WATCH ART GRAND EXHIBITION TOKYO 2023の見どころ

今回で6回目となるパテック フィリップの大展覧会が、東京・新宿で6月から開催される。過去最大規模となるタイムピースの来日と、ジュネーブの名所が移設されたような会場で、その世界観を存分に堪能できる仕掛けとなっている。

クリスマスツリーの画像
エキシビションを前に、昨年末、新宿住友ビル三角広場で点灯されたクリスマスツリー。

家族連れから愛好家まで楽しめる新宿三角広場 ジュネーブの街を再現

ジュネーブをイメージさせる景色の画像
広大な展示会場では、ジュネーブのシンボルといえるレマン湖に噴き上がる大噴水や直径5mにも及ぶフラワークロック(花時計)をイメージさせるしつらえで、ジュネーブの雰囲気を出す。

スイスの“時計遺産”ともいえるパテック フィリップの新旧のマスターピースが一堂に集まる《パテック フィリップ ・ウォッチアート・グランド・エキシビション》が今年6月、東京で開催される。

ジュネーブのパテック フィリップ・ミュージアムからの歴史的なタイムピースはもちろん、新作を含む現行コレクションや開催に合わせて製作されたスペシャルモデルまで、過去最大規模の約500点のタイムピースやオブジェが一堂に揃う空前絶後のイベントだ。

2015年ロンドンの画像
会場ではさまざまな趣向を凝らしたディスプレイが用意され、パテック フィリップのジュネーブ本店、ミュージアム、プラン・レ・ワットにある本社工場を訪ねたような特別な体験ができる。(写真は2015年ロンドン)

展示スペースは、希少なハンドクラフト・ルーム、ミュージアム・ルーム、マニュファクチュール・ルーム、ジュネーブ本店サロンを再現したナポレオン・ルームなど、数々のテーマに分けて構成。中でもグランド・エキシビションでは初となる「キャリバー89」などの超複雑タイムピースの特別セクションが設けられる他、ミニット・リピーターの世界を知ることができるマスター・オブ・サウンド・ルームも必見だ。また希少なハンドクラフト・ルームでは、木象嵌細工などの専門職人や時計師による実演もエキシビションのハイライトとなっている。

作業をしている画像
パテック フィリップの有資格の時計師や希少なハンドクラフトの専門職人たちが来日し、作業を実演する。特に伝統的なハンドクラフトのひとつで、何種類もの微少な木片を組み合わせる木象嵌細工の実演は必見だ。

さらに展示以外にも2500㎡を超える広大な会場を生かし、ローヌ通りの歴史的な本店の建物や、パテック フィリップ・ミュージアムも再現。まるでジュネーブの街に来たかのような演出も見どころだ。

このエキシビションは、これほど充実した内容にもかかわらず、事前予約は必要だが、入場は無料。家族連れから愛好家までぜひ足を運んでいただき、眼福のひと時を過ごしてほしい。

錚々たる顧客と時計

パテック フィリップを愛した王侯貴族、芸術家たちは枚挙に暇がない。しかも限られた人々しか時計を所有できなかったことを考えるとその支持率の高さは圧巻。歴史の長さも、それに見合う内容があってこそ意味を持つのだ。

懐中時計の画像
イタリア王国の国王、ウンベルト1世が購入したイエローゴールドの懐中時計。裏蓋のサヴォイア王家の紋章にはダイヤモンドがセットされた王冠や鳥の装飾が。
懐中時計の画像

左/1867年、ローマ教皇ピウス9世が購入した、ハーフクォーター・リピーター。裏蓋には教皇の紋章と月桂樹が七宝で描かれる。 右/米国の自動車王、ジェームズ・ウォード・パッカードはその名を冠したモデルも存在する最重要顧客のひとりだ。

最高峰の技術によるコンプリケーション

時計の画像
パテック フィリップの時計の技術革新は現在進行形だ。それを証明するのが、最先端の技術を用いて製作されたいくつもの機構を盛り込む超複雑時計。最高の技術を超えるのもまたパテック フィリップだ。

手彫金による渦巻きと唐草模様の装飾をケース全体に施し、前面の文字盤にはシャンルヴェ本七宝とクロワゾネ七宝を施した ダブルフェイスの「6002」。裏面には星座表と月の軌道が表示される。

時計の画像
チャイムウォッチ愛好家のために製作されたグランド・コンプリケーションの「5303」。表からはミニット・リピーター、裏からはトゥールビヨンの動きを鑑賞できる。裏から見えるリーフ装飾も華やか。

ハンドクラフトによる希少なるアートピース

クロワゾネ七宝や七宝細密画のような希少なハンドクラフトを駆使したタイムピースもエキシビションの見どころのひとつ。東京開催を記念した日本文化モチーフの作品が展示される予定だ。

作品の画像
これらの作品はパテック フィリップが日本文化にインスパイアされて過去に製作したタイムピース。富士山、鶴、着物のモチーフをドーム・テーブルクロックや懐中時計で表現したユニークピース。ハンドクラフトによるどんな作品が発表されるか今から楽しみだ。
お問い合わせ先
パテック フィリップ・ウォッチアート・グランド・エキシビション(東京2023)
会場:東京都新宿区西新宿 2-6-1 新宿住友ビル 三角広場
期間:2023年6月10日(土)~25日(日)
観覧料:無料予約不要

ウォッチアート事務局
0120-933-613
info@watchart2023.jp
パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター
03-3255-8109

初出:2023年4月29日発行『AdvancedTime』16号。掲載内容は原則的に初出時のものです。

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