ワイン王国イタリア トスカーナ・オーガニックワイン紀行

生産量はフランスをしのぐ、世界一のワイン大国イタリア。イタリアンレストランはもちろん、居酒屋にも町中華にも置いてあり、コンビニでも買える手軽さで日本でも馴染みが深い。多彩さが魅力のイタリアワインの中でも、近年人気と注目が集まっているのが「オーガニック」ワインだ。イタリアンオーガニックワインを訪ねて、トスカーナ州へ、いざ出発。※記事の最後に読者プレゼントもご用意しています。

Jun 19,2026
ワイン王国イタリア トスカーナ・オーガニックワイン紀行

2000種!?世界一の土着品種を誇るワイン大国イタリア

ファッションと美食の国、イタリア。そのイタリアの面積は日本の約80%。本州と九州を合わせたくらい…といえば、なんとなくその大きさが想像できるだろう。けして大きくはないその国土で育くまれた土着品種のぶどうは、なんと一説には2000種類ともいわれ、その数はもちろん世界一だ。

ぶどうに実がつき始める様子の画像
5月。ぶどうに実がつき始める

さらに、アルプスに接した山岳性気候の北部、大陸性気候の中部、地中海性気候の南部・島嶼と、環境や地形が大きく異なる全20州で、個性的なテロワールを持つワインが生産されている。

厳格なルールのもとに、格付け規定されるイタリアワイン

上述のとおり、イタリアでは全20の州がそれぞれのテロワールを活かしたワインをつくっているが、その等級格付けには厳格なルールが存在する。

最上位は「D.O.C.G.」。「統制保証原産地呼称」の略称で、産地、収量、ぶどう品種、熟成期間等の基準に合格したものだけが認証され、現在認証を得ているのは77銘柄。その下がI.G.T.、最下位はVINOのとなっている。

※2010年にEU基準に合わせ、等級が4段階から3段階に改正された。そのため現在はD.O.C.G.と次点のD.O.C.が「D.O.P.」にカテゴライズされている。が、旧等級のD.O.C.G.の呼称も認められており、最上級銘柄として認識されている。

EU基準のオーガニックワインとは

近年、イタリアでも注目度が上がっているのが「オーガニックワイン」だ。

EUで「オーガニック」を名乗るには、おもに

①原料のぶどうは、化学肥料・化学農薬・除草剤等を使わない有機栽培であること

②醸造~瓶詰めの際、酸化防止剤(亜硝酸塩)の化学物質の使用はできず、規定内の含有量を守ること

③オーガニック認定団体から認定を受けていること

のルールがある。

同じように有機栽培や自然醸造をしていても認定を受けていないワインは「ナチュール(ナチュラル)ワイン」と呼ばれ、瓶に認定マーク(ユーロリーフなど)があるかどうかでオーガニックかナチュールかは見分けられる。

「ユーロリーフ」のマークがついたワインの画像
ラベルの緑のマークがEUでオーガニックワインを示す「ユーロリーフ」。マークの上に有機栽培ぶどうから作られたことを示す「VINO BIOLOGICO」の記載も

トスカーナ州のオーガニックワインを楽しむ

トスカーナ州は、中部地方のやや北寄りに位置する。州都は、古都・フィレンツェ。ルネサンス文化の中心として、ミケランジェロやダ・ヴィンチなど多くの文化人を輩出し、街全体が世界遺産に登録されている。

フィレンツェの旧市街の画像
「屋根のない美術館」とも称される、ルネサンス時代の面影を残すフィレンツェの旧市街。奥は世界最大級のカトリック聖堂であるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(通称ドゥオーモ)

そのトスカーナ州を代表するワインといえば、「キャンティ」だろう。

東京の老舗イタリアンの名前の由来ともなった「キャンティ」は、トスカーナ州のサンジョヴェーゼ種から作られる赤ワイン。サンジョヴェーゼ種はイタリアで最も多く栽培されており、各地にさまざまなワインがあるが、一番ポピュラーなのが「キャンティ」だ。

その「キャンティ」にも、オーガニックワインがある。

「カーサ・エンマワイナリーでは『キャンティ』の上位銘柄である『クラシコ』をオーガニックで作っているんです」と話すのは、日本オーガニックワイン協会(JOWA)会長の堀井俊之さん。

カーサ・エンマワイナリーを訪問中の堀井さんの画像
カーサ・エンマワイナリーを訪問中の堀井さん(左)
カーサ・エンマワイナリーのキャンティ・クラシコの画像
カーサ・エンマワイナリーのキャンティ・クラシコ。もちろんユーロリーフマーク付き

「カーサ・エンマワイナリーで特徴的なのは、一部のワインの醸造に『アンフォラ』を使っていることですね」(堀井さん)

「アンフォラ」とは陶器製の樽のことで、古代のワインの多くはアンフォラを使って醸造されていた。

アンフォラの画像
球体状の樽がアンフォラ。他にも壺型など、様々な形がある

「アンフォラを使うメリットはいくつかあって、まずは風味の面。陶器の微細な気孔によって極めてゆっくりと酸素と接触するので、複雑味を加えつつ、果実の鮮度を保つことができます。また、木樽に由来する、いわゆる“樽香”がないので、ぶどう本来の個性が際立ちます。さらに自然な微酸化でタンニンが柔らかく仕上がるんですね。実用面では熱安定性が高いので、ほとんど温度調整が不要なこと、またサイズが多様で小ロット生産に向くことからチャレンジングなワインが作れることですね」(堀井さん)

世界遺産の渓谷で醸されるオーガニックワイン

トスカーナ州南部の田園地帯に広がるオルチャ渓谷。「絵画のように美しい」と評され、世界遺産にも登録されたこの場所でワイン造りを営むのがポデーレ・ル・リピワイナリー。

ポデーレ・ル・リピワイナリーの画像
ポデーレ・ル・リピワイナリー
ポデーレ・ル・リピワイナリーのドーム型ワイン熟成庫の画像
ポデーレ・ル・リピワイナリーのドーム型ワイン熟成庫

ここで生産される「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」はD.O.C.G.認定を受けた最高級赤ワインだ。

「ブルネッロ・ディ・モルタルチーノ自体が『ワインの女王』と呼ばれる最高峰の赤ワインですが、ポデーレ・ル・リピのオーガニックモルタルチーノは、さらにワンランク上のキュヴェです」(堀井さん)

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの画像
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

そこまでの上質さや特別感を求めないのであれば「同じサンジョヴェーゼ種100%で作られた『ロッソ・ディ・モルタルチーノ』がおすすめです。ブルネッロほど熟成させない早飲みタイプで、あっさりとした飲み口で気軽なデイリーワインとして楽しめます」(堀井さん)

等級格付けの下剋上!?「スーパータスカン」

「トスカーナには最上級のD.O.C.G.ワインが多くあるわけですが、実は『スーパータスカン』というワインもあって、これがなかなかおもしろい。というのも、I.G.T.でありながら、非常に高品質なワインだからです」(堀井さん)

「タスカン」とは「トスカーナ」のことで、I.G.T.ランクでも上質なワイン「スーパーI.G.T.」がトスカーナ州で多く作られているため、いつの間にか「スーパーI.G.T.」=「スーパータスカン」と呼ばれるようになったらしい。

なぜ、高品質なワインでありながらD.O.P.にカテゴライズされていないかというと「スーパータスカンは、カベルネやメルローなど土着品種以外のぶどうで作られるため、原産地呼称を重視するD.O.P.には適合せず、それでランクが下がってしまうのですね。けれどもぶどう品種が違うだけで、クオリティはD.O.P.ワインに引けを取りません」(堀井さん)

その「スーパータスカン」にも、もちろんオーガニックワインがある。

「ボルゲリ地区にある『グラッタマッコ』と『ル・マッキオーレ』の両ワイナリーではスーパータスカンのオーガニックワインを作っていて、特にグラッタマッコワイナリーは、D.O.C.G.が制定された1980年代から早くも認証を取るほど、高品質なワイン造りに取り組んでいます」(堀井さん)

グラッタマッコのぶどう畑の画像
グラッタマッコワイナリーのぶどう畑
グラッタマッコのスーパータスカンの画像
グラッタマッコワイナリーのスーパータスカン

日本でオーガニックイタリアワインを楽しむ

堀井さんが主催するJOWAは、オーガニックワインの普及を目指して2019年に設立。各国のオーガニックワインを扱っているが、なかでも堀井さんが力を入れているのがイタリアワインだ。

「やはり種類が豊富、というのが一番大きいですね。必ず好みのワインが見つかりますし、いくらでも新しい発見がありますから。たとえばミネラル感が強いワインが好みならカンパーニャ州のオーガニックがおすすめですね。ヴェスヴィオ火山による火山灰土壌で育ったぶどうならではの骨格のしっかりしたワインがつくられています」(堀井さん)

堀井さんが主催するオーガニックワインソムリエ認定講座は、日本で唯一のオーガニックワイン講座で、4時間の座学と実地でオーガニックワインソムリエ資格の取得が可能だ。

「本講座ではワインの知識がゼロでも大丈夫。テイスティングを楽しみながら(イタリア)オーガニックワインについて学び、自分にとって最高のワインを見つけましょう。そしてオーガニックワインと共に豊かな人生を見つけに行きませんか」(堀井さん

日本オーガニックワイン協会

https://jowa.wine/organic

イタリアの長期熟成オーガニックワインを3名様にプレゼント

「Terre di Giobbe」の画像

JOWA会長である堀井氏も認めた、高品質なオーガニックワイン「Terre di Giobbe2014」を抽選で3名様にプレゼント致します。

マルケ州の伝統的なブレンド比率であるモンテプルチアーノ種約80%、サンジョヴェーゼ種約20%で構成、深みのあるルビーレッド色が特徴の赤ワインで、等級はD.O.C.Superiore。

完熟したブラックベリーやプラムなどの力強い果実香に、スパイスや樽香など複雑なニュアンスが加わり、なめらかで肉厚な口当たり、かすかな酸味とタンニンの余韻が飲み口を引き締めるバランスの取れたリッチなボディで、肉料理やトマトソース、塩味の強いチーズなどとの相性が抜群です。

やや高めの16~18℃でもっとも香りが開くので、抜栓して30分~1時間程度置くと飲み頃です。

12年の長期瓶内熟成を経た逸品を、心ゆくまでご堪能ください。

■締め切り:2026年7月20日(月・祝)23:59まで

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