ロータスが存続し、より成長するための電動化なのだ

堂々としたサイズで、可変式の空力デバイスの採用により、Cd値が0.21という空気抵抗の低さと、150kgを超えるダウンフォースを実現。256km/hという最高速をロータスは「世界最速のエレクトリックGTのひとつ」と表現。

そしてもう1台、ハイパーGT「エメヤ」だ。エレトレと同じプラットフォームを使用し、全長も5mを越える、ロータスの新たなフラッグシップを名乗る存在の4ドアサルーンと言うこともあり、ポルシェ・タイカンあたりがライバルになるだろう。パフォーマンスはベーシックモデル、「S」、そして最強モデルの「R」が準備されている。ステアリングを握ったのは最上級モデルの「R」で、最高出力918PS(675kW)、最大トルク985N・mを発生し、0-100km/h加速が2.78秒、最高速は256km/hと言うハイパフォーマンスモデルで価格は22,682,000円だ。

エレトレと部骨格は同じでもエメヤは、独特のローフォルムというプロポーションを実現するため、バッテリーセルの形状を変更している。SUVとサルーンなのだから違うのは当然なのだが、効率化よりもスポーツサルーンとしての独自の走りを優先するこだわりはやはりロータス。

ドライブモードは「レンジ」「ツアー」「スポーツ」「トラック」にカスタマイズモードの「インディビジュアル」を加えた5種類を用意。
左/インターフェイスとして55インチ相当のAR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイや15.1インチHD有機ELを用いた3Dディスプレイを搭載。 右/電子制御エアサスペンションシステムを搭載。センサーが路面を1秒間に1,000 回感知し、車両を自動的に調整してもっともスムーズな乗り心地を実現する。

実際に走り出すと、「世界最速のエレクトリックGTの1台」と胸を張るだけあり、強烈な加速感を見せてくれる。周囲を置き去りにするほどの加速感は強烈。一方でエレトレ以上に低重心で安定した走りは、ひとたびクルージングに入れば洗練性、快適性、使いやすさを心地よく享受できる。「なんたる痛快さ、なんたる快適さ。これが新しいロータスの味わいというヤツかぁ」と、思わず口元が緩んでしまう。

ロータスは現在、ボルボと同じく中国の「吉利(ジーリー)」傘下にある。これによって「BEVスポーツカー」をラインナップし、大きく路線を変えることになったわけだが、ロータスがこの時代の流れから逃れようとすれば、早晩、ブランド自体の消滅を迎える事になったかもしれない。しかし、電動スポーツカーをリリースし、SUVやサルーンも手掛けることで、北米や中国といった巨大マーケットも相手にするスポーツカーメーカーへと変わることが出来た。「エメヤ」と「エレトレ」の2台と終日付き合っているうちに「これならばロータスのBEVを受け入れてもいい」と思えるようになっていく。その上でロータスは「軽さは正義」を忘れることはないだろうし、これから順次登場してくる新しいモデルの中には、これまでのロータスファンをも納得させる個性が、必ず発見できるはずだ。そしてなにより、ロータスというブランドがこれからもあり続け、スポーツカーを作り続けること自体が、まずは幸せなのではないだろうか。

左/空力性能を向上させるためデジタルアウターミラーを採用。少し慣れは必要だが実用性にも優れ視認性もいい。 右上/自車周辺を監視するセンサーには4基のライダーと18基のレーダー、12基のカメラを用いており、暗所や悪天候のもとでも、半径200m以内の障害物を検知。 右下/ドアを開けるとBピラーに貼られたパネルが見える。そこにはロータス社が設立される以前の1948年にロータスの第1号車が完成したことと、「アンソニー・コーリン・ブルース・チャップマン」の頭文字を組み合わせたマークが記されている。エレトレにも同じく装備されている。ロータスのDNAはBEVになっても健在だ。
主要諸元エメヤR
全長×全幅×全高5,139×2,005×1,467mm(22インチホイール)
ホイールベース3,069mm
車重2,575kg
最小回転半径データ無し
最低地上高146mm
トランスミッション2スピードトランスミッション
駆動方式AWD(オールホイールドライブ)
モーターデュアルモーター
最高出力675kW(918ps)
最大トルク985N・m(100.4kgf・m)
一充電辺り航続距離435-485km(WLTP) 
車両本体価格22,682,000円~(税込み)
お問い合わせ先
ロータス
https://www.lotuscars.com/ja-JP

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