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創造性を爆発させ、アート作品のように仕立てる文字盤に注目。自由な発想でユーザーの心を鷲掴みする大胆なデザインを持つ新作時計をご紹介。
腕時計に求める要素はさまざまだ。時刻の確認はもちろんのこと、資産価値、ステータス、ミッション遂行のための機能性、精度の正確性、文字盤表現のクリエイティビティなどなど。人によって視点が異なるが、一番最初に飛び込んでくる情報は、ダイヤルデザインあることは間違いない。「人は見た目が9割」というように、時計もダイヤルデザインがとても重要だ。
誰もが知る時刻を見るためのデザインは安心感があるが、時計を2本目、3本目を購入する余裕のある人は、きっと飽きてしまう。たまには羽目を外した遊び心のある時計も着けたくなるだろう。
今回ご紹介するのは、正統派の時計では満足できない人こそ着けて欲しいユニークデザインの時計だ。人の顔の表情に模したデザインから、文字盤自体が回転して斬新な針の動きをする時計、独特なケース形状、油膜で時刻を表現する時計まで、視線を奪うユニークダイヤルを持つ新作時計を見ていく。
まずは時刻ごとに表情が変化するロシアブランドのコンスタンチン・チャイキンからだ。
時計業界では珍しいロシア・サンクトペテルブルク出身の独立時計師、コンスタンチン・チャイキンは、斬新な機構と奇抜なデザインで注目を集める新鋭だ。時計の文字盤をジョーカーの顔に見立て、一般的な指針式による時刻表示ではなく、時と分を示す目玉とムーンフェイズの舌の動きを回転ディスクによって、常に表情を変化させる時計のアイデアは絶賛された。
新作は擬人化文字盤の新バージョンで、ロシアのおとぎ話で愛される「コロボック」がモチーフ。陽気で狡猾という個性を持つからか、コミカルな表情が特徴だ。時刻は右目が60分、左目が12時間の回転ディスクによって示される。目のディスクは艶感のあるエナメルで、うるうるとした目に仕上げた。口の中に見える赤い舌はムーンフェイズディスクとなっていて愛嬌も満載。左右に配置されてリューズは耳に見立てたデザインとなっている。こうした徹底したこだわりようで豊かな表情を生み出しているのだ。
ムーブメントはスイス製ラ・ジュー・ペレ G200をベースに43のモジュールパーツを組み上げて開発したキャリバーK.18-24を搭載。シースルーバック仕様の裏から鑑賞も可能だ。この斬新なスタイルは確かな技術力に裏打ちされていることがわかる。
ベルギー出身のデザイナーによって創立されたレッセンスは、センターに軸を持つ針はなく、文字盤全体とサブダイヤルのディスクがそれぞれ回転することで時刻を表示するのが特徴。リューズもなく、裏蓋を回転させて時刻を調整する独特な仕組みだ。
創設15周年となる今年は、ブランド初となるGMT機能を搭載した「Type 7」を発表。一番大きいインダイヤルに時針、センター針で文字盤の外周のインデックスを示すのが分針、2本の印が入ったディスクが秒表示、赤い三角のマーカーが入ったディスクが第2時間帯を表示する24時間表示だ。時刻合わせは裏蓋を反時計回りに回転させて第2時間帯表示の設定を行い、その後時計回りに回すと時刻表示を設定できるようになっている。
さらに独特なのは、ドーム型になっている文字盤の内部にオイルを封入していること。オイルを入れることで、光学上、屈折が生じないことで高い視認性を実現した。また着用することによる体温でオイルの体積変化にも対応しており、時針ディスクの小窓は温度によって色が変化する仕組みとなっている。
レギュラーモデルのナイトブルー文字盤に対し、このアクアマリンの文字盤は創設15周年を記念した限定仕様だ。
ジェラルド・チャールズは、数々の人気モデルのデザインを手掛け、時計デザインの第一人者であるジェラルド・ジェンタの2つのファーストネームを冠したブランド。ジェンタ死後はしばらくビスポーク中心であったが、一般販売を再開させて2024年には日本に本格上陸を果たした注目ブランドだ。
その特徴はやはりデザインにある。バロック建築の教会からインスピレーションを得て、六角形、八角形、十字形を組み合わせた独創的なケースフォルムが特徴。6時位置のケースのふくらみは、ジェンタのスマイルラインがモチーフになっているという。
創業25周年を迎えた今年は、特徴的なケースシェイプ、遊び心あふれる文字盤デザインの記念モデルを発表。時刻表示は12時位置に1時間ごとジャンプして時表示するジャンピングアワーを採用する。この機構はミッキーマウスウォッチなど、ジェンタが好んで採用していた機構だ。文字盤にはジェラルド・チャールズが独自に開発したメタギョーシェという装飾技法が用いられ、放射状に伸びるランダムな線によって独特な輝きを与える。文字盤中央にはケースフォルムと同じ形のラピスラズリを配し、その下部には25周年を示す「25」が表示され、特別感を演出する。
機械式時計が長い年月をかけて技術を磨いてきた防水性能をみればわかるように、時計にとって水は大敵。しかし、その液体を利用して時刻表示をしようとしたのがHYTだ。最先端の医療や化学、物理学、宇宙工学の分野を融合して、従来にはない時計を完成させた。
原理はこうだ。インデックスの下にガラス製チューブを配置し、内部を移動する赤と透明の液体の境目が時表示を示すようになっている。6時位置からスタートした液体は1周して終点までくるとレトログラード機構のように元の位置に戻って再スタートする。2種類の液体は水と油のように混ざり合うことがない。その液体の移動を可能にしているのが、6時位置に見える2つのベロー(ふいご)で、ポンプの要領で液体が送り出している。これらはすべて機械式ムーブメントで制御しているというから前代未聞の技術だ。課題だった温度と気圧の影響も克服し、時刻精度も向上して進化した。
この液体モジュールを採用したスポーティな最新作は、チタン製のケースとベルクロストラップを採用した軽量モデル。ビーズブラストでマットに仕上げたチタンケースとライトグレーのベルクロストラップというメタリックな外装に、液体チューブのレッドの流体時刻表示が近未来的な印象を与える。従来の機械式時計にはない発想で時刻表示を行う時計は、われわれをワクワクさせるロマンに溢れる。
STAFF
Writer: Katsumi Takahashi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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