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世界的ピアニスト反田恭平。今回、彼がアンバサダーを務めるBMW Japan主催のコンサートを前に、さまざまな角度から音楽について語ってもらった。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、通常よりも1年長い6年の間隔で、2021年にポーランド・ワルシャワにて開催された第18回ショパン国際ピアノコンクール。日本人の出場者が多彩で、オンライン配信の視聴が定着したこともあり、日本国内でも大きな注目を集めた。同コンクールで、日本人として歴代最高位である2位入賞を果たしたのが、反田恭平氏。彼はピアニストであると同時に、気鋭の楽団「ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)」を率いる指揮者であり、さらに社長も務めている。
JNOは、2018年に反田氏が声がけして8名の若手演奏家が集まり結成した「MLMダブル・カルテット」がその端緒。2019年には管楽器を加えたMLMナショナル管弦楽団に発展し、2021年に現在の名に改称した。さらに同年、ジャパン・ナショナル・オーケストラ株式会社が、反田氏が代表を務めるNEXUSとDMG森精機の共同出資により設立され、反田氏が社長に就任したのだった。同社は現在反田氏のほか19名のソリストを擁し、奈良を拠点に活動している。行動制限が緩和した2022年11月には反田氏のプロデュースでJNOは各地で公演を行い、成功を収めた。そして2023年の2月から3月にかけ、再び彼はそのJNOを率いて、大規模な全国ツアーを行った。
2022年のツアーでは、ベートーヴェンとモーツァルトという古典派の演目だったが、今年のツアーでは、ショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」とマーラー「交響曲第1番『巨人』」の室内楽版が選ばれていた。反田氏のロシア時代の師、モスクワ音楽院のミハイル・ヴォスクレセンスキー氏は、ショスタコーヴィチとも知己だった人物である。さらに以前あるインタビューにおいて反田氏は、彼が現在ヨーロッパでの拠点としているウィーンにて活躍する指揮者・佐渡裕氏と、「ともにマーラーをやりたい」と話してもいた。いずれも彼にとって、強い縁を感じさせる作曲家だったようだ。
そんなJNO全国ツアーも中盤に差し掛かった2月、東京・サントリーホールの大ホールにて、反田氏がアンバサダーを務めるBMW Japan主催の公演が行われた。ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番は反田氏の弾き振り、そしてマーラーの『巨人』はゲストである佐渡裕氏がタクトを振った。それは若き音楽家たちの演奏の新鮮さと、円熟した指揮者の技、双方を味わえる贅沢な機会だった。そんなスペシャルなコンサートを前に、反田氏に話を聞く機会を得た。
反田恭平(以下、反田):ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲は、いずれ演りたいとは思っていました。ショスタコーヴィチのコンチェルトは、ベートーヴェンやモーツァルトのそれとは全く違って、各演奏者の瞬発力であったり、センスのようなものがより重要になってくるので、優秀なメンバーが揃っている状態じゃないと難しい。そして(いまの)我々だったらできるだろう、ということで選曲を決断しました。あと、弦楽5部(第1&第2ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの編成)で演奏回数を重ねることで、チームアンサンブル感を出していけるのではと思いました。
(ショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」は)20分強のわりと短い曲なので、後半には長いプログラムをもってくるのがセオリーだと思います。ショパンコンクールの後から僕はウィーンで(指揮の)勉強をしていて、ウィーンに所縁のある作曲家をと思い、その一人がマーラーでした。僕の指揮の先生が生前マーラーについて口すっぱく言っていたことに関して記憶を辿ってみたり、ビデオに撮っていたレッスンを見返したり、録音を聴き返したりして今回のツアーに臨んでいます。室内楽版というのは独特で、通常はホルン7本のところを2人で演奏します。そして(通常のオーケストラの)半分以下の編成なので、ホルンが他の楽器のパートをやったり、オーボエがトランペットのところを演奏したりしています。非常に面白い企画で、やってよかったですね。
STAFF
Writer: Yukihiro Sugawara
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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