「界 加賀」を訪れ、古き良き温泉街と加賀の伝統工芸に浸る

ご当地の“快”を味わう。温泉旅館『界』で巡る、 ニッポン湯浴み旅vol.5 PR/界

ここ数年、インバウンドや昭和ブームも後押しし、人気が高まっているのが温泉旅だ。全国に23施設を展開する星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」のなかから10か所を、その地の魅力を盛り込みながら紹介していくシリーズ。第5回目は、開湯1300年という歴史のある石川・山代温泉にある「界 加賀」へ。加賀の伝統工芸に触れ、北大路魯山人の哲学を受け継ぐ料理を味わい、迫力の加賀獅子舞を鑑賞する、加賀文化に浸る滞在となった。

TRAVEL Sep 30,2025
「界 加賀」を訪れ、古き良き温泉街と加賀の伝統工芸に浸る

およそ1300年前に高僧・行基が旅の途中で見つけたとされ、長い歴史のある石川・山代温泉。加賀温泉郷(石川県加賀市の山代、山中、片山津の3つの温泉と、小松市の粟津温泉からなる北陸の温泉郷)のなかでも、山代温泉は昔ながらの温泉文化が色濃く残る。「総湯」と呼ばれる共同浴場を中心に、温泉宿や商店が立ち並ぶ「湯の曲輪(ゆのがわ)」は、江戸時代から人々に親しまれてきた。

アクセスは東京駅から加賀温泉駅までJR北陸新幹線利用で約160分。加賀温泉駅から車で約10分で到着する。空路利用なら小松空港からクルマで約30分という場所にある。

加水なし100%源泉の「総湯」と明治時代の総湯を再現した「古総湯」という2つの共同浴場は、旅人も気軽に利用することができる。「界 加賀」は、その目の前に建つ。

明治時代の総湯を復元した共同浴場「古総湯」の画像
明治時代の総湯を復元した共同浴場「古総湯」。「界 加賀」宿泊者は無料で利用できる。
加賀藩前田家の家紋でもある梅鉢紋の暖簾がかかる「界 加賀」の画像
「界 加賀」。加賀藩前田家の家紋でもある梅鉢紋の暖簾がかかる。

「界 加賀」は、1624年に創業した老舗旅館「白銀屋(しろがねや)」の歴史を受け継いだ温泉旅館。当時の加賀藩主が逗留したという記録も残る。

正面は、細い木材を縦横に組み合わせ、ベンガラと呼ばれる赤茶色の顔料で塗った加賀地方の伝統的な建築様式「紅殻(べんがら)格子」が印象的な伝統建築棟。奥に造られた8階建ての客室棟は、伝統建築の風情にマッチするようにデザインされている。

左/鉄輪 右/「うだつ」の画像
左/江戸時代に馬の手綱を結びつけていた鉄輪もそのまま残る。 右/見事な「うだつ」も。

長屋門をくぐり、伝統建築棟のフロントホールへと向かう。

7メートルもの水引のアートが彩られた「枠の内」の画像
7メートルもの水引のアートが彩られた「枠の内」。

伝統建築棟は太い大黒柱と大きな丸太梁を、金物を一切使用せずに組み上げた、北陸地方ならではの伝統建築様式「枠の内」で造られ、冬の雪の重さにも耐えられる。今では同じ材料で再現することが難しくとても貴重な建築物。開業前の修復作業では、柱や梁を一本ずつ取り外し、丁寧に塗り直し、苦心して組み直したという。

フロントホールを含む伝統建築棟は、白銀屋時代の文政年間(1818〜30年)に建てられ、敷地内の茶室「思惟庵(しいあん)」とともに国の登録有形文化財に登録されている。

チェックインを済ませたら太鼓橋を渡り宿泊棟へ。九谷焼のタイルで加賀友禅の流れを現した中庭を眺め、茶庭を望む「トラベルライブラリー」で一服してから客室へ。

伝統工芸に彩られた客室でくつろげるのも「界 加賀」ならでは。滞在したのは、加賀友禅や水引などをあしらったご当地部屋「加賀伝統工芸の間」。テラスの露天風呂で、早速、プライベートな湯あみを楽しんだ。

ヘッドボードには加賀友禅パネルが配されているベッドの画像
ヘッドボードには加賀友禅パネルが配されている。
テラスの温泉露天風呂の画像
テラスの温泉露天風呂。

山代温泉の泉質は、硫酸塩・塩化物温泉。とろりとした弱アルカリ性の「美人の湯」は、塩分を含むため保温・保湿効果が高い。大浴場の内風呂では、九谷焼の作家が「色絵」「青手」「赤絵」「藍九谷」という伝統的な様式で四季を表したアートパネルを愛でながらの湯あみを。

アートパネルが配されている大浴場の内風呂の画像
男湯、女湯あわせて計8名の九谷焼作家が、春夏秋冬をテーマに自由な発想でデザインしたアートパネルが配されている。

露天風呂との境にある窓ガラスには、金粉と銀箔によって加賀から見上げる白山山地が描かれ、露天風呂の天井には金箔を施した「朧月」の仕掛けがあり、夜には露天風呂に浮かぶ月見を楽しめる。

露天風呂の画像
日中は開放感のある露天風呂。緑を目にしながらの湯あみを。

金継ぎ工房でサステナブルなアート体験も

敷地内には「金継ぎ工房」があり、金継ぎの技術を身につけたスタッフが、宿で使う食器の金継ぎ作業を見学することができる。

「金継ぎ工房」の画像
「金継ぎ工房」。金継ぎをした九谷焼や金継ぎに使用する道具などを展示している。

「金継ぎ」のきっかけは、九谷焼や山中漆器などの多くの器を扱うなかで、大切に扱っていてもヒビや欠けが生じてしまい、それを、すぐに破棄してしまうのは、もったいないという想いから。元蒔絵師のスタッフが金継ぎを始め、次第にスタッフの間で金継ぎの技術が広まり、欠けた器をなおして再度、使うというサイクルに。

今では「金継ぎいろは」(無料/要予約)という体験プランも実施。宿泊客も、器の欠けた部分を漆のパテで補填する「埋め」、漆で継いだ部分に金粉をまく「粉蒔き」などの一部の工程を体験できる。

今回は、「埋め」と「粉蒔き」の両方を体験した。

割れてしまった器の画像
割れてしまった器を廃棄せずに修復し、蘇らせる。
左/漆のパテを練る画像 右/欠けた部分にパテを埋め込む画像
左/漆のパテを練り、乾燥しないうちに欠けた部分に埋め込む。 右/欠けた部分にパテを埋め込むだけなのに、結構、難しい。

パテを埋め込んで乾燥させると縮むため、本来は、さらにパテを埋め込んで乾かすという工程を数回繰り返す。何日も要する作業だ。

続いて、「粉蒔き」も体験。乾いた筆の先に金属粉を含ませてパテの上に乗せ、余分な粉を掃く。これも思ったよりも難しい。

左/細筆にたっぷりと金粉を含ませる画像 右/埋め込んであるパテの上に金粉を乗せていく画像
左/細筆にたっぷりと金粉を含ませる。 右/埋め込んであるパテの上に金粉を乗せていく。
「金継ぎ」の仕上がりの画像
どうにか仕上がりました!

器のほんの数ミリから数センチを修復する体験をしただけなのに、なぜか手がけた器が愛おしくなるのが不思議だ。いつかまた、器として使われる日が待ち遠しくなった。

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夕食は海の宝を盛り込んだ会席料理

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