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魚の捌き方や焼き方にこだわるのはもちろん、熟鮓の代表とも言える鮒鮓とパスタを組み合わせるなど、伝統的な日本料理の技法だけに捉われない、柔軟な発想での逸品が繰り出される。
「いまで言うところの映える料理ではないかもしれません。でもこの場所でやっている意味や、足を運んでくださるお客様に地域の特性まで知っていただくことを何より重視しています。鮒鮓そのものの作り方などは創業の頃から変わりありませんが、それを伝統として括ってしまってはそこから先はありません。いまという時代に合わせた料理もお出しすることが自分たちの役割であり、湖里庵という場所だと思っています」
そんな実直な姿勢で料理やお客様と向き合うのが左嵜氏の姿勢。それは筆者をここまで連れてきてくれた〝マツダ〟「CX-60」にも通じるところがあった。
このミドルクラスのSUVは、今後のマツダの商品群の軸となる車台を新たに開発して作られたもの。また3.3ℓ直列6気筒ディーゼルターボという大排気量の多気筒エンジンが用意されたことも見逃せない点だ。脱炭素、電動化が進む現代の自動車界の目で見るとオールドファッションにも映るかもしれないが、それでもマツダの開発陣はそこに目を向けた。その素材、様式に新たな可能性を見出したからだ。
フロントエンジン、リア駆動を基本に考えた車台は、モーターやバッテリーの搭載を前提とした重量バランスの適正化と走りのよさを求めたうえでの方策。そのうえで世界でも通用するパフォーマンスの獲得を目指し、スムーズさと力強さ、そして経済性の高さを兼ね備えたディーゼルやハイブリッド機構の採用に踏み切った。
そしてその実力の高さは湖里庵への往復でいかんなく発揮された。上質な室内の仕立てや乗り心地のしっかり感、多気筒ユニットならではの回転の精緻さ、つまり乗員の疲れの原因となる音や振動がしっかりと抑えられていたこともあって、快適なロングクルーズが楽しめた。ディーゼルにハイブリッド機構が組み合わされているのだから、燃費が良いことは言うまでもない。
新機軸が多く盛り込まれたこともあって、全体的なまとまりという点でもう少し洗練度が高まっていればという思いを抱いたのも事実だが、それはそれでこのクルマに寄せる期待値の高さの裏返しでもある。もっともその点はこれまでのマツダの自動車開発における真摯な姿勢を知るものにとっては少しも心配ではなく、このあとの熟成が楽しみでもある。
いずれにしても体験してこそ知ることができるのが物事の本質。そんな当たり前だが重要なことを今回の旅では湖里庵とマツダCX-60から教わった。そして日本にはまだまだ知らない本物の味がそこかしこにある。そんな本質を再発見する旅をまだまだ続けてみたい、そんな思いを強くした奥琵琶湖への旅だった。
主要諸元 | |
エンジン | 3,283cc |
直列6気筒 | DOHC |
ディーゼルターボ最高出力 | 187kW(254ps)/3,750rpm |
最大トルク | 550Nm/1,500~2,400rpm |
全長/全幅/全高 | 4,740×1,890×1,685mm |
車両重量 | 1,940kg |
車両本体価格 | ¥5,472,500 |
STAFF
Photos: Chikara Kitabatake
Writer: Tsuneharu Kirihata
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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