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香川県で寒い時期に食べるという「しっぽくうどん」。諸説ある中、長崎県の大皿料理である卓袱(しっぽく) 料理が由来だとの説も。そのなごりからか、「しっぽくうどん」も一度にたっぷりの量を作るのが今でも一般的だそう。
今回取材した川西マサコさんのお宅では、寒い時期になったら、毎年作るという「しっぽくうどん」。たっぷりの季節の野菜、油あげ、豆腐などを、いりこ出汁と薄口醬油、みりんでいっぺんに炊いて、汁ごとうどんにかける。コシのある讃岐うどんに、汁がからみ、体にじんわり染みる、冬においしい料理だ。
野菜やいりこの旨味が詰まったこの料理に、ベトナムのフォーをイメージして、出汁に変化を加えてみた。大根、にんじん、里芋は3㎜幅の半月切り、油抜きした油あげも3㎜幅の短冊切りにし、ねぎは5㎜幅の斜め切り、鶏もも肉はひと口大のそぎ切りに。フライパンにスパイス類を入れ、弱火で約3分炒ってから、お茶パックに詰める。大きめの鍋に、水、スパイスのパック、薄切りにした生姜、レモングラス、鶏がらスープの素、薄口醬油、みりん、ナンプラー、酒を加え、ここに具材を入れて中火で約15分煮たら、かけ汁の完成。冷凍うどんをゆでてお椀に盛り、かけ汁をたっぷりと。黒胡椒とパクチーをのせたら、スパイスとハーブのきいた「しっぽくうどん」のできあがり。アジアン風味の野菜とスープが、歯ごたえのあるうどんとからみ、意外なおいしさ。好みでライムを絞ると、よりさっぱりいただける。
マサコさん、ちょっと変化球の「しっぽくうどん」も、ぜひ試してみていただけますか?
●材料(2人分)
冷凍うどん 2玉
【具材】
鶏もも肉 1枚
にんじん 中1本
大根 約200g
里芋 大2個
ねぎ ½本
油あげ 1枚
【出汁】
薄口醬油大さじ1
ナンプラー 大さじ½
酒 大さじ1
みりん 大さじ1と½
鶏がらスープの素 大さじ1
水 1ℓ
生姜 ひとかけ
レモングラス 2〜3本
【スパイス】
コリアンダーシード 大さじ2
スターアニス 2個
シナモンスティック 1本(割る)
【あしらい】
黒胡椒 少々
パクチー 4〜5枚
マサコさんの「しっぽくうどん」は、里芋をメインに、大根、にんじん、ごぼう、しいたけ、ねぎなどの季節の野菜と、油あげ、豆腐などを、いりこ出汁と薄口醬油、みりんで炊いたものを、たっぷりとうどんにかける。うどんはゆであげてから水にさらし、食べるときにもう一度、お湯でサッと温めるのがマサコさん流。讃岐うどんと聞くとシンプルなイメージだが、たくさんの具材を使ったこんなかけ汁うどんも愛されている。マサコさんに教えていただいたしっぽくうどんは、里芋が少し溶けてとろみのついたスープが弾力のある讃岐うどんによくからむ。口の中で感じる具とスープとうどんの一体感が、なんともおいしい。煮込みうどんではないのに、このほのかなとろみ感は意外…! 実際に作ってみて、里芋が隠れた主役になっていると納得した。
広告や雑誌などでフードスタイリングを手がける。写真の上に食品をのせ、撮影するシリーズ作品「Food On A Photograph」プロジェクトではN.Y.と東京の2都市で展示を開催した。
初出:2022年12月4日発行『AdvancedTime』14号。掲載内容は原則的に初出時のものです。
STAFF
Photo & Text: KAORU
Editor: Yuko Saito
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