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2019年にスタートし、今年で4回目の開催となる、横須賀の無人島・猿島を会場としたアートプロジェクト。今回は会場を横須賀市街に拡大し、夜間の展示以外だけでなく日中の展示も行われ、より地域と密接に繋がる内容となっている。
2024年、注目された単語のひとつに「界隈」がある。現代での使い方は「同好の士」、つまり趣味や業界などが同じグループを意味しているようだが、もともとはある地域や街並みなど指す表現である。人が集まり暮らす場所から意味が転じて、例えばSNSで同じハッシュタグを選んでいる人たち、リアルな土地と紐づかない「人々の居場所」も意味するようになった。オンライン時代らしい日本語の発展といえるが、その一方で、地域や風土という要素が、未だに私たちの認識や思考において重要であることを思い知らされた一例でもあった。
ある特定の土地や風土と、人々の感性との繋がり。それを強く意識し、アートという形で提示・表現しようとしているのが、現在横須賀の猿島とその界隈で開催されている『SENSE ISLAND/LAND|感覚の島と感覚の地 2024』である。
2019年に、横須賀にある東京湾最大の自然島である、猿島を舞台に、作品展示やイベントなどを行った『SENSE ISLAND ─感覚の島─ 暗闇の無人島』。夜間はフェリー運行しないため普段は入島ができない島内を会場にしたアートプロジェクトは、携帯端末を封印し、夜の異郷を味わう鑑賞形態で注目された。その後、COVID19禍を経て2022年に再開された。
昨年のリサーチイヤーを経て開催された『SENSE ISLAND/LAND|感覚の島と感覚の地 2024』は、会場を猿島だけでなく、横須賀市街の各所に拡大し、夜間だけでなく日中にも観覧できる展示も多く設けられている。スタート以来本プロジェクトのプロデューサーを務める齋藤精一氏(パノラマティクス主宰)は、今回の内容に関して「数万年かけて創られた地球や大地の一部としての横須賀の地形と、数百年前から脈々と受け継がれる横須賀の様々な産業と、近年起こりうるであろう環境や地域の変化を、アート作品というレンズを通して、横須賀の地で見つめ直す試み」と述べている。
さらにゲストキュレーターである青木彬氏(一般社団法人藝とディレクター)は、次のように説明する。「横須賀という地名から想起される様々な事象─造船や軍港、はたまたスカジャンまで─は、当然のことながらまた異なる事象との複雑な絡み合いのなかでかたちづくられてきました。地域におけるそんな多層的な繋がりをひも解くために『SENSE ISLAND/LAND』では、地層そして地勢をテーマに、私たちが立っているこの大地へと目を向けていきます」。このコンセプトを受けて、各アーティストの作品は、砲台跡などの遺構、地域の伝承、さらには地元で採集された不要物など、横須賀に関わるものが多い。それらの作品を地域の中で鑑賞することは、アーティストの表現を味わうのと同時に、作品に基底にある関係性の中に自ら入っていくことにもなる。それはまさにこの場所、この時でしか味わえない体験といえるだろう。開催期間は残りわずかとなってしまったが、時間が許すのであれば、ぜひ訪れてみたい。
【開催期間】
2024年10月26日(土)~12月15日(日)
【猿島会場】
金土日及び祝日の夜間
【市街地会場】
会期中の日中(各施設の利用時間に準ずる)
【展示参加アーティスト】
ARu(松島 宏佑/雪野 瞭治/藤本 雅司)、碓井ゆい、菊池宏子、キュンチョメ、齋藤 精一、SIDE CORE、玉山拓郎、チェ・ジョンファ、TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH(濱本 奏/前田 梨那/松原 茉莉/山本 華)、中村寛、水戸部春菜、三原聡一郎、薬王寺太一、山本愛子
【料金】
猿島会場での作品鑑賞は有料で、事前にチケット購入が必要です。
一般大人(高校生以上) ¥3,700
一般中学生 ¥3,000
一般小学生 ¥1,700
横須賀市民大人(高校生以上) ¥2,700
横須賀市民中学生 ¥2,000
横須賀市民小学生 ¥1,200
障がい者手帳をお持ちの方 ¥1,050
障がい者手帳をお持ちの方の付き添いの方 ¥1,050
※未就学児は猿島会場での作品鑑賞、パフォーマンス鑑賞ともにチケット料金は無料ですが、事前に無料チケットの予約が必要です。
※鑑賞チケット料金には、猿島への往復乗船料、入園料を含みます。
• 強風や荒天により猿島行きフェリーが欠航する場合は、猿島会場は、開催中止となります。なお、中止の判断は、開催日前日の15時ごろに行い、チケット購入者にメールでお知らせする予定です。
【三笠発猿島行きのフェリーの出航時間】
16:30/17:10/17:50/18:30
また12月14日(土)、15日(日)の15:00からはアーティスト集団オル太によるパフォーマンス「ニッポン・イデオロギー 第7章」が、1899年竣工の浦賀ドックを会場に行われる。料金は¥3,000。
STAFF
Writer: Yukihiro Sugawara
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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