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毎年、スノーシーズンになるとパウダースノーを求め多くの人々で賑わう北海道・ニセコ。そのニセコエリアの一角、倶知安町花園地区にありながらも、とても静かに、自然の中に身を置いているような滞在ができるのが、「SHIGUCHI(シグチ)」だ。
北海道・新千歳空港からクルマで約2時間で到着する北海道・ニセコ。冬のスキーシーズンはもちろんのこと、豊かな自然に囲まれた魅力のある場所として知られるようになり、1年を通して世界中から人々が訪れる。
ラグジュアリーリゾートやホテルが増えているが、なかでも特別な滞在ができるのが、羊蹄山を望む、ニセコ積丹小樽海岸国定公園の美しい森の中にある「SHIGUCHI(シグチ)」。

「人と自然、アートをつなぐギャラリーステイ」をコンセプトに、2022年5月にオープン。喧騒だけでなく、高層ビルといった都会の景色とも隔絶された大自然の中に滞在できる。
到着したら、築150年ほどの古民家を移築、改装した建物「そもざ」でチェックイン。1階にはレセプションとレストラン「そもざ」があり、併設のギャラリー&ショップには地元をはじめとする国内の作家の作品や、セレクトされたアイテムが置かれている。2階には茶室もある。



「シグチ」と、この「そもざ」のオーナーは、北海道に30年以上も住んでいる、ショウヤ・グリッグさん。「シグチ」のクリエイティブディレクターで、美術写真家&アートコレクターでもある。
縄文など古代の文化から現代に至るまでの北海道の伝統工芸、日本文化の伝統建築やアートと自然とのつながりを深めることに情熱を注いでいる。
そもざを含め敷地内には移築された古民家が全部で6棟あり、5つの客室が設けられ、それぞれ「地、水、火、風、空」と名前が付けられている。いずれも、加温・加水一切なしの源泉掛け流しの露天風呂、キッチンを備える。滞在したのは「風(FU)」。
室内に足を踏み入れると、心地いい音楽が流れてきた。オーナーのショウヤさんが選曲したプレイリストというおもてなしだ。そして、現代作家の陶器、現代絵画、ショウヤさんのプライベートコレクション、自身の作品などが配され、それは季節とともに入れ替わる。
滞在中にショウヤさんとお会いし、話す機会に恵まれた。ショウヤさんは「シグチ」や「そもざ」は「自分自身が見出した日本らしさを体現する三部作のひとつ」であると話す。
第一章である「坐忘林」では、自然(林)の中で「静(座)して雑念を去り、(忘)却する」ことをテーマとし、ゲストが日常からいったん離れ、自身の内に空間をつくり、自分自身と向き合う時間を提供する。続く、第二章の「シグチ」では、自分にとって本当に大切なものとの関わりを見つめ直し、再び自然と、そして本来の自分自身とつながる(time to reconnect)ことを意図している。
「シグチ」は日本建築に用いる、匠の技を生かすジョイントの「仕口」から由来する。仕口とは、柱や梁といった部材を、釘などは使わずに、組み合わせて接合する部分や方法のこと。これを「人の出会いやつながり」ととらえて、具現化したものが「シグチ」なのである。

リビングを見上げると、仕口、そして、柱の仕口跡に埋め込まれた鉛など細部までがアートなのだと気づく。壁やインテリアもあえて廃材が使われるなど、再利用して循環させているものも多い。場所を変え、視点や角度を変えながら室内を見ていくと、さまざまにインテリアとして昇華させているのがわかって楽しめる。

もちろん、快適に過ごせる。リビングには広いキッチンがあり、冷蔵庫にはウェルカムドリンクがある。調理器具や器、グラス、カトラリーが用意され、地階には全自動洗濯機もあり、連泊や長期滞在に対応する。
湯を沸かしてオリジナルコーヒーをドリップし、外の風景を眺めながら、用意されていたナチュラルホームメイドクッキーとともに味わい、ひと息つく。

さらに、敷地内から湧き出る天然温泉を客室にいながらにして楽しめるのも大きな魅力だ。

石をくりぬいた湯船には24時間、湯が張られ、渓谷の風景を眺めながらプライベートな湯あみができる。ちょっと寒いが、窓を開けて網戸にして、自然の風を肌に感じながら、のんびりする。
リビングから階段を降りるとベッドルーム。ベッドルーム脇にも檜風呂とテラスが配され、外に出ることができる。檜風呂でまた湯あみという、温泉好きにはたまらない贅沢が待っている。

ベッドルームのクローゼットには「ヨーガンレール」のパジャマが用意されていた。上質なコットン製で肌触りよく、眠りを誘う。
STAFF
Writer: Fukuko Hamada
Photos & Editor: Atsuyuki Kamiyama
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