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AdvancedClub 好評に終わった京都・町家エリアでの「長く愛せる家具と季節を感じるデザート」イベントをレポート!
欧州では2023年9月に“3世代へとフルモデルチェンジ”を果たしたプジョーのSUVモデル「3008」。最近、日本でも支持率が向上しているプジョー・ブランドの主力モデルだけに「日本初公開」を待ち望んでいる人も多い。この話題の1台を携えて去る1月下旬に来日したのが、プジョー・ブランドのCEO「リンダ・ジャクソン」氏と、マーケティングダイレクターの「フィル・ヨーク」氏だ。その目的は、福岡で開催された全国の正規ディーラー向けミーティングでの実車公開と“ブランド・イメージへの思い”を伝えるため。同時にそれは、いかに日本市場を重視しているか、の証明でもあった。そのミーティングを無事に終えた1月30日、一部メディアにも新型「3008」を公開し、リンダ・ジャクソン氏とフィル・ヨーク氏を囲んでの、ラウンドテーブル取材も開催。さっそく福岡へ飛んだ。
※リンダ・ジャクソン氏は帰国後の2月3日付で、プジョーCEOを退任。一方でブランド方針や取材時に語った思いは、後任の「アレイン・ファヴェイ」氏にも受け継がれているという。
世界の三大ハイブランドグループといわれるLVMH、ケリング、そしてリシュモン。それぞれのコングロマリットには、数々のハイブランドが集い、市中で目にするハイブランドのほとんどが、この3グループに集約されていると言っても過言ではない。そんな状況においても各ブランドは個性を埋没させることなく、限られた独立系ブランドであるシャネルやエルメスなどと同じように、むしろ個性を際立たせ、世界の憧れを醸成し続けている。とくに売上高8兆円を超えるLVMHのメインプレーヤーたるルイ・ヴィトン、ティファニー、タグ・ホイヤー、ドン・ペリニヨンといったブランドは長い歴史と卓越した技に支えられ唯一無二の存在感と、ブランドとしての強さを確立している。その理由はなんだろうかと色々と思いをめぐらせてみても、最後は「誰も裏切らないこと」という答えに行き着く。長き歴史によって創り上げられたネームバリューに安閑とすることなく、不断の研鑽を積みながら、その目はつねに未来へと向いている。この姿勢があれば、自らも、もちろん世界に数多いるユーザーたちも裏切らないことになり、結果としてハイブランドならではの強みとなる。
そこで2021年に、プジョーやシトロエンを擁するフランスの「グループPSA」と、フィアットやクライスラーといった欧米のグループである「フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)」が対等合併して発足したステランティス。現在はオランダに本社を置き、その傘下に14ものブランドを抱える多国籍企業は、自らの未来を見据えるかのように「星たちとともに輝く」を意味するラテン語の動詞「stello(ステロ)」にちなんだ社名を採用した。では、長き歴史と実績に支えられた数々の有力ブランドが集まることによる優位性をどう発揮していく戦略とは?
取材時点でプジョーのCEOという立場で来日したリンダ・ジャクソン氏の言葉は、当然のことだが、ステランティスの近未来を垣間見るために重要な意味がある、と思いながら機上の人となったわけだ。
取材場所となったホテルのエントランスに到着すると、年内に発表予定となっている3世代目の新型プジョー 3008 ハイブリッドを囲んで、すでに撮影会が始まっていた。実車とはいいながらも、今回は日本仕様は間に合わず、欧州仕様。現行2代目に比べるとフロントマスクの堀の深さが際立ち、表情はキリリとしている。いまやプジョーのアイコンともいえるライオンの牙モチーフのデイライト、さらに躍動的を感じさせるモダンなフォルムは上質さをさらに向上させている。車郡の中でも引き立つ個性を手にした新型3008、プジョーファンならずとも、日本登場が待たれるのは必然だと感じた。多分これならば、ラウンドテーブルを前に開催された正規ディーラーミーティングも好評を持って終えられたはずである。
いよいよ、リンダ ジャクソン氏が登場し、マーケティング・ディレクターのフィル・ヨーク氏、さらにステランティス・ジャパンからフレンチブランド事業部の小川隼平事業部長の2名を加えての取材会が始まった。
リンダ・ジャクソン氏は2020年1月まで同じグループにあるシトロエンを率いていた。その実績を買われプジョーのCEOに就任し、ハード面の進化に加え、プジョー・ブランドのイメージの向上に、5年間腐心してきた。ちなみにジャクソン氏は英国の自動車産業発祥の地であるコベントリー出身。時を経てその彼女がフレンチブランドの発展に尽力する。これこそコングロマリットならではのダイナミズムだろう。
さて就任当初のジャクソン氏は成功に向けて「プジョーがハイエンドでありながら親しみやすいブランドになるには『ハイエンドのジェネラリスト』を目指したい」という趣旨のことをいっていた。高級化路線を進みながらも、ごく一部の人ではなく、より多くの人々にとって手の届く存在となるべく、「エモーショナルな満足感を追求したい」という思いだろうと理解した。それ以降、5年間ではあったがジャクソン氏の手腕を見てきた。
その流れを支えてきたプジョーの「3つの主要な価値観」を確認して見ると、まずは「車内外装のデザイン」であり、それこそがプジョーを選ぶ「最大の理由」だとしている。つぎに「エモーシナル」、つまり「ドライビング体験から得られる喜びの提供」という価値観がくる。そして「エクセレンス」であり、それは技術、品質、効率を指し「すべてのプジョー車に共通する価値」といっている。こうした3つの価値観をプジョーは「アリュール(allure)」という言葉で表現し、ブランドの独自性を成長させてきた原動力としている。結果、内外ともに存在感と質感をさらに向上させ、i-Cockpitを始めとした先進機能でも、そしてドライビングの楽しさを実現し、そして確実にプレミアムと呼べる存在へと歩を進めてきている。
そしていま、最新の売れスジモデルである新型3008を目の当たりにするとデザインやハード面では確実に「最先端のテクノロジーに支えられた存在」へと成長したことを認めることになる。
だが一方で、ハイエンドブランドとしてライフスタイルの中で、どんな輝きを放つ存在となっているのだろうか? いまひとつ明瞭ではなく、少々のモヤモヤ感が残った。するとプジョーのブランドポジショニングをこう語った。
「欧州市場とは違い、日本市場ではプレミアムブランドが競争相手として認識されることが多い。品質や素材、そしてフィット感では、アウディやBMWといったプレミアムブランドと肩を並べられると自負している」と自信を見せた。
ジャーマンプレミアムブランドと比肩するほどのポジショニングにあるという、自信の表れなのかもしれない。当然ながら日本市場では「アッパーメインストリーム」というポジショニングにある車としても顧客を引きつけることができると確信していることになるが……。
「必ずしも“アッパーメインストリーム”や“プレミアム”といったカテゴリーを意識して顧客は車を購入していません。自分が求めるものを明確にイメージしており、ブランドのカテゴリーよりも、提供される価値を重視しています」とジャクソン氏は回答。つまりそれは「ライフスタイルを充足させるためには、プジョーの車が提供する『エモーショナル』な魅力こそが、不可欠な価値」という主張だと理解したところで、ラウンドテーブル取材が終了となった。
プジョーが顧客が求めるものをどこまで理解し、それをいかに実現して提供してきたか? まずは3代目3008の正式上陸を楽しみに待ちたいと思う。
AUTHOR
男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行う自動車ライター。著書「クルマ界歴史の証人」(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。
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