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ジュネーブで開催されたウォッチズ&ワンダーズ。そこでは新作時計が数多く発表された。AdvancedTimeではブランドごとではなく、今年のトレンドを掴みやすいように、テーマごとにご紹介。まずは一番最初に目に付くダイヤルカラーからだ。
昨年はグリーンカラーのダイヤルが爆発的に増えて、グリーンがビッグトレンドとなった年であった。今年はメインモデルをグリーンダイヤルにするブランドがあるなどすっかり定着した印象だ。
ウォッチズ&ワンダーズを巡っていて、グリーンに続く存在感を発揮し始めたのが、サーモンピンクカラーだ。ヴィンテージウォッチではコッパーカラーといったほうがわかりやすいだろう。コッパー(copper)とは銅を意味し、赤みがかった肌馴染みの良い色合いをしている。
このサーモンピンクダイヤルは1940年代に流行したカラーリング。1950年代以降は段々と廃れてあまり見かけなくなったので、ヴィンテージウォッチの印象が強い。
近年は復刻モデルが多くのブランドで登場したり、ビンテージテイストの色褪せたダイヤルやストラップの仕上げがトレンドなので、サーモンピンクダイヤルが再注目されているようだ。
加えて、2022年にパテック フィリップが発表した永久カレンダー 5320とクロノグラフ 5172にはサーモンピンクのダイヤルカラーを配色されていたが、これがサーモンピンクを高級感のある特別な色合いであるというイメージを植え付けた。
長い歴史を持ち、復刻モデルも多く発表するヴァシュロン・コンスタンタンがサーモンピンクダイヤルを選ぶのも必然だし、ショパールのアルパインイーグルのようなラグジュアリースポーツウォッチで特別感を演出するのにこの色を選ぶのも納得だ。これからもまだまだサーモンピンクダイヤルは増えていきそうだ。
パトリモニー・レトログラード・デイ/デイト
1957年製のラウンドウォッチをモチーフに誕生した「パトリモニー」に、日付と曜日をダブルレトログラード表示にしたモデルのサーモンピンクダイヤルバージョン。レトログラードとは一方向へ運針し、終点にたどり着くと一瞬でジャンプして始点に戻る機構で、円進行する時分針とは異なるリズムがシンプルな文字盤に躍動感を与える。これまでもゴールドケースに同じ機構を搭載したことがあったが、今回はプラチナケースを採用。ヴァシュロン・コンスタンタンではサーモンピンクダイヤルがプラチナケース専用の特別な組み合わせとされる。12時位置下のブランドのシンボルであるマルタ十字も、通常はすべてポリッシュ仕上げのところ、このモデルは植字のピンクゴールド製でポリッシュとサンドブラストで仕上げを使い分け、立体感を演出する。自動巻き。プラチナケース。ケース径42.5mm。
アルパイン イーグル 41 XPS
1980年に発表されたショパール初のスポーツウォッチ「サンモリッツ」を、現代的な再解釈をして2019年に登場したのがアルパイン イーグル。鷲の瞳の虹彩をイメージした文字盤のパターンが特徴的で、ブルー、グレー、グリーンなどバリエーションを追加してきた。そして今年登場したのがサーモンピンクカラー。「モンテローザピンク」と名付けられたカラーはアルプスで2番目に高いモンテローザ連峰が夕日で染まったピンク色が由来だ。搭載されるのは、コレクション初となるマニュファクチュールムーブメントのCal.96.40-L。これにより9.7mmだったケースの厚みがわずか8mmの極薄ケースとなった。また秒針はセンターセコンドからスモールセコンドに変更。ケースはこれまでと同じリサイクル素材を使用したショパール独自のルーセントスティール™を採用している。自動巻き。ルーセントスティール™ケース。ケース径41mm。
チューダー ロイヤル 41mm
チューダーのチューダー ロイヤルは、ケースと一体型となった5連式のインテグレイテッドブレスレットと、彫りと仕上げが交互にあしらわれたノッチドベゼルが特徴。これまではブルーやシルバー、ブラックのベーシックなダイヤルカラーの展開だったが、今年はサーモンピンクやチョコレートブラウンといった個性的なカラーが追加された。サーモンピンクカラーダイヤルはサンレイ仕上げで上品な光沢を放つのが好印象だ。サイズはケース径28㎜、34mm、38mm、41mmの4展開で、41mmのモデルには12時位置に曜日表示機能が搭載されている。またインデックスはローマンインデックスとダイヤモンドインデックスの2種類を用意。つまり8種類のサーモンピンクダイヤルが登場したこととなり、強烈な存在感を残した。スポーティモデルが多いチューダーの中で、ドレス感を出せる貴重なモデルだ。頑強な316Lステンレススティールは100m防水を実現し、38時間のパワーリザーブは、普段使いにも不足はない。自動巻き。ステンレススティールケース。ケース径41mm。
STAFF
Writer: Katsumi Takahashi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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