AdvancedClub 好評に終わった京都・町家エリアでの「長く愛せる家具と季節を感じるデザート」イベントをレポート!
シェリーオークシリーズ、ダブルカスクシリーズ、共に、アメリカンオーク製の樽とヨーロピアンオーク製の樽が用いられている。同じ12年の熟成を経たウイスキーのサンプルを見せながら、Gaku氏が『ザ・マッカラン』の樽へのこだわりを説明してくれた。
アメリカンオークは約70年、ヨーロピアンオークは約100年で伐採され、樽へと加工される。ヨーロピアンオークは、スペインとフランスの国境に連なるピレネー山脈にある、マッカランが所有している森から切り出される。以前はスパニッシュオークと呼んでいたが、国をまたいでいるため、ヨーロピアンオークと呼ぶようになったそうだ。産出地は変わっていないという。
アメリカンオークもヨーロピアンオークも、全て、スペインのへレス地方にあるマッカランの樽工房に運ばれる。木材のフレーバーを引き出すために、樽の内部を熱処理する際、チャーではなくトーストを施すのが、マッカランのこだわりだ。
樽に一旦、シェリー酒を詰めることで、風味付けをしていく。以前はオロロソシェリー酒を用いていたが、現在は、エドリントングループが保有するシェリーメーカーにマッカランが特注したシェリー酒を用いているという。シェリー酒を詰める期間は1年半から2年。樽が完成するまでに、樹を伐採してから5~6年かかっているという。
「『ザ・マッカラン』は、どんぐりの段階から樽に使われる木材を管理し、ボトリングされるまでに636個のチェック項目があります」と聞くと、参加者から感嘆の声がもれた。
インタラクティブなセミナーで、質疑応答も活発になされた。
「『ザ・マッカラン』といえばゴールデンプロミスという麦の品種を用いていたことが有名ですが、今も使っているのでしょうか?」という質問を受けると、「現在は、温暖化の影響を受け、ロリエッタとディアボロという品種を使っています。暑い気候でも、枯れない品種です」と答え、ゴールデンプロミスとロリエッタの麦が登場。参加者から拍手がおきた。「香りを嗅ぎ比べても、違いは分からないと思いますよ」というGaku氏の言葉に、真剣に香りを嗅ぐ参加者の姿が目立った。
いよいよ、お待ちかねの『ザ・マッカラン エム ブラック』をテイスティング。世界的にも希少なボトルということもあり、約20名の参加者も、皆、初めて飲むという。
『ザ・マッカラン』からリリースされているピートフレーバーのボトルは、『ザ・マッカラン エム ブラック』と一部の免税店限定で販売されている『ザ・マッカラン レアカスク ブラック』の2種類だけだ。『ザ・マッカラン エム ブラック』には、ピートの原酒がブレンドされており、『ザ・マッカラン レアカスク ブラック』は、ピートの原酒を熟成していた樽で熟成した、ノンピートの原酒を用いている。
1940~50年頃は、戦争の影響もあり木炭がなく、マッカラン蒸溜所でもピートで乾燥させた大麦麦芽を用いていたのだ。現在は、一切、ピートで乾燥させた大麦麦芽での仕込みはしていないので、ピートフレーバーのボトルは、とても希少なのである。
香りはラズベリーのような上品な甘さが印象的で、ほとんどピートを感じない。テクスチャーはうっとりするほどシルキーで、喉を過ぎたあたりでフワッとピートのフレーバーが広がった。そして、繊細な甘さと、ドライなスモーキーフレーバーの余韻が続き、幻想的な景色に包まれた。およそ80年前に蒸溜されたウイスキーを飲むという貴重な体験。困難な時も続けることの意味を、教えてくれた気がした。
「ストーリーと共に味わうことで、より特別な体験にして欲しい」とGaku氏。あくなきこだわりが生むストーリーがあるからこそ、『ザ・マッカラン』は、200年間、愛され続けてきたのだろう。
『ザ・マッカラン』200周年を記念して、タイムトラベルをテーマにした『TIME : SPACE』と『TIME : SPACE Mastery』の2種類の限定ボトルをリリース。『TIME : SPACE』は200本限定で、日本での販売はないが、『TIME : SPACE Mastery』は、2025年、日本でも限定発売の予定だという。ヨーロピアンオークのシェリー樽、アメリカンオークのシェリー樽、アメリカンオークのバーボン樽、 そしてリフィル樽といった14種類の樽を用いている。ケースには、折り紙からインスピレーションを得たという200本の棘が。植物の種子や花、果実が棘から守られているように、棘は自然界では大事な命を守るものとして機能している。棘をモチーフにすることによって、『ザ・マッカラン』が大切に育まれれてきたこと、『ザ・マッカラン』を育む自然を守っていく、未来に向けた決意を表しているのだ。200年の歴史と未来への願いが詰まった希少なボトルは、海外では約25万円で発売されているという。2025年が、201年目の『ザ・マッカラン』が、楽しみになる一本だ。
AUTHOR
慶應義塾大学を卒業後、アパレルのラグジュアリーブランドに総合職として入社。『東京カレンダーweb』にてライター・デビュー。エッセイスト&オーナーバーマンの島地勝彦氏に師事し、ウイスキーに魅了される。蒸留所の立ち上げに参画した経験と、ウイスキープロフェッショナルの資格を活かし、業界専門誌などに執筆する他、日本で唯一の蒸留酒の品評会・東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)の審査員も務める。
STAFF
Writer: Arisa Magoshi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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