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よりタイムレス、よりエレガントに。“ベルルッティ”2025年春夏コレクション

パリにて靴店として創業し、現在はプレタポルテのほか、オーダーメイドのウエアや靴も展開するメンズブランド“ベルルッティ”。先日発表された2025年春夏コレクションは、レザーという素材を中心に、サヴォアフェール（匠の技）を感じさせるものとなっている。

FASHION Jul 18,2024

「アレッサンドロ」と「アンディ」、レザーウエアとの着こなし
新しいカントリーシューズ、「オスロ」
エフォートレスな「イカリア」サンダルと「エスカル」

19世紀にパリで創業した、4世代続くブーツメーカーである“ベルルッティ”。長年シュル・ムジュール（高級オーダーメイド）の靴を手がけてきたが、1959年からはプレタポルテシューズを展開、2005年にはレザーグッズ、2011年にはレディトゥウエアを発表し、現在ではインテリアなどまで幅広く手がけるメンズブランドである。先日、その“ベルルッティ”の2025年春夏コレクションが発表された。

「アレッサンドロ」と「アンディ」、レザーウエアとの着こなし

“ベルルッティ”2025年春夏コレクションの画像 — パティーヌが施され、ニュアンスある色や質感を備えた革を使ったウエアやバッグとコーディネートされた「アレッサンドロ」と「アンディ」。

コレクションは同ブランドのアイコンといえるふたつのシューズを使ったスタイルからスタート。偉大な靴職人だった初代が手がけた靴をベースとしたホールカット（一枚革）のオックスフォードシューズ「アレッサンドロ」と、顧客でもあったアーティストの名を冠したローファー「アンディ」。ともに落ちついた色合いにパティーヌ（手作業による色付け）が施され、同様にパティーヌ仕上げされたレザーウエアとの装いが提案されていた。トーン・オン・トーンのスタイリングにより、ウエアに使われているレザーの質感や、手に持った「アンジュール」ブリーフケースの存在感がより際立っている。

新しいカントリーシューズ、「オスロ」

今回のコレクションでは、「Berluti Man」のための新しいスタイル、というテーマでクリエーションが展開されている。このテーマはまず、アウトドアテイストの靴「オスロ」として表現されていた。パティーヌを施したヴェネチアレザーを使いながら、ボリューム感あるラバーソールを使ったカントリーシューズで、レースアップとローファーの2モデルを展開。この「オスロ」をキーアイテムとしたコーディネートでは、コートやフードがついたレザージップアップブルゾン、またはリラックス感あるジャージー素材のセットアップが選ばれていて、さらにオーバーナイトバッグなどやや大型のバッグと組み合わされて、いずれも旅を連想させる装い。また、グレーカラーのフィールドジャケットには“ベルルッティ”を象徴するスクリットが配されたレザーボディバッグが組み合わされて、上質感とアクティブさを兼ね備えたカジュアルスタイルになっている。

エフォートレスな「イカリア」サンダルと「エスカル」

新作の「イカリア」レザーサンダルは、ネイビーのリネンスーツと合わせて、夏らしい開放感あるドレスアップスタイルに。また赤錆色のスエードを使ったトラベルジャケットには、「アンジュール」ブリーフケースと同様のレザーの引き手を使ったジップを採用。シンプルなデザインに上品でウェルメイドなニュアンスが付加されて、「イカリア」レザーサンダルのカジュアルシックな装いに寄与している。

フランス語で「乗り換え」を意味する「エスカル」は、柔らかなレザーを使ったスクエアトウの新作スリッパで、ヒール部分を踏んで履くこともできる。このリラックス感あるフットウエアに組み合わせたのはパジャマスーツ。ライトグレーのリネンヴィスコース素材を使い、スクリットのエンブロイダリーが前面に大きくあしらわれている。エフォートレスながら、エレガントな雰囲気が漂うスタイルは、日々のライフシーンはもちろん、旅先などで肩の力を抜いて過ごしたい際に重宝しそうだ。

ウェルメイドで個性的なシューズからスタートした“ベルルッティ”。そのコレクションはパティーヌ仕上げされたレザーや、スクリットなど技巧を凝らした意匠などを通じて、モダンなテイストの中にクラフツマンシップ、フランスの表現ならばサヴォアフェールを感じさせるものとなっている。その一見落ち着いた世界観は、さまざまな価値やモノを味わってきた成熟した感性にこそ看取し得る、トレジャーボックスのような悦びに満ちたものともいえるだろう。

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