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現役のころを思い出させる分厚い胸板に〝ジョルジオ アルマーニ〟がよく似合う、黒田博樹さん。現役引退後の生活と、ファッションへのこだわりを語っていただきました。
マウンドでの闘志あふれる姿は、今も脳裏にしっかりと焼きついている。引退から2年半、黒田博樹さんはあのころとは違う、やわらかな雰囲気でカメラの前に立った。
「現在は自宅のあるLAと日本を行ったり来たりしています。野球の解説などの仕事をすることもありますが、できるだけ野球の現場からは離れていたい(笑)。ゴルフをしたり、釣りをしたり。のんびりした日々を過ごしています」
黒田さんといえば“男気”の代名詞。そんなイメージからは少し意外に感じるかもしれないが、普段からとても服に気を遣う。LAにいるときは、ショッピングに出かけることも多いそう。
「何も用事がないときはTシャツのようなカジュアルが多いですね。でも少しいい店に行こうっていうときは、ジャケットやスーツを着るようにしています。きちんとした格好をしていると自分自身が気分いいし、レストランなどでちゃんと扱ってもらえる」
そんな黒田さん愛用のブランドが“ジョルジオ アルマーニ”。ひと目でわかる上質感が他にはない魅力だと語る。
「色とかデザインで目立つのは好きではないんです。一見、オーソドックスだけど、素材が美しかったり、細かいところにこだわっていたり、着心地が抜群によかったり、そんなさりげないプラスαが“ジョルジオ アルマーニ”の魅力だと思います。特にジャケットはそでを通すと違いを実感できますね。それに“ジョルジオ アルマーニ”のジャケットを羽織ると、自然に気分が上がるというか、そんな感覚があって、誰と会っても、どこに出ても恥ずかしくないという安心感もあります」
“ジョルジオ アルマーニ”のオーダーメイドシステム、MTM(メイド トゥ メジャー)でスーツをつくった経験もある。
「すごく細かく丁寧に採寸して、体の動きのクセまでチェックしてくれたんです。やっぱりそこまでやると、着た瞬間に今までのスーツとぜんぜん違う感じがしました。体にフィットしているのに動きやすくて、疲れにくい。月に1〜2回着る機会がありますが、このスーツを着ると、気持ちが引き締まる感じがします。キャンプインの日にユニフォームにそでを通すときの感覚に近いかな。ビシッと背筋が伸びて、顔にも気合が入る。たまにはそんなスイッチが入るのも悪くないなと感じます」
MTMでスーツを製作したことで、思いがけない効果もあった。
「せっかくつくったからには長く使いたいので、体形が変わらないように気をつけています。油断すると大きくなってしまうので、このスーツを着てキツく感じたら、ジムでランニングしたりして、スーツをカッコよく着られる体形を維持するようにしています」
今回の撮影では、ゆるやかなシルエットの麻素材のジャケットを着用した。肩パッドなどを使わない流麗なシルエットが特徴的なアンコンストラクテッドのジャケットは、“ジョルジオ アルマーニ”のシグネチャーのひとつだ。
「こういうジャケットは初めて着たので、新鮮に感じました。体をやさしく包み込むような感じで、締め付けないからリラックスできていいですね。リゾートに旅行するときなどに最高の一着ですね」
ジャケットやスーツ姿の黒田さんも素敵だ。だが、多くのファンは彼が指導者として帰ってくることを期待しているはずだ。
「それは今、まったく頭のなかにありません。これまでできなかったことにチャレンジしたいし、新しい世界に触れたい。いろいろなおもしろいことをキャッチできる大きなアンテナを手に入れたいなと思っています」
“ジョルジオ アルマーニ”をプライベートの“ユニフォーム”にした黒田さんは、第二の人生のスタートも大いに謳歌しているようだ。
春らしい軽やかさのシルクリネン素材を用いたジャケットとパンツのセットアップ。変形ショールカラーのジャケットは、体のラインを引き立てるシルエット。アルマーニ / 銀座タワーのリニューアルオープン記念として、日本限定、銀座タワー先行発売。
97年広島東洋カープに入団。
08年LAドジャースに移籍、12年からNYヤンキースにて活躍。
15年広島東洋カープに復帰し、翌年にはチームを25年ぶりのリーグ優勝に導き、その年、現役を引退。
現在はさまざまなフィールドで活動中。
初出:2019年03月21日発行『AdvancedTime』01号。掲載内容は原則的に初出時のものです。
STAFF
Photo: Yuji Kawata
Stylist: Masayuki Sakurai
Hair & Make-up: Masami Watanabe
Writer: Kosuke Kawakami
Composition: Kenji Washio
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