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世界的なクルーズブームの再来である。南極へのエクスペディション・ツアーなどで知られるフランスのラグジュアリークルーズ『ポナン』が、“探検”のテーマに日本を選び、北前船の航路をたどる旅など、4つの知的冒険クルーズを用意した。瀬戸内海では、いにしえの海路をたどる歴史遡行の旅へと、乗客をいざなった。
現代における最上の旅とは何だろう。いまや宇宙旅行も現実のものとなり、航空機による世界一周も容易いが、大航海時代に拓かれた海路は、いまもなお、旅を愛する人々を引き付ける。観光地巡りや買い物・グルメツアーに代表される旅行の大衆化とは裏腹に、富裕層が選択するのは、知的な気づきをもたらす、ヒューマンスケールの旅だ。
世界の豪華クルーズ船は数多あるが、ラグジュアリー・エクスペディションのパイオニアとして知られるフランスの『ポナン』は、巨大化する大衆型クルーズ船では寄港不可能な地を開拓、単なる観光ではない、“探検=エクスペディション”を知的な富裕層に提供してきた。
今春、日本を新たな視点で旅する4つの航海が実施されたが、そのひとつが大阪港から瀬戸内海の犬島、鞆の浦、尾道、御手洗、下蒲刈に寄港。関門海峡を抜け、萩、対馬、麗水(韓国)を経て博多港に至る8日間の旅だ。約200名の乗客は6割が仏語話者、その他が英語話者である。
日本人にとってもマイナーな寄港地もあり、いずれも海運が主要な物流の手段だった時代に栄えた場所が選ばれている。上陸前の船内ブリーフィングや、寄港地での丁寧な解説によって、北前船や朝鮮通信使との関わりなど、その時代が立体的に蘇ってくる体験が企図されている。
上陸は港湾施設の種類により、ゾディアックと呼ばれるゴムボートで上陸する場合もあり、“探検”気分満点。江戸・明治時代に使用されていた雁木と呼ばれる近世の港湾施設から上陸する(鞆の浦)など、有名観光地でも、アプローチによって全く違う意味合いが生まれる。知的好奇心溢れる旅行者が、“エクスプローラー=探検家”として異文化に接触するプレゼンテーションは、このツアーでしか得られない価値だ。
『ポナン』が得意とする極地探検、南洋航海や、ヨーロッパ地中海クルーズなどに伍して、世界中から乗船客が集まった日本航海。自国を旅しながら外の視点で見る体験はエキゾチック・ジャパンそのものだった。
知的好奇心溢れる人にとって、ラグジュアリーなエクスペディション・クルーズは、世界のどこへ赴いても、新たな挑戦と豊かなる生活を共に満たす、究極の経験となるだろう。
「人類は旅によって未知の世界に触れ、発展してきた」と説く『旅行の世界史』(森貴史・星海社新書)を携えて乗船。豪華客船の全盛期は1世紀前だが、現代に於ける船旅の魅力は未だ尽きない。写真右奥は乗客専用のスチール製ウォーターボトル。PETボトルは廃されている。
御手洗(大崎下島・呉市)の『脇屋』は薩摩藩の船宿跡を改装してオープン。急須作家・占部康浩の作品を中心に販売している。また、犬島(岡山市)には『ベネッセアートサイト直島』の一環として、多くのアート作品が設置されている。
長谷川祐子と妹島和世による『家プロジェクト』F邸と名和晃平の作品『Biota(Fauna/Flora)』。
STAFF
Photos, Writer&Editor: Atsuyuki Kamiyama
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