タブロイドマガジンAdvancedTimeをお手元に
機械式時計で人気上位の機構となるクロノグラフ。その中でも今年、目に留まった個性的なメカニズムとデザインを持つクロノグラフを4本ご紹介する。
流れている時間を任意に切り取るために、スタート、ストップ、リセットの動作を行うクロノグラフは、時計や時間と能動的に対峙できる数少ない機構。内部に組み込まれた精緻なメカニズムを自分で動かしていると思うと、魅了されるのも不思議ではない。新作ではクロノグラフ針を二つ備えたスプリットセコンド・クロノグラフから、サブダイアルを備えないシンプルデザインまで興味深いモデルが登場。各ブランドの定番クロノグラフコレクションからも新色や新素材が追加され、注目度の高いクロノグラフに選択の幅が広がった。
まずは、A.ランゲ&ゾーネの名作クロノグラフ25周年を記念した新作から見ていこう。
A.ランゲ&ゾーネはクロノグラフコレクションのダトグラフの25周年を記念して2本の新作を発表。半透明のダイヤルと夜光コーティングして暗闇で光る“ルーメン”仕様の「ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン・ハニーゴールド “ルーメン”」という大作が登場したが、「ダトグラフ・アップ/ダウン」からホワイトゴールドケースにブルーダイヤルを備えた新作に注目したい。
「ダトグラフ・アップ/ダウン」は、クロノグラフの計測をリセットすると間髪入れず再計測するフライバック機構を有し、6時位置にはモデル名の由来にもなっている約60時間のパワーリザーブ表示を備えるクロノグラフだ。クロノグラフ秒針が60秒を経過すると分積算計が1分進むプレシジョン・ジャンピング・ミニッツカウンターも備える。
デザイン的な特徴は、クロノグラフのサブダイアルが下にずれて“タレ目”になっていること。センターの時分針の中央軸とサブダイアルの中央が一直線となるようにレイアウトするのが一般的なので、独特なデザインといえるだろう。それはコレクション名の由来を知れば、その理由もわかる。ダトグラフとは「デイト」と「クロノグラフ」の合成語で、ゼンパー歌劇場の5分時計に由来するブランドのアイコンであるアウトサイズデイトと、クロノグラフのサブダイアルでバランスをとったためだ。それは正三角形のように配置されている。
この調和のとれた文字盤にはブラックやホワイトを展開してきたが、今回は初めてブルーを採用。上品でモダンなブルーは、今までにないダトグラフの魅力を引き出してくれる。
1つの動力源からではなく、独立した2つの動力源から計時用(時計)と機構用(クロノグラフなど)のエネルギーをそれぞれ引っ張ってきて時計を動かすのが、ジャガー・ルクルトのデュオメトル機構の要諦だ。これによって、これまでの複雑機構を使用するときに生じる精度のブレを解決された。以来、ジャガー・ルクルトは、このデュオメトル機構をクロノグラフ、トゥールビヨン、ソヌリなどにも応用している。
新作「デュオメトル・クロノグラフ・ムーン」は、6分の1秒を計測できるクロノグラフと、29.53日の周期で1周するムーンフェイズ搭載した新型ムーブメント、Cal.391を採用。クロノグラフの瞬間と月のゆっくりとした周期が同居するロマンチックな1本だ。
9時位置には時刻とデイ&ナイト表示、3時位置にはクロノグラフの時分同軸積算計とムーンフェイズ、6時位置には跳ねるように運針する1秒で1周のフドロワイヤント、5時と7時位置にはそれぞれのパワーリザーブインジケーターが備わっている。
プラチナケースにコッパーカラーの文字盤がクラシカルな印象を持たせ、5時位置と7時位置のオープンワークで機構を眺められるようになっている。
1969年に誕生した「モナコ」の55周年を記念した「タグ・ホイヤー モナコ・スプリットセコンド・クロノグラフ」が、今年のタグ・ホイヤーの目玉。特徴的なスクエアフォルムはそのままに、スプリットセコンド・クロノグラフを搭載し、ケースや文字盤のデザインを個性的なデザインに仕上げた。
スプリットセコンド・クロノグラフとはクロノグラフ針が2本備わっていて、ラップタイムが計測できるクロノグラフ。ストップさせると1本だけ針が止まり、再びスタートさせると瞬時にもう一本の針に追いつき、再び計測をスタートさせるクロノグラフの上位モデルだ。タグ・ホイヤーは2023年の「ONLY WATCH」というチャリティイベントで初のスプリットセコンドを発表しているが、モナコ55周年でレギュラーコレクションに加わった。
ケースはブラックDLC加工が施されたグレード5のチタン製で、わずか85グラムの軽さでスポーティな印象を強めた。サファイアクリスタル製の文字盤の下に2本の特徴的なセンターブリッジがアクセントとなるルックスに仕上げた。ケースバックからは、タグ・ホイヤーらしいレーシーなチェッカーボード模様のムーブメントの仕上げが鑑賞できる。
クロノグラフには、一般的に30分、60分、24時間などの積算計のインダイヤルを備えるが、アンジェラスの新作「インスツルメント ドゥ ヴィテッセ」にはそれらがない。センターの3本の針は普通の時分秒の針ではなく、時分針とクロノグラフ秒針だ。センターの針が、クロノグラフ秒針だけのシンプルなクロノグラフなのだ。
ヴィンテージGTカーのダッシュボードに備えるレース用のクロノグラフからインスパイアされた時計は、普通は2時と5時の位置に備わっているプッシュボタンはなく、リューズと一体化したモノプッシャー式となっている。このクラシカルでシンプル極まりないクロノグラフは、短時間での計測を目的としているため、積算計はなく、ダイヤル外周に備えるタキメーターで60秒間の平均速度を測定するための純粋なクロノグラフとなっている。
搭載されるクロノグラフムーブメントは、手巻き式でコラムホイールと水平クラッチを採用した古典的なクロノグラフの仕様。エボニーブラックの文字盤カラーにアプライドでホワイトのアラビア数字が際立たせ、タキメーターのゴールドの目盛りと表示がクラシック感を引き立てている。
STAFF
Writer: Katsumi Takahashi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
『AdvancedTime』は、自由でしなやかに生きるハイエンドな大人達におくる、スペシャルイシュー満載のメディア。
高感度なファッション、カルチャーに溺愛、未知の幅広い教養を求め、今までの人生で積んだ経験、知見を余裕をもって楽しみながら、進化するソーシャルに寄り添いたい。
何かに縛られていた時間から解き放たれつつある世代のライフスタイルを豊かに彩る『AdvancedTime』が発信する情報をさらに充実し、より速やかに、活用できる「AdvancedClub」会員組織を設けました。
「AdvancedClub」会員に登録すると、プレゼント応募情報の一覧、プレミアムな会員限定イベント、ブランドのエクスクルーシブアイテムの紹介など、特別なコンテンツ情報をメールマガジンでお届け致します。更に『AdvancedTime』のタブロイドマガジンのご案内もあり、送付手数料のみをご負担いただくことでお手元で『AdvancedTime』をお楽しみいただけます。
登録は無料です。
一緒に『AdvancedTime』を楽しみましょう!
vol.024
vol.023
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.022
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.021
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.020
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.019
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.018
vol.017
vol.016
vol.015
vol.014
vol.013
Special Issue.AdvancedTime×HARRY WINSTON
vol.012
vol.011
vol.010
Special Issue.AdvancedTime×GRAFF
vol.009
vol.008
vol.007
vol.006
vol.005
vol.004
vol.003
vol.002
Special Issue.01
vol.001
vol.000
タブロイドマガジンAdvancedTimeをお手元に
夏の肌疲れを癒す、アロマのパワー
ロイヤルの気品、アスリートの美筋、無邪気な笑顔のニコラス・ガリツィン。完全無欠な年下彼氏の妄想に浸る
「ウェレンドルフ」のジュエリーが魅せる“本物の価値”
シックでクラフテッド、それでいて機能的。新時代を迎えた“ジャパンキッチン”
持ち前の「強さ」に「幸福感」が積み重なり、唯一無二の美しさを放つ──。
2024年はまだ終わらない!秋の新作ウォッチ
箱根の我が家で至福の秋に身を任せて「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ」
タブロイドマガジンAdvancedTimeをお手元に
静寂のサンクチュアリへ「バンヤンツリー・東山 京都」
箱根に登場したラグジュアリーなヴィラ「箱根リトリートföre & villa 1/f(フォーレ&ヴィラ ワンバイエフ)」
海を愛する食通が唸る!「Restaurant UMITO Akasaka」で、旬の海の幸が活きる“モダン和食”を
自分を消すのは得意だからどこにいても、誰にも気づかれません(笑)