（2ページ目）アストンマーティンで京都『MUNIKYOTO by 温故知新』へ。

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すべてが研ぎ澄まされたDBX 707で感じる、ゆとり

Aston Martin DBX 707の画像 — 「Sport＋」モードでは車高も低くなり、路面にぴたっと張り付く安定感抜群のコーナリングをみせる。

高速道路でのクルージングは、給油時の休憩のみで走破できた。研ぎ澄まされた音を発するサウンドシステムでBGＭを流しながら、自分専用の“劇場”と化した移動の時間は、退屈とは無縁であり、疲労も少なめ。それは京都に入り、全長10km強の有料道路「嵐山‐高雄パークウェイ」を走ってからも変わることはなかった。

ドライブモードは「Sport＋」にセット。足回りがいっそう引き締まり、4WDシステムの駆動力配分が後輪重視になって、「アクティブ・エキゾースト」の抜けのいいサウンドが楽しめるモードだ。道幅はそれほど広くなく、タイトなカーブが続くルートだったが、ストレスを感じることはいっさいなし。高速クルージングとはまた違った軽快なドライブは、これから訪れる嵐山の宿での滞在を前に、最高の気分転換となった。

ワインディングを下りきると、嵐山は目の前だ。行動制限がなくなったことでいっそうの賑わいを見せる人気の観光スポットで、DBX 707はよく馴染んだ。それは、ことさらに存在感を主張することのない、エレガントなスタイリングのおかげだと思う。高性能であることをことさらに主張しない点で、DBX 707は実に英国的なジェントルマンズ・スポーツカーといえるのではないか。

旅の宿は、嵐山の一角にある「MUNI KYOTO by 温故知新」表通りの賑わいが嘘のような静寂に包まれながら、客室のテラスや宿泊者専用ラウンジからは桂川の渡月橋も見渡せる、贅沢な空間。ドア・トゥ・ドアでの旅では、移動のパートナーも滞在場所もベストな選択を心掛けたいもの。「MUNI KYOTO by 温故知新」の魅力は後述のパートで紹介するが、旅の経験が豊富な方でも目を輝かせるに違いない、行き届いたホスピタリティに心からリラックスできた。

そしてクルマも。「自分で運転していかなければならない」ではなく、「自分で走っていきたい」と思わせるアストンマーティン DBX 707は、年齢に関係なくポジティブに生きていくことの悦びを謳う当メディアのテーマと重なるものだった。スポーツカーと聞くと、常時緊張感を求められる乗り物なのでは？と思うかもしれない。実はまったく逆で、優れたスポーツカーほどリラックスできるのだ。理由はここまで読んでいただければ十分ご理解できたはず。心を開放する旅に、アストンマーティン DBX 707は必ずや応えてくれるだろう。

主要諸元	Aston Martin DBX 707
エンジン	4ℓ V型8気筒DOHCツインターボ
最高出力	707PS（520kW）／4,500rpm
最大トルク	900Nm／2,600～4,500rpm
全長×全幅×全高	5,039×1,998×1,680㎜
車両重量	2,245kg
車両本体価格	¥31,190,000