シアスター・ゲイツの静謐な世界観に引き込まれる、日本の陶芸を取り上げた、『プラダ ホーム』のプロジェクト

2026年の「ミラノデザインウィーク」にて発表された“プラダ”のプロジェクト『PRADA HOME |CHAWAN CABINET BY THEASTER GATES』。日本の陶芸を起点に、アメリカ人アーティスト、シアスター・ゲイツが生み出した作品と空間は、見る者に物と人の間にある交流の価値を、再認識させるようだ。

LIFESTYLE Apr 24,2026
シアスター・ゲイツの静謐な世界観に引き込まれる、日本の陶芸を取り上げた、『プラダ ホーム』のプロジェクト

現在、イタリアで開催中の「ミラノデザインウィーク」。世界最大規模の家具とインテリアデザインの国際見本市「Salone del Mobile(ミラノ国際家具見本市、ミラノサローネ)」を中心として、ミラノ市街を舞台に、デザインに関するさまざまな展示やイベントが行われている。近年ではファッションやクルマなど参加者も多彩になり、それぞれがより独創的なプレゼンテーションを見せている。

シアスター・ゲイツが表現する器の力

「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」より、「CHAWAN」の画像
「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」より、「CHAWAN」の画像
「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」より、「CHAWAN」。(プラダ クライアントサービス)

4月16日からミラノ・モンテナポレオーネ通りにて展示が行われている、『PRADA HOME | CHAWAN CABINET BY THEASTER GATES』。そのタイトルが示す通り、「茶碗=日本の陶器、陶芸」を核とした、アメリカ人アーティストのシアスター・ゲイツとのコラボレーションである。アメリカ・シカゴを拠点として、彫刻や陶芸作品などを中心に、建築やファッション、パフォーマンスなど多岐に渡る活動を行っているゲイツ。彼は愛知・常滑にて陶芸を学び、2024年には自身のアイデンティティと日本の民藝運動を融合させた「アフロ民藝」をテーマに、森美術館で個展を行った。

「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」より、「KAKI」の画像
「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」より、「KAKI」の画像
「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」より、「KAKI」。(プラダ クライアントサービス)

2018年のアート バーゼル マイアミビーチ以来、ゲイツと数々のコラボレーションを行ってきた“プラダ”。今回の展示はゲイツ自身の構想とキュレーションにより、黒木泰等(京都)、平野祐一(常滑)、田端志音(軽井沢)、大原光一(常滑)といった作家たちにゲイツ自身も含んだ陶芸家によってつくられた、アートとオブジェクトの境界を曖昧にさせるような作品群が中心となっている。

「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」より、「KAYO TOKKURI」の画像
「CHOKO」の画像
「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」より、「KAYO TOKKURI」(上)、「CHOKO」(下)。(プラダ クライアントサービス)

茶道で使われる茶碗や花入のほか、湯呑や猪口、徳利など生活雑器ともいえるような陶器が含まれている今回の『CHAWAN CABINET』。「茶碗は単なる機能的な器ではなく、所作そのものを体現する存在であり、形やその表情と丁寧に向き合うことを促します」(本プロジェクトのプレスリリースより)と、人との関係性における陶器の存在感にフォーカスし、それを日常の生活や行為にまで拡げて考察された結果、先述のような作品展開になったことが窺える。

テンポラリーストアとして展開

「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」テンポラリーストアの画像
「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」テンポラリーストアの画像
ミラノ・モンテナポレオーネで展開中の「CHAWAN CABINET by THEASTER GATES」テンポラリーストア。

さらにこれらの作品は、日本の住空間を連想させるような静謐感あるスペースで展示されている。床にはゲイツが常滑の陶磁器メーカー水野製陶園ラボと協働し開発したセラミックタイルが使われ、壁面は日本の伝統的左官技術から着想された土壁仕上げになっている。再生木材の長いセンターテーブルを挟んで、スペース正面から左側が今回制作された作品と「プラダ ホーム」のプロダクトが展示され、右側にはゲイツ個人のプロジェクト「1,000 tea bowl project」の茶碗を納めたキャビネットなどが設置されている。ちなみに今回の“プラダ”とのコラボレーションのテーマは、このキャビネットから導かれているという。さらに奥に設えられているのは、坪庭そして茶室。それらの精緻さとバランスからは、日本文化への理解の深さと、その再構成を試みるゲイツの卓越した美意識が感じられる。それは「静か」ながら、清新さを備えている。

左/「1,000 tea bowl project」の茶碗を納めたキャビネット。 右/奥の枯山水と茶室の様子の画像
左/テンポラリーストア内で展示されている、「1,000 tea bowl project」の茶碗を納めたキャビネット。 右/奥の枯山水と茶室の様子。

テンポラリーストアでもある『PRADA HOME |CHAWAN CABINET BY THEASTER GATES』の終了時期は未定。スペースにて展示中の、今回のプロジェクトのためにつくられた作品は販売も行われている。

お問い合わせ先
プラダ クライアントサービス
0120-45-1913
https://www.prada.com/

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