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週刊プレイボーイの元編集長であり、現在はエッセイスト&オーナーバーマンの島地 勝彦が語る『お洒落極道』。第5回はベル&ロスのスポーティなメーター付きウォッチを語る。
わたしはスカルが大好きなのである。いつも左手の中指と右手の小指にスカルの銀製の指輪を嵌めている。左手のスカルはアイファニー製で、サロン・ド・シマジを伊勢丹新宿店でやっていた頃には、5年間で100個以上も売った。いわばシマジ教のシンボルみたいなものである。
どうしてわたしがスカル好きになったかというと、ラテン語の格言に「メメント・モリ」とあるように、人間はいずれみんな骸骨になることを忘れるなと忠告しているためだ。だからこそいまを愉しめとも解釈できる。わたしの生き様にぴったりなのである。5年前には巨大なスカルを文字盤にあしらったベル&ロスの腕時計を手に入れた。バーニングスカルと名付けられたこの時計は、スカルに夜光塗料が施されていて、暗闇の中でうっすらと浮かび上がってくる。毎日薄暗いバーカウンターの前に立つわたしにはたまらない魅力となっている。航空計器からインスパイアされた時計で一躍人気ブランドらしく、第2次世界大戦の戦闘員のエピソードから生まれたというのもわたしの心に刺さった。
わたしのベル&ロスは主に夜に活躍しているが、もともと青空の似合うスポーティな時計である。共同創業者のひとりであるカルロス・A・ロシロがミリタリーウォッチコレクターだったことから、もうひとりの創業者であるブルーノ・ベラミッシュが絶妙なデザインセンスを発揮してミリタリーテイストのウォッチが出来上がった。それがヒットして、一躍人気ブランドの仲間入りを果たした。
現在ではフランス空軍のパイロットチームに採用されるほど、本格ミリタリーウォッチまで手がけている。パイロットウォッチ以外でもダイバーズウォッチやモータースポーツウォッチなどフィールドを拡げ、プロフェッショナル向けのインストゥルメントウォッチとして知られるブランドである。
ベル&ロスのスクエアケースの時計は、航空機のコックピッド内に並ぶ計器をモチーフにしたものだが、今回ご紹介する「BR 03-94 マルチメーター」は複数の計器を同軸上でひとつにまとめたクロノグラフウォッチである。クロノグラフとは時刻表示とは独立した、一定期間の時間を計測するものだが、用途によって速度、位置、脈拍を測定できる。航空業界では飛行中の位置の特定、航海中には海上での位置の計算、医療では脈拍数、モータースポーツではレーシングカーの速度といった具合だ。これらをひとつにまとめてしまったのが、この時計なのである。
この時計のキモは、クロノグラフの作動でいくつものカテゴリーの計測が可能ということだ。それぞれの計測には専用の目盛りが刻まれ、5色で色分けされていて視認性も高いため、見誤ることはない。心拍数を計測するパルスメータースケールはオレンジ、呼吸数を計測するアズモメーターはダークグリーン、そして3つのタキメータースケールはすべて計測基準が異なり、1km計測のタキメーター1はホワイト、250m計測のタキメーター2はペールグリーン、100m計測のタキメーター3はライトグレーという構成になっている。
タキメーターはジョガー(ランニング)、サイクリスト(自転車)、ドライバー(スポーツカー)として設定されている。シマジが若い頃なら、トライアスロン(スイム、バイク、ラン)ウォッチとして使ってみたかったが、今ならレース観戦に使うのがいいだろう。陸上競技の100m走、競馬レース、F1レースをひとつの時計で速度を計測できるのは面白い。わたしは週に2回、近所のスイミングプールで1kmの水中歩行で健康維持を努めているので、毎度、歩行時間を記録して健康状態を観察するのもいいだろう。
メメント・モリの精神でスカルを大切に身に着けているのシマジだが、スポーツの秋にはこのマルチメーターウォッチを持って外へ出かけたい。スポーツで汗を流すことこそ、生を実感できる近道だからだ。
アイコニックなスクエアケースに、パルスメーター、アズモメーター、3つのタキメーターと5種類のスケールを備え、速度だけでなく呼吸数、心拍数まで計測できるクロノグラフモデル。3つのタキメーターは100m、250m、1kmと計測単位が異なり、ジョガー、サイクリスト、ドライバーに対応する。それぞれのメーターごとに色分けされたグラフィカルなスタイルは、視認性と機能性を両立させる。ブラックラバーほか、ヘビーデューティ仕様のシンセティックファブリックも付属。世界限定500本。自動巻き。ケース幅42㎜。マットブラックセラミックケース。715,000円。
大学卒業後、集英社に入社。「週刊プレイボーイ」編集部に配属され、1982年には同誌の編集長に就任し、100万部の雑誌へと育て上げた。その後「PLAYBOY」「Bart」の編集長を務める。柴田錬三郎、今東光、開高健、瀬戸内寂聴、塩野七生をはじめとした錚々たる作家たちと仕事を重ねてきた。「お洒落極道」「お洒落極道 最終編」(小学館)など著書多数。現在は西麻布にあるサロン・ド・シマジにて、バーカウンターの前に立つ。
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