（2ページ目）佐賀・嬉野温泉のラグジュアリーな湯宿「嬉野八十八（やどや）」に滞在し、西九州の魅力を知る

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食のコンセプトは嬉野から「半径88キロ」

ディナーは、母屋2階の料理屋「折摘」にて。客室ごとに個室、あるいは、半個室を利用するため、プライベートな雰囲気のなか、ゆっくりと食事ができる。

料理長の小原孝文さんが、宿の開業まで1年かけて自ら生産者を訪れ、厳選した海の幸、山の幸を使った創作料理を会席スタイルで。主役は嬉野を中心に半径88キロの土地で育まれた食材。伺えば、壱岐、天草、五島列島、日田など、半径88キロ圏内は、山海の幸に恵まれたエリアだ。

レストランの入り口で半径88キロの地図の画像 — レストランの入り口で半径88キロの地図がお出迎え。

玄海灘と有明海に囲まれた西九州の豊かな自然の中で育まれた、佐賀牛、竹崎のこはだ、呼子のイカなどの食材、そして、佐賀・長崎の新鮮で旬を楽しめる野菜や果物の数々。メインを含む3品は好みのものを選べる、プリフィックススタイルの会席料理でいただける。

ディナーは前肴から始まる10品前後。取材時の夏のコースメニューから数品を紹介しよう。

前肴は、「式部草雲丹長芋寄せ梅香ゼリー」、「鱧の子玉〆茄子スープ柚子」、「竹崎こはだ寿司　有明一番摘み海苔」、「佐賀牛しぐれ煮実山椒」、「いちじくと夏野菜の白和え、鮎一汐焼き南京カステラ」など、夏らしさを感じさせる８品が一堂に。

品書きと料理を対照しながら、88キロ圏内の旬の味覚を味わう楽しみ。一緒にオーダーした佐賀の地酒やワインも進む。

「強肴」（メイン）は3種の中から、「熊本産赤牛せいろ蒸し」をセレクト。赤牛の適度な脂と肉の旨みを堪能した。締めの食事は「とうもろこしとヒオウギ貝の御飯」。当地ならではの夏の味わいを満喫した。

そして、コースを通して、肥前吉田焼や有田焼、伊万里焼といった食事を彩る器も目を楽しませてくれた。

アフターディナーはバーへ。お茶カクテルで癒しの仕上げ

母屋から八十八別邸へと続く渡り廊下の先にあるのが、バー「茶壷」。カウンターの先にライトアップされた「水庭」を眺めながら、お茶カクテルを味わうというお愉しみだ。

バーの内装には、かつてこの地にあった大村藩の別邸の建材や建具などがリユースされている。

シグネチャーカクテルは「嬉風～うれしかぜ～」。「きたの茶園」の八十八夜摘みの一番茶を、田中製茶工場の代表が杜氏を担う（!）嬉野の日本酒「虎之児」で抽出。宿の名にある「八十八」を合わせると、「米」という漢字になることにちなみ、ライスミルクシロップで甘みを補い、山椒の香りで味わいを引き締めたシグネチャーカクテル。