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今年13回目となる「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」は、京都市内に会場が点在するユニークな街ぐるみのアートイベント。今回のテーマは「HUMANITY」。混沌とした世界情勢の中、危機を乗り越える力や愛の力、共感力を考えさせられる作品が展示されている。歩いて、見て、感じて、考える、春の京都のもうひとつの過ごし方。
京都市内14の会場で14のプログラムが展開されている「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」。
まずは、烏丸御池からほど近い「インフォメーション町家」(会場番号i、1、2=八竹庵)へ。チケットやグッズ、書籍などが販売されていて、まずはここを起点にして会場をまわる。昔ながらの京町家が残っていて、歩いているだけでも京都らしい空気感で和めるエリアだ。
「八竹庵」(旧川崎家住宅)では、アメリカ人の写真家アダム・ルハナの作品が展示されている。パレスチナの知られざる日常がリアルに捉えられていて、真実について考えさせられる。
https://www.kyotographie.jp/programs/2025/adam-rouhana/
土田ヒロミらの作品が展示された「リトル・ボーイ」展も開催している。
https://www.kyotographie.jp/programs/2025/little-boy/
次に向かったのは、「くろちく万蔵ビル」(会場番号3)。ここでは甲斐啓二郎が撮影した群馬のはだか祭や愛知の鳥羽の火祭りなど、躍動感ある写真に圧倒される。
https://www.kyotographie.jp/programs/2025/keijiro-kai/
室町通にある「誉田屋源兵衛 竹院の間」(会場番号4)では、沖縄を代表する写真家・石川真生による沖縄愛と人間愛に満ちた作品が並ぶ。沖縄の原種系ハイビスカス・アカバナをタイトルにし、その花のような女性をはじめ沖縄に生きる人々を活写している。
https://www.kyotographie.jp/programs/2025/mao-ishikawa/
次に、「京都文化博物館 別館」(会場番号5)へ。ここでは、インドのアーティスト、プシュパマラ・Nの匂い立つような濃厚な作品が展示されている。ポルトガルの探検家ヴァスコ・ダ・ガマとインド南西部カリカットの王を体現したり、独特の視点で描かれた作品群にはオリエンタリズムの強さを感じさせられる。
https://www.kyotographie.jp/programs/2025/pushpamala-n/
この京都文化博物館では、KYOTOGRAPHIEとは別に通常展なども開催されているので、世界観は全く違うがついでに見ていくこともできる(5月11日まで「新指定 国宝・重要文化財」が開催中)。
そして、観光客で賑わう河原町三条のそば、高瀬川が流れる木屋町通り沿いにある「TIME’S」(会場番号10・11)では、マーティン・パーの作品が非常に興味深い。観光を現象として捉えた写真は、我々日本人が気づかないような視点で観光地のリアルな瞬間を切り取っている。
今回の開催に合わせて、マーティン・パー本人が早めに京都入りして撮影した市内観光名所での写真が、軽快な音楽と共にスライドショー形式で上映されていて、こちらも必見。
オーバーツーリズムなどといわれるが、日本が直面している観光問題について、少し考えるきっかけになるかもしれない。
https://www.kyotographie.jp/programs/2025/martin-parr-1/
同じ「TIME’S」内では、2024年Ruinart Japan Awardを受賞した𠮷田多麻希の作品「土を継ぐ」も展示されている(会場番号11)。
https://www.kyotographie.jp/programs/2025/tamaki-yoshida/
そのまま南下して祇園エリアへ足を向ける。南座のすぐ近くにある「ASPHODEL」(会場番号14A)で展示されているのは、コートジボワールのアーティスト、レティシア・キイの「LOVE&JUSTICE」。
これはかなり衝撃的だった。自らの毛髪を使った写真作品はカジュアルでポップにも見えるが、そこで訴えているのは切実な現実だ。自分が置かれた状況だけでなく、世界が直面している様々な問題に対してメッセージを投げかけている。生きる力をもっているなら、どう生きるかを問われているような気がした。
https://www.kyotographie.jp/programs/2025/laetitia-ky-1/
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」のメイン会場は、赤いカラーが目印だが、それ以外に黄色が目印の「KG+」も京都市内に120も点在。サテライトイベントとして、300人以上のアーティストによる150もの展覧会が開催されている。会場はカフェや寺社仏閣、屋外など様々。歩いていると黄色い旗が目につき、中をのぞくとまた違った作品に出会え、地域との交流にもつながる。
https://kgplus.kyotographie.jp/
ちなみに、昨年末、AdvancedTimeのイベントを開催したKarimoku Commons Kyotoも「KG+」の会場になっていた。
新緑の京都へ旅行される方は、ぜひ「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」にも足を運んでいただきたい。
会期:2023年4月12日(土)~5月11日(日)
会場:京都市内各所
STAFF
Photo & Writer: Indy Fujita
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余計なのもを削ぎ落として、シンプルに、自然体で生きるって、いいなぁとしみじみ思います