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今年、バルセロナを舞台に開催される第37回アメリカズカップ。10月の決勝マッチレースに向けて、注目が高まりつつある。そこで今回は新作を中心に近年発表されたヨットやヨットレースをモチーフとしたウォッチをご紹介する。
今年の8月から10月にかけて、スペイン・バルセロナの海を舞台に第37回アメリカズカップが開催されている。アメリカ、イギリス、スイス、イタリア、フランスのチームの中で勝ち抜くと、ディフェンディングチャンピオンのエミレーツ・チーム・ニュージーランドへの挑戦権を得られ、10月12日からの決勝マッチレースに進むことができる。まずはどのチームがチャレンジャーとなるのかが楽しみだ。
人気マリンスポーツであるセーリングでは、多くの時計ブランドがチームのスポンサードしている。そのためサポートするチームに関連したコラボレーションモデルを発表しており、今年はまさにその当たり年といえる。またヨットやマリンスポーツと関わりの深い時計ブランドからもヨットモデルが目立つ。ヨットというと、ラグジュアリーなイメージがあり、ヨットレースではF1レースのようなハイテク素材が採用されてタフな作りが主流なので、時計と世界観が共通することも多く、相性が良い組み合わせといえそうだ。
ヨットウォッチは、大きく2つに分けられる。
まずヨットの優雅かつラグジュアリーで、タフな世界観を取り入れたヨットモデルだ。ヨット乗りの心に刺さるアイコニックなディテールを盛り込んだデザインで、いつでもヨットのことを思い出させてくれる時計である。例えば、レーシングヨットの船体やマストの主要素材となっているカーボン。軽さと剛性の比率が高い素材特性は、時速100kmのスピードで海上を疾走する力を生み出し、時計に採用すればそのタフさをアピールできる。また豪華ヨットの甲板に用いられるチーク材を用いれば、ヨットのラグジュアリー感を演出できるだろう。さらに海上で通信に使われる国際信号旗をインデックスに取り入れた時計もあり、そのデザイン性で世界観を堪能できるようになっている。
2つめは、ヨットレースやセーリング競技に特化した機能性を備えている時計だ。カウントダウン機能が大きな特徴で、正確なスタートまでの時間をカウントダウンするというもの。いわゆるレガッタ仕様だ。クロノグラフが備わっている時計であれば、レガッタタイムの計測もできるようになっている。なぜカウントダウンが必要かというと、水上レースならではの理由がある。陸上競技やモータースポーツなどの通常の競技は、静止状態からスタートして競走するが、水上に浮かぶヨットは静止することが不可能でスタートラインも描かれてないため、助走を行うスタート方式を採用している。レース運営がカウントダウンの号砲を鳴らしたり、旗も振ってくれるが、もちろん自分でカウントダウンして確認するほうが安心だ。もしフライングをすると、失格や時間追加など順位に影響を与える厳しいペナルティを課せられる。そのため、レガッタ機能のあるウォッチでは、15分か10分のカウントダウンが見やすくなっている回転ベゼルが備わっている。
もちろん、デザインにこだわったヨットモデルにしろ、レガッタ仕様が備わったヨットモデルにしろ、水上での活動であるため、いずれも高い防水性能を備えているのは言うまでもない。
国際的なヨットレースであるアメリカズカップにイタリア代表として出場しているルナ・ロッサ。過去には優勝経験もある強豪チームで、パネライは2019年からオフィシャルスポンサーとしてパートナーシップを結んでいる。パネライはヨットレース界で高性能製品に使用されていた技術を、ウォッチメイキングに応用したTi-Ceramitechという独自素材をケースに採用したモデルを発表。この素材はチタン合金の表面を電解プラズマ酸化処理によってセミラック層に変化させている。さらにセラミック層のカラーを海のイメージであるぶるーにすることに成功した。回転ベゼルにはスタートまでのカウントダウン表示を備えたレガッタ仕様だ。バイマテリアルストラップには、パートナーシップを示すルナ・ロッサのロゴが入る。自動巻き。Ti-Ceramitechケース。500m防水。ケース径44mm。
アメリカズカップのオフィシャルタイムキーパーを務めるとともに、チャンピオンチームであるエミレーツ・チーム・ニュージーランドとのパートナーシップを結ぶオメガ。そのパートナーシップモデルが登場。オメガで海の関連といえば、お馴染みのシーマスターから「シーマスター ダイバー 300M」コレクションをベースに、セラミック製の逆回転防止ベゼルをレガッタスケールに施した。ふたつの5分間プリスタートセクションと、レガッタにインスピレーションを得たフラッグをかたどったスタートセクションがデザインされている。センター秒針の末端にはアメリカズカップのトロフィーである“オールド・マグ”を大会ロゴと同じブルーであしらった。シースルーバックには、今大会のロゴが刻印されている。自動巻き。ステンレススティールケース。300m防水。ケース径42mm。
多国籍のメンバーで構成されるアリンギ・レッドブル・レーシングもアメリカズカップに出場する強豪。アリンギチームへのスポンサードを機に、2022年にパートナーシップを結んだのがチューダーだ。そのパートナーシップモデルは、フランス海軍の戦闘ダイバー部隊とともに開発された本格ダイバーズウォッチである「ぺラゴス FXD」。アリンギ・レッドブル・レーシングは、カーボンファイバー製のマストや船体、チタン製の部品が採用されていることから、時計にはケースにチューダー初となるカーボンコンポジット、ベゼルにはチタンを採用して素材構成にインスピレーションを得て、チームカラーのブルーを文字盤に配した。回転ベゼルの目盛りは経過時間の表示ではなく、カウントダウン用の表示となっている。フランジ部分にはさり気なくチーム名が英字でプリントされ、ケースバックにもチームのロゴをエングレービングした。自動巻き。カーボンコンポジットケース。200m防水。ケース径42mm。
1968年に登場したオリジナルモデルを、昨年グラスボックスの新型ケースのカレラにステンレススティールケースで復刻させた“スキッパー”。今年はローズゴールドケースで登場した。1968年製のスキッパーは当時のアメリカズカップに参戦して優勝した記念に発表されたもの。その特徴は3時位置のサブダイヤルである30分積算計を15分計に仕様変更し、それを3分割で色分けすることでカウントダウンの機能を持たせた。スタート5分前のゾーンには最大限の注意が向けられるようにオレンジに配色されている。9時位置の12時計のインダイヤルには、オリジナルモデル同様にティールグリーンが配色され、下部には「スキッパー」の文字が表示される。海を思わせる鮮やかなブルーの文字盤カラーに、ゴールドのケースや針が良く映える。自動巻き。18Kローズゴールドケース。100m防水。ケース径39mm。
ウブロがスイスのプロセーラー、アラン・ロウラとパートナーシップを結んでいることから誕生したのが、このスポーティなモデル。ロウラ氏が所有するIMOCAヨットの船体はカーボンファイバーが採用されていることから、コラボレーションウォッチにもポリッシュ仕上げのカーボンファイバー製をベゼルとケースに採用し、軽量で堅牢な外装に仕上げた。また船体はブラックとイエローで装飾され、これはウブロの初代「クラシック・オリジナル」のイエローゴールドとブラックのラバーストラップの組み合わせを彷彿とさせる。スケルトン文字盤には、6時位置にクロノグラフの動きを制御するコラムホイールを配し、自社製の自動巻きクロノグラフキャリバーの精緻な動きを鑑賞できるようになっている。世界限定100本。自動巻き。カーボンファイバーケース。100m防水。ケース径42mm。
クストスのチャレンジ シーライナーは、高級ヨットの世界観を表現したコレクション。ダイヤル内部にはヨットの船艇にも使われるチーク材を使用し、その美しい木目で優雅な船上を演出。6時位置にスクリュー型の秒針を配してヨットを想起させるディテールにもこだわった。トノー型のケースサイドには、舷窓をイメージした4つの開口部が取り付けられ、内部に浮かぶように取り付けられたムーブメントがのぞけるようになっている。今年はケースにホワイトセラミックを初めて採用して話題だ。耐久性に優れ、美しさをキープできるので、洋上でリッチに過ごすひと時にぴったりの1本だ。自動巻き。セラミック×18Kレッドゴールドケース。ケースサイズ53.7×41mm。
外洋ヨットレースのアドミラルズカップへのオマージュとして誕生した「アドミラル」。12角形ケースにインデックスとして12個の国際海洋信号旗を配するマリンウォッチだ。国際信号旗とは数字や文字を意味する旗の柄によって、海上でもコミュニケーションできる船上の言語のようなもの。例えばインデックスの1時位置の旗は日本の“日の丸”に見えるが、数字の「1」を示す旗の柄となっている。ブルーのベゼルは、発表当時、先進技術であったPVDをいち早く採用してブルーに着色した「ガンブルー」を採用しており、同様に着色した文字盤のネイビーで海原に旗が並んでいるかのように仕上げた。自動巻き。ステンレススティール(ベゼルはブルーPVD)ケース。ケース径42mm。
1969年に発表された初代シデラルはグラスファイバーを世界で初めてケースに採用した時計として知られる。復刻したシデラルは、フォージドカーボンを採用し、パンチングされたイエローのラバーストラップとの組み合わせ。軽くて堅牢なフォージドカーボンの外装に合わせ、文字盤や回転式ベゼルはレガッタ用のカウントダウン機能を装備した。リューズで分針を12時位置にあわせれば、10分間のカウントダウンが可能だが、その間は時刻表示ができない。しかし、回転式ベゼルを使用すれば、分針に合わせるだけで時刻はそのままに計時できる。使いやすいほうを選べ、デザイン的にもポップに仕上がっている。自動巻き。ステンレススティール×フォージドカーボンケース。300m防水。ケース径41mm。
STAFF
Writer: Katsumi Takahashi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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