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週刊プレイボーイの元編集長であり、現在はエッセイスト&オーナーバーマンの島地勝彦が語る『お洒落極道』。第12回は人気漫画の『ONE PIECE』とコラボした時計を取り上げます。漫画・アニメにはとんと疎い島地さんですが、浅からぬ縁で現在も深く繋がっていました。
オーセンティックバー、サロン・ド・シマジでは、数々の銘酒を取り揃えている。その中でも出色なのが、漫画をラベリングしたウイスキーシリーズだ。これまで北斗の拳やキン肉マンをラベルにし、中身はカリラ15年やアラン25年の本格スコッチウイスキーで、一杯3500円程度、良いものだと6500円で提供してきた。これはシマジが集英社にいたから面白がって仕入れているのもあるが、バーの大きな売りとなっている。
実はシマジは、幼少の頃から活字中毒で、小学4年生の頃、夢中になった漫画は、当時あった『冒険王』の福井栄一「いがくりくん」、『少年』の手塚治「鉄腕アトム」に夢中になったことがあったが、その後、漫画の世界はご無沙汰だった。
しかし運命というものは残酷なもので、集英社時代に漫画の総本山というべきジャンプグループの担当役員を拝命した。就任の挨拶で、「シマジは漫画が皆目ド素人であるから、この机の前に置いてある段ボールのなかに諸君が担当して作った自慢のコミックスに一枚名刺を挟んで入れてください。必ず読んで1人ひとりの編集者と食事をします。そのときシマジに漫画の真髄を教えてください」と語ったものである。
そのとき『少年ジャンプ』は600万部を誇っていた時代であった。シマジがまだ52,3歳のころで、残念ながら「ワンピース」も「呪術廻戦」の連載はまだはじまっていなかった。人気漫画「北斗の拳」はあったような記憶がある。
こうした縁から、バーでは漫画のキャラクターをラベルにしたウイスキーが大人気で、ボトルは抽選でしか買えない。これは小学館の編集者だったウイスキー研究家の山岡秀雄さんの企画で、集英社、小学館の人気漫画のキャラクターをラベルに使っている。もう漫画文化はとっくに子供の世界を超越して大人の文化へを昇華したのである。サロン・ド・シマジのバーのカウンターに漫画ラベルのウイスキーが所狭しと沢山並んでいる。
ウイスキーラベルのようなキャラクタービジネスは、漫画の大きな収益源になっていて、今回取り上げるセイコーの時計も同様だ。ジャンプの看板漫画でアニメ作品の『ONE PIECE』の麦わら海賊団のモンキー・D・ルフィをモチーフにしたモデルである。キャラクタービジネスは、往々にして漫画キャラクターを前面に打ち出すアイテムが多いが、この時計はわかる人にしかわからないようになっていて。逆にマニア心をくすぐるものだ。
『ONE PIECE』は物語のクライマックスに差し掛かっていて、この時計は主人公のルフィがさらなる進化を遂げた“ギア5”を文字盤のディテールに施したという。文字盤には型打ちが施され、繊細な凹凸が表現されている。これはグランドセイコーで自然の情景を表現するために使われる技法で、セイコーの本気度が伝ってくるのである。それでいて、縦3つ目のクロノグラフのインダイヤルには、「D」の一族を意味するDの文字、ルフィをゴム人間にしてしまった悪魔の実のモチーフの柄、そしてルフィの能力が覚醒した“ギア5”のシルエットがデザインされている。3時位置には麦わらの一味のドクロマークも備わっている。物語の重要なポイントが、時計デザインと違和感なく馴染んで、力強さを表現しているのである。
時計業界ではコラボモデルは多く企画されていて、自動車メーカーをはじめ、スポーツ選手やアーティストの名を冠した時計をよく見かける。しかし本格的な時計で漫画・アニメとコラボレーションしたのは、数年前に同じくワンピースとタグ・ホイヤーや、オーデマ・ピゲとマーベルのスパイダーマンくらいか。まだまだ少ないので、どんどん発表してもらいたいものである。
ウイスキーでも今後ワンピースラベルが登場するかもしれない。ルフィにゾロにチョッパーをラベルにしたウイスキーがカウンターに並べば、壮観であろう。もしそのとき、お客様がセイコーのワンピースモデルをしていたら、一杯ご馳走してあげたいと思う。
大人気アニメ『ONE PIECE』とセイコーがコラボして、ルフィの新形態“ギア5”登場を記念した限定モデル。ルフィの姿を入れるのではなく、随所に“ギア5”のルフィを示すディテールがさりげなく入っていて、デイリーシーンでも使いやすい。通常のセイコーのモデルでは、3時位置にデイト表示の小窓が入るが、金色の麦わらの一味のドクロマークが配置されている。クォーツ。ステンレススティールケース。ケース径47.2mm。¥54,780。限定5000本。
販売はPREMICO オンラインショップ:https://iei.jp/premico/にて。
大学卒業後、集英社に入社。「週刊プレイボーイ」編集部に配属され、1982年には同誌の編集長に就任し、100万部の雑誌へと育て上げた。その後「PLAYBOY」「Bart」の編集長を務める。柴田錬三郎、今東光、開高健、瀬戸内寂聴、塩野七生をはじめとした錚々たる作家たちと仕事を重ねてきた。「お洒落極道」「お洒落極道 最終編」(小学館)など著書多数。現在は西麻布にあるサロン・ド・シマジにて、バーカウンターの前に立つ。
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