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父の日にウイスキーを贈りたいけれど、どれを選んで良いか分からない─そう思っている方も多いのではないだろうか。6月16日の父の日に向けて、ウイスキーの王道であるスコッチウイスキー、90年代の憧れのお酒・バーボンウイスキー、そして、今、大注目のジャパニーズウイスキーから、それぞれ1本ずつご紹介する。ウイスキーは時が育むお酒。悠久の時を経たウイスキーが、きっと、親子の、家族の絆を深めてくれるはずだ──。
自分の好みを考えて選んでくれたんだな…と感じるギフトは、もらうと嬉しいもの。ゴルフ好きな方へは、全英オープンゴルフ唯一の公式ウイスキーでもある『ロッホローモンド』から、マスターブレンダーのマイケル・ヘンリー氏とロッホローモンドのウイスキーアンバサダーを務めるコリン・モンゴメリー氏が、2024年の全英オープンゴルフを記念して共同で造った『ロッホローモンド 全英オープンゴルフ2024 スペシャルエディション』がおすすめだ。
マイケル・ヘンリー氏は、著名なウイスキー生産者を数多く輩出する名門ヘリオットワット大学出身。ヘリオットワット大学へは、日本の大手ウイスキーメーカーも何人も留学生をおくっている。
コリン・モンゴメリー氏は、ゴルフ好きな方なら知らない人はいないスター選手。1993年から1999年まで7年連続でヨーロピアンツアーの賞金ランキング1位という偉大な記録をもち、2013年に世界ゴルフ殿堂にも選出されている。そして、ロッホローモンド蒸留所近郊のスコットランド・グラスゴー出身というルーツもある。
2024年の限定品は、一度、熟成したウイスキーを、フランス産シャルドネワインを払い出した樽に詰め、更に8ヶ月の熟成を行っている。これは、蒸留所内に自社製樽工場を持つ、ロッホローモンド蒸留所の強みを活かした製法といえよう。現在、スコットランドでは150弱の蒸留所が稼働しているが、製樽工場を持つのは4カ所のみ。自社で樽を補修できる技術があるからこそ、様々な種類の樽を用い、最適な状態で熟成することが可能になるのだ。
ロッホローモンドのフレーバーの特徴は、フルーツ、ハチミツのような甘み、ソフトスモーク。そこから、シャルドネワイン樽で綺麗にドレスアップしたウイスキーは、レモンのような柑橘系の香りをまとい、初夏に飲むのにピッタリだ。味わいはフレッシュな桃、洋梨、花のハチミツを感じさせ、トロりとしたテクスチャーも相まって、まるで果樹園にいるかのよう。余韻にはシナモンのスパイスとソフトスモークが続く。
『THE OPEN』と『LOCH LOMOND』のロゴが入ったグラスが2脚セットになった限定品。今年も7月に開かれる全英オープンゴルフでは、中継を見ながら、一緒にグラスを傾けてみてはいかがだろうか。
1990年代、ハリウッド映画や日本のテレビドラマで俳優たちがバーボンを飲む姿に憧れていた方も多いのではないだろうか。そんな1990年代に“いつかは飲みたい憧れのお酒”の代表銘柄でもあった『ワイルドターキー 12年』が、2022年、約10年ぶりに復活した。
ワイルドターキーは、アメリカのケンタッキー州で1869年に始まった蒸留所をルーツに持つ。1954年には、3代目のマスター・ディスティラーとなるジミー・ラッセルが入社。ジミーは蒸留所の床磨きからキャリアをスタートし、2000年にケンタッキー・バーボンの初代殿堂入りを果たした。
1981年には、父・ジミーの真摯なウイスキー造りに薫陶を受けたエディー・ラッセルが入社。父と同じく下働きから経験を積み、2010年にケンタッキー・バーボンの殿堂入り、2015年に4代目マスター・ディスティラーに就任した。親子でバーボンウイスキーのマスター・ディスティラーを現役で務めるのは、ワイルドターキーだけである。
ラッセル親子は、味の好みは異なるものの、品質においては妥協を許さないという共通の信念で、ワイルドターキーのハウススタイルを守り続けてきた。『ワイルドターキー 12年』は、そんな親子2代のマスター・ディスティラーによって、蘇ったのである。
ケンタッキー州のローレンスバーグの丘の上に建つ熟成庫は、年間の寒暖の差が30度を超えるため、樽の木材が伸縮し、ウイスキーの熟成が急激に進む。10年経つと、樽の中のウイスキーは半分以下になっているという。12年の熟成を経た『ワイルドターキー 12年』が、いかに貴重なウイスキーかがお分かり頂けるだろう。
ギフトボックスは、熟成樽がモチーフ。内側は熟成樽内部の凹凸を模しており、木材の手触りを楽しめる。樽の内側をアリゲーターの表皮のように凹凸ができるまで強く焦がし、蒸留したてのアルコールを詰めて熟成することによって、ワイルドターキーの特徴であるバニラとキャラメルの香りが引き出されるのである。
アルコール度数は、ワイルドターキーこだわりの101プルーフ(日本表記では50.5%)。ボトリング時の加水を最小限に留めているため、ワイルドターキー特有の濃厚なフレーバーを味わえる。ロックでゆっくりと飲んでもヘタれず、シトラスやハーブから、スパイシーさやキャラメルキャンディのような甘い余韻まで、味の展開が楽しめる。
普段よりも少し贅沢なウイスキー。バーボン好きな方なら、きっと喜んでくれるだろう。
ここ数年、世界中から注目されているジャパニーズウイスキーにも、父と子の結晶と謂えるボトルがある。ベンチャーウイスキーが発売する『イチローズモルト ダブルディスティラリーズ』だ。ミズナラの葉をモチーフにしたラベルが印象的で、通称“リーフシリーズ”と呼ばれる3部作のうちの1つである。緑・金・赤、葉をモチーフにしたラベルが3色並んでいる様子を、バーで見たことのある方も多いのではないだろうか。
“ダブルディスティラリーズ”と謳っているように、このボトルは、ベンチャーウイスキーの社長を務める肥土伊知郎氏が2008年に稼働させた“秩父蒸溜所”と、肥土氏の父が1983年に稼働させ2000年に惜しまれつつも閉鎖した“羽生蒸溜所”、2つの蒸留所のウイスキーをブレンドして造られている。
2000年前後、ウイスキーは冬の時代といわれ、国内の出荷量はピーク時である1983年の1/3ほどに落ち込んでいた。羽生蒸溜所も業績の悪化から会社を事業譲渡することになり、譲渡先の方針で400樽ほどあった熟成中の樽も廃棄することに。中には、20年近く熟成されたウイスキーもあり、保管先を探して肥土氏は奔走。福島県の笹の川酒造が、保管を快諾してくれたのだった。
こうして救われたウイスキーを発売するため、2004年にベンチャーウイスキーを創業。父のウイスキーをリリースするだけでなく、自らもウイスキーを造り、未來に引き継ぎたいとの想いで、2008年2月、秩父蒸溜所を稼働させた。日本でのウイスキーの蒸留免許の交付は、実に35年ぶり。幾多もの困難を、肥土氏の信念と、応援してくれる仲間たちの協力で乗り越えてのことだった。
そうして稼働した秩父蒸溜所のウイスキーと、父がのこした羽生蒸溜所のウイスキーをブレンドして生まれたのが『イチローズモルト ダブルディスティラリーズ』。発売から10年以上経ち、秩父蒸溜所と羽生蒸溜所のブレンド比率は逆転したという。それでも、変わらぬ美味しさがあると、世界中のウイスキー愛好家から熱狂的な支持を集めるボトルだ。父のレガシーを、肥土氏は見事に昇華したといえよう。
少しづつ加水して飲むと、熟成を重ねた秩父蒸溜所特有の桃や蜂蜜のようなフレーバーと、羽生蒸溜所ならではの重みのある甘さが感じ取れるだろう。2つの蒸留所のフレーバーがほどけていくさまは、まるで、どんな親子にもあるわだかまりが解けていくようだ。
Heiando Bar(平安堂Bar)
宮内庁御用達の漆器店・山田平安堂が営む、漆塗りのカウンターが印象的なバー
東京都港区六本木4-10-5-2F
営業時間:月曜日~土曜日 17:00~25:00(最終入店は24:00)
定休日:日曜日・祝日
料金:チャージ 1,000円/1人、ウイスキー 1,500円~、カクテル 1,500円~(税・サ込)
03-6804-6388
https://www.heiando.com/sp/bar.htm
●掲載商品の価格はすべて、税込み価格です。
AUTHOR
慶應義塾大学を卒業後、アパレルのラグジュアリーブランドに総合職として入社。『東京カレンダーweb』にてライター・デビュー。エッセイスト&オーナーバーマンの島地勝彦氏に師事し、ウイスキーに魅了される。蒸留所の立ち上げに参画した経験と、ウイスキープロフェッショナルの資格を活かし、業界専門誌などに執筆する他、日本で唯一の蒸留酒の品評会・東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)の審査員も務める。
STAFF
Photos: AI Tanaka
Writer: Arisa Magoshi
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