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スポーツカーブランド〝ポルシェ〟の作るクルマは、どれも共通のプロポーションを前提としている。アイコニックだからこそ生きるアートの力を、世界で1台の『タイカン』から感じ取って欲しい。
1948年に誕生した〝ポルシェ〟初の市販車『356』は、フロントフードの左右が高く、キャビンから後方にかけて流麗な弧を描くライン、そしてたくましい後輪周りのフェンダーが特徴だった。それは、十分な量のトランクを含めた快適な室内空間と、卓越した走行性能を両立させるための設計思想がもたらした、唯一無二の個性。後継モデルの『911』をはじめ、現在すべての〝ポルシェ〟スポーツカーに共通するプロポーションだ。
美しいデザインは、それ自体がアートであり、ロックシンガーのジャニス・ジョプリンが、愛車『356』にサイケデリックなペイントを施したことからもわかる。そして2022年、新たに〝ポルシェ〟から、世界で1台のアートカーが誕生した。キャンバスとなったのは、ブランド初の量産電気自動車『タイカン』。世界を放浪し、今ではグローバルに活躍するアーティスト、SHUN SUDO氏がペイントを手がけた。〝ポルシェ〟オーナーでもあるSHUN SUDO氏はこう語る。
「未来へと疾走する〝ポルシェ〟『タイカン』は、速くて、楽しくて、そしてやさしい。伝統へのリスペクト、自然や環境、地球、人間への思いなど、〝ポルシェ〟が実現したい未来が詰め込まれている」(要約)
かくして完成したアートカーは生命力にあふれ、国籍や文化を超えたメッセージ性を宿す。幅広い用途に馴染み、エモーショナルなフィールを矜持としてきた〝ポルシェ〟は、 多様性こそが未来を動かす原動力となることを予見していたのだ。
「〝ポルシェ〟はクルマ自体がアートみたいなもの」と語る、SHUN SUDO氏。独学でアートを学び、現在は東京とニューヨークに拠点を置いて活動中。
SHUN SUDO氏のペイントの代名詞であるボタン・フラワーや和を想起させる水墨画的なタッチ、ストリートのポップなグラフィックが、『タイカン』を美しく生き生きとしたアートカーへと昇華させた。アートカー展示イベント「Taycan Soul Canvas」は、今年3月から4月上旬にかけて、東京、名古屋、大阪で開催された。今後も販売店等で展示予定だ。
〝ポルシェ〟は現在、そのラグジュアリーな世界観を体験できる機会の創出に力を入れている。そのひとつが 4月1日にオープンした、東京・日本橋の「ポルシェスタジオ 日本橋」。『タイカン』のアートカーも展示された。
昨年10月オープンの「ポルシェ・エクスペリエンスセンター 東京」は走行体験に加えて、クラシックカーの展示や シミュレーター、レストランなどを併設した施設。江戸切子がモチーフの建物に足を運んで、感性を磨こう!
初出:2022年4月16日発行『AdvancedTime』11号。掲載内容は原則的に初出時のものです。
STAFF
Writer: Kaori Sakurai
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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