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静岡県伊東市のシンボル的な存在で、国の天然記念物に指定されている「伊豆大室山」の山麓の豊かな自然に溶け込むようにしてある「奏の森(かなでのもり)リゾート」。東京ドーム7個分ほどの敷地内には、まさに「自然の中で間借りしている」といった、施設の基本コンセプトに沿うように、自然を活かしたアクティビティなどの各種施設が点在している。そして秋の色づきが深まった2025年11月15日~16日の2日間、このリゾート施設を貸し切りにして開催されたのがライフスタイル体験イベント『DESTINATION DEFENDER 2025』。『ディフェンダー』のオーナーやブランドのファンを中心に多くの人々が集い、伊豆の自然の中で『不可能を可能にする』という高度なオフロード性能、さらには冒険精神、やブランドの世界観を存分に体験した。

『ジャガー・ランドローバー(Jaguar Land Rover)』は2023年以降、ブランド戦略を再構築し、現在は『レンジローバー』、『ディスカバリー』、『ディフェンダー』、『ジャガー』といった、4つの「ラグジュアリーブランド」で構成される。もちろんすべてのブランドは、1951年にロイヤルワラント(英国王室御用達)の許可を得て以来、現在までその栄誉は継続している。これに付け加えるとすれば「エリザベス2世女王」、「フィリップ(エディンバラ公)」、そして「チャールズ皇太子」の3名の紋章を記載することが許されている自動車ブランドは、この4ブランドのみ。
その中で『ディフェンダー』といえば、プレミアムSUVならではのラグジュアリー化を進めつつ「本格的4×4性能」を研ぎ澄ませることで、「不可能を可能にする」としたブランド。その信条は「タフネスと冒険志向」、そして「自然への尊崇と共生」でもあると解釈している。
今回のライフスタイル体験イベント『DESTINATION DEFENDER 2025』を、静岡県伊東市の大室山山麓の豊かな自然に囲まれたこの地で開催するのは、ブランドにとってまさに必然ということになる。そう言えば昨年、ランドローバーは長野県の御代田町(みよたまち)で『DESTINATION DEFENDER POP-UP IN KARUIZAWA』を開催し、好評を得ている。その意思を受け継ぎながら今回も「ディフェンダーの世界観」を体感できる各種の試乗プログラム、ワークショップ、自然の中の開放的なステージでのライブやトークショーなど、多彩なアクティビティを用意。
さらに現行モデルを導入した2019年以降で初のマイナーチェンジとなる2026年モデルの『ディフェンダー』を場内に展示。内外装や機能装備をアップグレードして魅力を大幅に向上させた最新モデルにも出会える。同時に2026年にアフリカを舞台にして開催される「DEFENDER TROPHY」を記念した特別仕様車「DEFENDER TROPHY EDITION」も参考展示。ありきたりの表現になるがまさに盛りだくさんのイベントとなる。
初日(DAY1)の11月15日(土)、幹線道から一歩入った会場は木々に囲まれたアウトドア型リゾートであり、印象は“森そのもの”。舗装エリアは必要最小限に留められ、イベントの中心は森、草地、そして土路面といった自然を可能な限り活かした造り。一見した限りでは「爽快なオフロードパーク」と言った趣だ。
受付を済ませ、入場ゲート(無料)を抜けると、建物のエリアの前にはホワイトやガンメタルグレーのボディカラーを纏った新型の『DEFENDER』が来場者を出迎えてくれる。その奥にはオフロードコース、ワークショップテント、ライブステージ、そして夜には焚き火が灯るリラックスエリアへと繋がっている。
さぁ、いよいよ2日間の冒険が始まる。まずは森の中を走る「FOREST TEST DRIVE」へ。『ディフェンダー』のオーナーにとってもっとも気になるエリアかもしれない。そこはアップダウン、狭路、石混じり路面、普段はあまり経験することのない本格的なオフロード。その非日常を自分の愛車と同じ車両で、真の実力を感じながら走れるのだから、関心が高いのも当然だ。ドライバーだけ、そしてカップルや家族連れが林道試乗へと次々と足を運んでいる。


『ディフェンダー』の実力の片鱗を悪路で体験すると、次に気になるのが「ツインテラポッド」。これは金属製の急坂路をインストラクターが運転する『ディフェンダー』に同乗して体験。上り、そし坂の頂点を過ぎてから下っていくという、まさにスペシャルアトラクションだ。その最大傾斜は43度、スロープの高さは5m級。上るときには「空しか見えない」と悲鳴が上がり、下るときは「地面に突き刺さるようだ」と顔が引きつる。


急坂路での安定感のある走りを体験した後は、自らがステアリングを握って試せる「MINI TERRAPOD &スライドスロープ」が待ち構えている。モーグルや斜めスロープへ挑戦。

アプローチ角やトルセン式センターデフやブレーキ制御など、普段は体感しづらい「本気」が体感できる。こうした非日常的な体験コーナーにはひっきりなしに人々がやってくる。
「ツインテラポッド」ではオーナーや『ディフェンダー』に感心のある人たち向けての“スペシャルステージ”と言っていいコンテンツだ。
一方で子供たちや同行したファミリー向けのアクティビティも充実。ディフェンダーの電動ミニカーをドライブできる『DEFENDERミニカーライド』やミニボルダリングは子供たちの歓声で溢れていた。また真鍮のメタルプレートやカッティングボードなどで「DEFENDER」オリジナルグッズがつくれるワークショップなど、来場者の誰もが楽しめる様々なコンテンツを用意されている。



そんなアクティビティやコンテンツを楽しむ間に、会場内の特設ステージでは『ディフェンダー』とともに楽しむアウトドアライフを発信しているYouTuber「FRENCHIE OUTDOOR」さんによるトークショーや、「シェフWachi(和地)」さんのLiveクッキングショー、焚き火サプライヤーの松永 裕詳さんによる火起こしの実践レクチャーなどが次々に展開され、来場者は飽きることはない。



そして日が落ちるとその特設ステージではアーティストによるライブが行われた。初日の11月15日(土)には映画「ブルーピリオド」の劇中歌を担当し、さまざまな分野のクリエイターから注目を集めるシンガーソングライターの「荒谷翔大」さんが出演。木々の間を抜ける歌声と、焚き火に灯された会場は一気にアウトドアフェスのムードへと変わっていく。翌16日(日)にはシンガー、ベーシスト、ソングライターとして活躍し、さかいゆうやSexy Zoneなど、様々なアーティストの作品に参加し、ジャンルを超えて活動の場を広げている「おかもとえみ」さんが、ライブパフォーマンスを披露。落ち着きある柔らかな歌声が来場者の心を優しく包み込んでいく。単なる車のイベントではなく“体験フェス”とも言える雰囲気が溢れる。


そんな優しいイベントの空気感に包まれながら帰路についた。『DESTINATION DEFENDER 2025』、そこには車を試乗するだけでは決して伝わらない『ディフェンダー』の“ストーリー性”や“ブランドの本質”を感じる体験が詰まった2日間だった。


AUTHOR
男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行う自動車ライター。著書「クルマ界歴史の証人」(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。
STAFF
Photos: Atsushi Sato, Atsuyuki Kamiyama
Writer: Atsushi Sato
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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