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麗しき男役で一世を風靡した元宝塚のトップスター・大地真央さん。 退団後もシリアスな役柄からコメディ、毒舌オバハンからキュートな女将さんまでドラマ、舞台、CMにと、縦横無尽に活躍するその美しさとパワーの源に迫りました。
初めてお腹を見せました…。
そう言いながら、困惑しつつも優しい微笑みで、カメラの前に現れた大地真央さん。漆黒のエナメルコートと、その胸元からのぞく陶器のように白くなめらかな肌とのコントラストが、息をのむ美しさ。彼女の周りだけぱっと光が差した気がして〝これが大女優のオーラというものか!〟と感じるとともに、スタジオ内に心地よい緊張感が漂う。
世界の歌姫、アリアナ・グランデのように、大胆で強く、しなやかな雰囲気をイメージし、衣装やヘア&メークも、そんな世界観を意識した今回の撮影。その美貌とオーラで、どの衣装も完璧に着こなし、さまざまな表情とポーズで私たちを魅了する。
「もともと洋服は大好きですし、私服ではロックな印象の〝クロムハーツ〟を身につけることもあります。強さと女性らしさが同居する今回の衣装はどれも大好き! ただ、こんなふうにお腹を出すことは初めてで、緊張しましたけれど(笑)」
そう笑う大地さん、宝塚歌劇団の男役トップスターとして一時代を築き、退団後も第一線を走り続けている。最近では、テレビドラマ『最高のオバハン 中島ハルコ』で、人の悩みをバッサバサと切り倒す、毒舌かつゴージャスな〝アラ還マダム〟を生き生きと演じて話題に。
「女優という仕事が好きなんです。初舞台からもうすぐ50年が経ちますが、この想いはまったく変わりません。むしろ、年を重ねるごとに強くなっている。演じるときは女優としてギアをトップに入れていますから、それ以外は、心も体もニュートラルな状態をキープするよう心がけています。心身を整え、お風呂上がりには静かな空間でクールダウン。大変なこともありますが、お客様の笑顔や拍手、『感動した』『面白かった』という声が、何よりもうれしい。同時に、ひとつの作品を〝みんなで造っていく〟プロセスが好きなんです」
今年、65歳。17歳で初めて舞台に立って以来、次々と新たな役柄や作品に挑戦し、私たちを驚かせ続けてくれる。
「コロナ禍で、いくつかの仕事は延期や中止になり、リモートでの収録も経験しました。あたりまえがあたりまえでなくなったことは切ないですが、くよくよしていても仕方がない。今、自分にできることを、丁寧に、誠意をもって取り組みたい。同時に、先の見えない時代だからこそ、何があっても柔軟に対応できるよう、心も体も強くしなやかに保っておきたい。そんな思いが強くなる中で、久しぶりに舞台に立てたときは、これまで以上の幸せを感じました。舞台は、その日その劇場で、お客様と演者とが、空間と時間を共有できる、一期一会の場。客席の生の反応を肌で感じながら、大きなエネルギーをいただいていると実感しました。また、足を運んでくださった方々にとっては、舞台は非日常の空間。作品の世界に浸っていただき、少しでも活力源になれたら、と思っています」
プライベートでも、どうせならステイホームを思いきり楽しもうと、気持ちを切り替えたのだとか。
「結婚して15年目になりますが、日ごろは海外での仕事が多く留守がちな夫と、こんなに長く家で過ごしたのは初めてでした。一緒に料理を作ったり、テラスで食事を楽しんだり、お取り寄せにはまってみたり。普段できないことをやってみようと、初めてケーキ作りにも挑戦しました。グルテンフリーのチョコバナナケーキにトライしたのですが、砂糖と塩を間違えて大失敗。その後もこりずにグルテンフリーのりんごのパウンドケーキを作ったら、夫からは『ケーキみたいでおいしいね』と率直すぎる意見をもらいました(ケーキなんですが笑)」
家庭菜園や断捨離などにも着手。
「ピーマンだと言われて買ったはずの苗が、万願寺とうがらしだったり、レモンがどんどん大きくなって、グレープフルーツみたいになったり、珍現象が勃発(笑)。大葉はどんどん生い茂る一方で、アーモンドやクルミはとんと音沙汰なし。植物って本当に面白いなと、日々成長を楽しんでいます」
また、愛猫家で知られる大地さん、最近、新しい家族を迎え、今は6ニャン(!)と暮らしているとか。
「メインクーンのトルタ(16歳)、カンヌ(14歳)、トリュフ(6歳)に、シャルトリューのスフレ(5か月)。そこに、メインクーンのブリュレとシュシュテ(4か月)が加わり、いっそうにぎやかになりました」
さらに、四角いフライパンで作った目玉焼きが、偶然、猫の顔のように焼けたため、ケチャップで口やヒゲを描いてみた写真をインスタグラムに投稿、またたく間に『かわいい!』と話題になった“目玉焼きオリジナルアート”は、なんと大阪で初の個展が開かれるほどに。
「過去を振り返らず、今の環境や状況を前向きに受け入れて、できるだけ楽しむ。そして、瞬間、瞬間、ベストをつくす。20代のころは一生懸命がダサいと思っていた時期もありました。でも今は、置かれた場所で、今、自分ができることを一生懸命にやることが、すごく素敵なことだと思うようになりました。苦手なことだとしても、思いきりぶつかって、たとえ失敗したとしても楽しむ心を忘れないでいたい。年齢を重ねても初々しいチャレンジ精神をもち続けていたい。いつでもなんにでも、ワクワクできるよう、瑞々しい気持ちを保って、何歳になっても〝鮮度〟を大事にしたい。そう思っています」
兵庫県生まれ。宝塚歌劇団男役トップスターとして活躍。1985年の退団後も多彩な役を演じ、菊田一夫演劇大賞、文化庁芸術祭賞大賞など受賞多数。
●舞台『夫婦漫才』
昭和初期。大阪の長屋で生まれ育った信子(大地真央)と伸郎(中村梅雀)夫婦による、笑いと涙の珍道中。史上最強におもろい夫婦が3度目のコンビを結成!
原作:豊川悦司、演出:ラサール石井、脚本:池田テツヒロ
東京公演(10月16日〜18日)「シアター1010」
大阪公演(10月24日〜11月2日)「新歌舞伎座」
福岡公演(11月5日〜8日)「博多座」
愛知公演(11月13日〜22日)「御園座」
公式サイト:https://www.tohostage.com/meoto/
●掲載商品はすべて、税込み価格です。
初出:2021年9月25日発行『AdvancedTime』09号。掲載内容は原則的に初出時のものです。
STAFF
Photo: Kazutaka Nakamura
Stylist: Momo Ejima
Hair&Make-up: Yusuke Igari(Three PEACE)
Text: Miho Tanaka
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