、調理師専門学校を経て、神戸のイタリアンに勤める。そこで地元のワインバー店主と出会い、就業後に通うように。

「ワインにハマったきっかけは、そのワインバーで口にしたシャンボール・ミュジニーでした。このワインに感動してしまい、週に3~4回は通っていたと思います。20年近く前の話ですが、当時はアンリ・ジャイエなどもリストにありましたね。休日は大阪のアカデミー・デュ・ヴァンに通いました」

24歳でソムリエ試験に合格した大山さんは、大阪にあるイタリアン『ポンテベッキオ』へ。“DRC”も一通り揃えていて、それを注文する上客も多かったというこの名店で4年間、ソムリエとして研鑽を積む。

その後、正統派フレンチ『オーベックファン神戸』を経て、神戸のイノベーティブ・スペイン料理店『カセント』へ。ミシュランで話題になったこの名店に5年間、マネージャーとして勤め、2021年、京都にオープンしたイノベーティブレストラン『コケ』でもマネージャーとして勤務。グルマンやフーディーが集う名店を渡り歩いてきたわけで、そのキャリアが素晴らしいサービスに繋がっているに違いない。

オーナーソムリエの大山達也さんの画像
オーナーソムリエの大山達也さん。1986年、京都市生まれ。

ひとり一人と向き合うことの大切さ

しかし、なぜこうした名店から離れ、ワインバーを始めたのか。

「仕事は充実していましたが、それ以上のキャリアアップに繋がらないように思えて、頭打ちを感じていました。燃え尽きた部分もあったかもしれませんが(笑)ワインバーは自分がワインを好きになったきっかけでしたし、休日は食べ歩きも好きですがワインバーに行くのはもっと好きでした。そちら側に自分も立ちたいと思ったのです」

それで約2年間、物件を探し、縁あったこの地にワインバーを開くことになったのだという。それにしても、この店の居心地の良い空間デザインには感心してしまう。

「設計建設事務所のikkenさんに意匠をお願いしました。白が基調ですが、意識したのはデザインと提供するワインとの統一感です。お店に足を運ぶのは、人に会いに行くという要素もあると思います。お客様は人に付くものですから、お客様ひとり一人に向き合うことに腐心しています」

シンプルでスタイリッシュなメニューの画像
メニューもシンプルでスタイリッシュ。
L字型カウンターの画像
L字型カウンターは8席。客席の背中側にも余裕のある空間。

店名の『BRUN』は、フランス語で“茶色”という意味。経年変化を連想させる色だという。オープンから1年、すでにいい時を経ている。これからの1年、いや5年後、10年後も楽しみにしたい、稀有なワインバーだ。

BRUN(ブラン)

BRUN(ブラン)の画像

京都市下京区堺町通四条下ル小石町115-3 日宝堺町センター2F
070-6507-6789
営業時間:19時~26時
定休日:不定休
https://www.instagram.com/brun_kyoto/

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