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持ち前の「強さ」に「幸福感」が積み重なり、唯一無二の美しさを放つ──。

俳優

高岡早紀

10代のころから、仕事の責任感を背負ってきた高岡さん。50歳を迎え、今、自身を支えるのは「自分を認める」潔さだと語る。

LIFESTYLE Dec 4,2022

“特別なことじゃなくていい。一緒に過ごす存在があることが幸せです”

高岡早紀さんの画像 — ドレス¥696,300（スポーツマックス／マックスマーラジャパン）

「われながら、頑張り屋のほうかなって思います。10代から仕事を始め、責任をとるのは常に自分。自分を満足させるのも自分。ただ若いだけだったそのころ、何かを生み出し、結果を出すため、そして生きていくためには、必要なことでした。今だって、どんなに忙しくても、仕事のクオリティは落とせないし、家族をもつこと、育てることも、私の責任。もちろん、岐路に立って、決断を迷うことはあります。でも、悩みすぎて決断を長引かせて、相手を待たせるくらいなら、最初からきっぱり断るほうを選びます」

14歳でモデルデビューし、その後、映画・舞台の世界に。日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞したのは、わずか21歳のときだった（1994年公開映画『忠臣蔵外伝四谷怪談』）。若くして強さを少しずつ身につけ、それは今、３人目の子供である長女にも受け継がれているという。

「娘は12歳にして、すでにものすごく負けず嫌い（笑）。少しつり上がった目も、ふとした後ろ姿も、10代のころの私にそっくりです。かわいくてたまらないからこそ、幼いころは、少し厳しく育ててきたけれど、今は褒めて、褒めて、育てるように。そうしながら“うれしい”体験を増やしてあげたいんです」

“うれしいこと”を大事にするのは、高岡さんがずっと続けてきたこと。舞台やライブで得た充実感、家族と過ごす時間…。それが今、えもいわれぬハッピーオーラとなって、高岡さんの姿に現われている。

「３人の子供の顔を見れば、疲れていてもパワーがこみ上げてくるんです。夜遅いのにと思いながらも、頑張って料理を作ったり、それを子供たちが手伝ってくれて、眠るときは、2匹のダルメシアンが寄り添ってくる。特別なことじゃなくていいんです。一緒に過ごす存在があることが、私の幸せの源です」

“年を重ねた自分も頑固になる自分も認めて、許して、愛して。それは癒しにもパワーにもなる”

12月3日、50歳の誕生日を迎えた。俳優と並行しての音楽活動は10年、恒例の“バースデーライブ”は、今回で4年目。艶やかな声で聴く人を癒し、また、聴く人のハッピーを受け取る。演じることとはまた異なる“頑張りすぎない”心地いい時間だと語る。

「年齢とともに、これからできることは限られてくるし、仕事が減ることもあるでしょう。でも、それも私なんだと、受け入れるしかありません。頑固さも今以上に増すかもしれないけれど、それもまた、いいじゃない。人がどんな評価をしようが、気にしない。自分を認めつつ、それでも少しずつ新しいことに挑戦しながら、年を重ねていけたら」

その新しいことのひとつが、2023年1月に始まる『我らがパラダイス』（NHK BSプレミアム・BS4K）での、高齢者施設のダイニング係の役。「介護という、重たいテーマを取り上げながらも、私はその中の癒しパート」と聞けば、期待は高まる。かつて呼ばれたのは“魔性の女”。そして今は“癒しの存在”。

「癒すとか、癒されたいとか、よく言うけれど、その前に大事なのは、やっぱり自分自身。だから、どんなときも、私は私のままで。今まで、俳優として自分の演技に迷ったときも、救われたのはこの考え方でした」

自分を信じること――。それを継続すること――。美しさも、幸せも、そうしてつくられるということを、彼女は体現している。

PROFILE

俳優

高岡早紀

1972年12月3日生まれ。神奈川県出身。14歳でテレビCMのモデルとして芸能界デビュー。1994年公開の『忠臣蔵外伝四谷怪談』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。結婚・出産後も、俳優として話題作に多く出演するほか、今年は初めてのコメンテーターにも挑戦。音楽活動も続けていて、毎年恒例になっているバースデーライブを2022年12月14日に「コットンクラブ」で行う。現在、WOWOW 連続ドラマW『両刃の斧』に出演中。2023年1月8日スタートのNHK BSプレミアムドラマ『我らがパラダイス』、Netflix映画『クレイジークルーズ』への出演も決まっている。

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