福井の新名所誕生!直接輸入したワインも扱うショップ&バー

北陸新幹線が延伸して2年半余り。恐竜博物館もリニューアルして、福井駅で降りる観光客は増加の一途をたどっている。駅前には恐竜のお出迎えだけでなく、高層ビルが立ち並び、瀟洒な店舗も続々と開店。福井はもはや金沢と並ぶ北陸の観光名所といっていい。そんな福井の夜で、いまワインラバーから注目されているバーがある。

TRAVEL Nov 5,2026
福井の新名所誕生!直接輸入したワインも扱うショップ&バー

目を引く異色のデザイン

福井駅の西口から歩くこと約7分。昭和な空気感を残す新栄商店街の入り口に、その店は佇んでいた。一見、ワインバーには見えない、ヨーロッパで見かけるクラフトマンシップが漂うような建物。入口に巨木が使われていて、只事ではないオーラが出ている。この『mon Somme(モンソム)』という店は、1階がワインショップ、2階がワインバーだという。まだ日中明るいうちに、1階のワインショップに入店してみた。
店主の玉村知基さんが対応してくれた。
「築70年の建物をリノベーションして、今年8月にオープンしました。元は靴屋さんでした。1階のワインショップでは、弊社が直接輸入しているものを中心に、厳選したワインと取り揃えています」
木材がふんだんに使用されていて、温かみがあり落ち着く空間だ。自社輸入しているワインは、フランス・ブルゴーニュの小規模生産者が中心だという。近年、ブルゴーニュのワインは高騰し続けていて、日常的に自宅で飲むには高すぎると感じることが多いが、ここでは比較的リーズナブルな価格で知られざるアイテムが並ぶ。じつに興味深い。
他のワインも、フランス以外にイタリアや南アフリカなど関心を惹くアイテムが多く、目移りしてしまう。
「9月に2階のワインバーもオープンしました。夜の営業になりますが、ぜひいらしてください」と玉村さん。これは期待できそう。日が暮れてから、改めて来てみよう。

『mon Somme(モンソム)』の外観の画像
商店街入口の横で目を引く建物が、『mon Somme(モンソム)』。
1階フロアの中央にあるカウンターの画像
1階フロアの中央にはカウンターがあり、角打ちのように数種類のワインを有料試飲できる。
入ってすぐ右側に、自社輸入のワインが並ぶ画像
入ってすぐ右側には、自社輸入のワインがずらりと並ぶ。

壮麗なる螺旋階段のセラー

ということで、その日の夜、食事を済ませて21時過ぎに再訪してみた。
店の前に就くと、先客が入口で立ち往生している。ん? 店が閉まっている?? と思っていたら、ほどなくして店主が中から扉を開けてくれた。ワインショップは閉店しているが、客が玄関でインターホンを鳴らすとその都度、開けてくれるというシステム。これは一般的な店としてはハードルが高いかもしれないが、隠れ家感満載で、逆に付加価値となるだろう。

店主に導かれて1階奥へと進むと、2階に上がる階段がある。これが螺旋階段になっていて、壁にはずらりとワインボトルが鎮座しているのだ。これは圧巻!あたかもフランスやドイツの由緒あるお屋敷のごとく、壮麗かつ優美な空間にボトルがひしめく。ひんやりとしているのは、ワインの保管のための低い室温だからで、常時約3000本のワインが保管されているという。初めて訪れた人は、この螺旋階段でしばしフリーズしてしまうだろう。これは一見の価値あり。
「この階段のセラーは、将来的にはスペースをシェアできるようにしたいと考えています。お客様がご自身のワインをこのセラーの一角にキープできるわけです」
なるほど、それは素敵なアイデアだ。

螺旋階段のセラーの画像
壮麗かつ優美な螺旋階段のセラー。この階段を上がるだけで気分は高揚しそう。
バーの扉の画像
バーの扉には、フランスのワイナリーから譲ってもらったという葡萄の木が使われている。

そして、2階のワインバーへ。L字型カウンターとテーブルが並ぶシンプルな空間ながら、使われている木が目を引く。
「カウンターはイチョウの一枚板を使っています。テーブルの方はカエデで、皮付きの杉の木も使っていたりします。香りでお客様にリラックスしていただき、心和む時間を過ごしていただければと」(玉村さん)

カウンターの画像
存在感のあるカウンターでは、すでに先客がワインを愉しまれていた。
テーブル席の画像
テーブル席も、この圧倒的なカエデの一枚板。木のぬくもりが感じられる空間だ。
空洞のある大木が1階と2階を貫いているが画像
窓側には空洞のある大木が1階と2階を貫いている。

温かみを感じながら夜が更ける

メニューを見ると、この日、バイザグラスで楽しめるワインは1杯990円から1760円まで、泡、白、赤で全9種類。まずはスパークリングワインから。供されたのは、イタリアの「フォンガロ・ブリュット 2020」。ヴィンテージものをグラスでいただけるなんて、嬉しい驚き。長期熟成瓶内二次発酵とのことで、豊潤ながらバランスのよい味わいで、初来店の緊張もほぐれる。

イタリア・ヴェネト州のスパークリングワインの画像
魅力的なイタリア・ヴェネト州のスパークリングワインは、ヴィンテージものだった。

続いて、白ワイン。リストの中に珍しいボジョレーのシャルドネを見つけた。ガメイを使った赤ワインの産地というイメージがあるボジョレーで、シャルドネの白ワインを造る生産者は少ない。
供されたグラスを鼻に近づけると、ミネラリーな香りのインパクトがある。スワリングすると果実感が現れ、蜜のような香りも。じつにチャーミングな味わいだ。聞けば、この「シャトー ボネ」は、玉村さんが現地へ単身赴いて交渉、自社輸入しているワインだという。

シャトー ボネの白ワインの画像
シャトー ボネの白ワインは、かわいいデザインのラベル。

そして、赤ワインも注文。ブルゴーニュ南部のマコネ地区にある「ヴィニョーブル ド ソメレ」のブルゴーニュ・ルージュ。もちろん、品種はピノノワールだ。最近、ブルゴーニュのワインは高騰していてデイリーに飲む機会が減っているが、久しぶりにブルゴーニュらしさのある優美な香りと味わいを堪能。舌当たりも滑らかで優しい。まさか福井でこんな驚きに満ちたワインに出合えるとは。
ついチーズも欲しくなって追加注文。メニューを見ると、アンチョビバターのようなちょっとしたおつまみから、「牛ホホ肉のブレゼ赤ワイン煮」など本格的なメイン料理もある。店主と話をしながら、ゆっくりと夜は更けてゆく。21時過ぎに入店したが、気が付けば24時近くになってしまっていた。

希少なブルゴーニュワインの画像
こちらも直接輸入の希少なブルゴーニュワイン。1階のショップで購入することもできる。

店主の玉村さんは、長く東京・世田谷でソムリエの仕事をしていた。ワイン通の上客も多かったそうで、高級ワインを開けることも多く、鍛えられたそうだ。余分な要素が排除されたシンプルな空間で、厳選した上質なワインのみで勝負できるのも、百戦錬磨の経験があるからこそといえるだろう。しかも、他では飲めない、自らが直接仕入れるワインが武器となるのだから、強い。
「今後は、フランス・ローヌ地方のシャトーヌフ・デュ・パプのワイナリーからもワインを導入する予定です」と玉村さん。
これは今後ますます期待できる。これからの季節、福井に行ったら蟹もいいけれど、ストーリーのある稀有なワインを愉しむ夜も、良い旅の思い出となるはずだ。

mon Somme(モンソム)

mon Sommeの入り口と店主の画像

福井市中央1-15-10
0776-50-1570
営業時間: 1階ショップ11:00~18:30、2階バー19:00~24:00
定休日: 1階ショップ日曜、2階バー日曜・月曜・火曜
https://monsomme.jp/

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