新時代のラグジュアリーって何ですか?

リアルな体験に基づいてスパッと言い切るおしゃれ哲学に、年齢を問わずファンが多いスタイリストの地曳いく子さん。今回は、新時代のラグジュアリーに関して寄稿いただきました。

FASHION Dec 1,2021
新時代のラグジュアリーって何ですか?

これからは気分が良くなるものだけ

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生活も価値観も変わってきた

少し前まではとにかく高価なブランドものを身につけて、良い家に住み、高級車に乗ったり、レストランに通ったりして、生活すべてにお金をかけるのがラグジュアリーライフでした。でも、今、ラグジュアリーの定義が違ってきてはいませんか? 高価で高品質なものを買って「これは一生物」と安心していた時代は終わりました。若かりしバブル時代、言われて買った「ファッションお宝」、ご家庭にも眠っているのではないでしょうか? でも、それは、昭和平成まで。時代はカジュアルになり、私たち自身の生活も変化しました。私もこの冬は、「カシミアのコートも良いけれど、やはり軽くて暖かいシンプルなダウンコートが一番」と、よほどのおでかけ案件以外はダウンコートで済ませてしまいました。

散々モノを集めてしまった結果、飽和状態というか…、長く生きてきたおかげで、新しく出てくるトレンドも「昔着ていたな」と、デジャヴ感しか感じません。

では、何が「ラグジュアリー」なんでしょうか?

純粋に今の自分の気持ちをあげてくれるもの、手に取った途端に魂が震え、喜ぶもの。私はそれが今の「ラグジュアリー」だと思います。値段とか品質ではもはやなく、自分の気持ちがあがればもうそれでいいのです。

一般的に見て「良いもの」=高価なアイテム、は、確かに私たちに自信をくれ、それなりに幸せを与えてくれました。でも、そういう「良いもの」ではもう満足できなくなっていませんか? 「ラグジュアリーがパーソナル化」の時代。高かろうが、安かろうが自分が好きで持っていて良い気分になればそれでいいのです。

かくいう私も「UNIQLO U」のTシャツに「sacai」のパンツを合わせて、「エルメス」のアップルウオッチをし、「アディダス」のスタンスミスなんていうコーディネートをしたりします。

つまり、ルール無し!の時代

たまに集まる比較的裕福な生活を送っている中学の同級生たちも、たとえば日本のブランドのワンピースに「エルメス」のオータクロア、「ファリエロ・サルティ」のストール…といったミックスコーディネートを楽しんでいます。

何にお金をかけたら「気分が良くなる」か。それは人それぞれなのです。でも、同じお金をかけるなら、ビビッとくる「アガる」モノやコトに投資してみませんか?

50歳を過ぎて、人生を折り返したら、もう他人に遠慮することなく「自分の好き」を極めましょう。もし、「好き」を見つけたら、思い切って飛びついてみましょう。「GUCCI」のいちご柄のバッグにひとめぼれしてもいいし、還暦間近でもライダースを着て、クロコダイルのハンドバッグを持ってもいいのです。好きを極めると、「大人気ない」とか「若作り」とか、あなたのファッションについてつまらないことをいってくる人もいるかもしれませんね。でもそんな彼女or彼はあなたに何も良いことをしてはくれませんよ!

限りある人生、自分にとって何が「ラグジュアリー」なのかをもう一度考えてみませんか?

初出:2019年03月21日発行『AdvancedTime』01号。掲載内容は原則的に初出時のものです。

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