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2020年秋に、東京・銀座にある「アルマーニ / リストランテ」のエグゼクティブシェフに就任したカルミネ・アマランテ氏。世界中の「アルマーニ / リストランテ」の中で最も若いエグゼクティブシェフとなってから、1年半が過ぎた。コロナ禍でファインダイニングが苦戦するなかであっても、ファンを増やし続け、21年春からは、サステナブルなメニューという新たな取り組みにも挑戦する同氏。22年5月に登場した新コースメニュー「サステナビリティ―」に触れながら、料理、そしてそれを構成する食材、背景に対する思いをうかがった。
「母と祖母の影響が大きいですね。二人は料理人ではありませんが、私から見てもかなり料理がうまい。幼いころから料理を手伝うことが好きだったし、自分にとって料理人以外の道は考えられませんでした。これまでイタリアやスペインで、ミシュラン星付きのレストランで経験を積んできましたが、いつのころからか、日本に行きたい、自分の行先は日本しかないと思うようになっていましたので、2018年に来日がかなった時はとても嬉しかったです」
「私のモットーである〝お客様の記憶に残る料理を作り上げる″ということは、シンプルでありながら印象に残り、着心地も素晴らしいという、アルマーニの服作りに対する哲学とリンクしています。
ここで私が作る料理は、故郷である、ナポリの郷土料理が軸となっています。日本独自の食材はもちろんありますが、肉・魚・野菜……、食材の種類は違っていても共通点は多く、大きな違いはありません。
新しい食材や調味料、食べ方に出会ったら、日本人はどう食べるのか、どう使うのかを生産者やレストランスタッフに聞き、まずはその通りに味わってみます。それから、自分のイメージを膨らませていくんです。
食材や調味料を組み合わせて味を作っていくのかは、とても楽しい仕事です。組み合わせの妙で『こんなにも美味しいものができあがった!』と、いう喜びがあります」
「お客様に料理をサービスした時にちょっとした驚きは必要であると考えています。ですが、突飛すぎて何を食べているのかわからない料理ではならない。メインの食材のほかのトッピング、ソースなど、盛り付けているものすべてに意味があります。それぞれを単体で食べても、一緒に味わっても美味しい組み立てになっています」
「普段も、レギュラーメニューに使う食材の大半は、オーガニックであったり、持続可能な農法や漁法で作られたり、獲られたものを使っています。昨年、フードロス食材を主役としたコースメニュー“ロスフードメニュー”を手掛けたことがきっかけで、日本の農業や食材、地球環境に対して深く考えるようになりました。お客様の反響も大きく、関心が高まっていることにも改めて気づかされました。
日本のスーパーや市場に並んでいる食材は、見た目がとても美しい。ですがそのために、味には問題がないのに、形が悪いとかサイズが規格外だという理由に廃棄されている食材があまりにも多いと知りました。食材としてのポテンシャルは高いのに、見た目だけで使われない。
食材を扱う立場としての使命として、現在の社会が抱えるあらゆる問題に焦点をあてたメニューが「サステナビリティ」です」
STAFF
Photos: Miya Igarashi
Writer: Fukuko Hamada
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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