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日本を代表するクルーズ船「飛鳥II」の船旅。ロングクルーズに出かける時間はない時に、海好き、ホテル好きの心を満たしてくれるのがショートクルーズだ。今回は金沢から乗船し、函館で下船する2泊3日のクルーズを体験した。
ここ数年、さまざまなクルーズ船が日本に寄港し、クルーズが旅のトレンドになってきた。世界一周といったロングクルーズは魅力的だけれど、日本発着のショートクルーズは、日本にいながらにしてラグジュアリーな旅が味わえるのがいいところ。
「飛鳥Ⅱ」にも、1泊からのショートクルーズのプランが1年を通じていくつもあり、今回は、金沢港発、2泊3日のオールクルージングで函館港に入港するプランに体験乗船。日本船の魅力を再確認する好機となった。
出発地は金沢港。出航時間は17:00、乗船開始はクラス別に15:00から。JR金沢駅など繁華街から金沢港までは車で15~20分程度なので、クルーズ前に金沢市内でランチを味わってから港へ向かった。これもまた、地方発クルーズの楽しみ方のひとつ。
「飛鳥Ⅱ」は12階層で、乗船するとデッキ5(5階)がレセプションとレストラン、キャビン(客室)はデッキ7~10の4フロアにあり、10デッキはオールスイートルーム。全436室が海側、ほとんどの客室にバルコニーが付いているので、海を存分に眺めながらの滞在ができる。
最上階の12デッキには、「飛鳥Ⅱ」自慢の展望大浴場「グランドスパ」がある。全客室にバスタブが配されているといっても、日本船ならではのおもてなしである大浴場もぜひ。
日中の開放感ある風景、夜は漁火、そして、夜が明けていく早朝の雰囲気など、時間を変えての湯あみが楽しい。
「グランドスパ」の向かいにあるのが、「アスカ アヴェダ サロン&スパ」。トリートメントからヘアカット、ヘアスタイリング、メイク、ネイル、着付けまでを担うトータルサロン。特に、美容師が担当してくれるヘッドスパは、性別を問わず人気が高い。
現代人の多くが凝っているというのが頭。ヘッドスパでコリをほぐされ、頭皮のケアも。受けた後は、至極、スッキリ!
船内の食事は、基本的にはオールインクルーシブ。メインダイニング「フォーシーズン・ダイニングルーム」や「リドカフェ&リドガーデン」ほか、カフェ、ラウンジ、バーなど、10か所を超える場所で食事や軽食が楽しめる。
まずは、メインバー「マリナーズクラブ」でアペリティフを。ディナーの前に「飛鳥クルーズオリジナルクラフトジン」を使ったシグネチャーカクテル「ワールドクルーズ」を味わった。
アペリティフを楽しんだら、ディナーは「フォーシーズン・ダイニングルーム」にて、フレンチのフルコースを。料理に合わせたワインのセレクションにも定評がある。
なお、11デッキに設けられた「プレミアダイニング ザ・ベール」は、「ロイヤルスイート」「和洋スイート」「アスカスイート」のゲストのみの専用ダイニング。静かな空間で海を眺めながらのディナーが楽しめる。
また、ビュッフェスタイルの朝食とランチをカジュアルに楽しめるのが「リドカフェ&リドガーデン」。
そして、船内の各所に「飛鳥Ⅱ」のモチーフがちりばめられている。ダイニング空間もしかり。いろいろと探してみるのも面白い。
そして、どこで過ごしていても、つかず離れず、スタッフのおもてなしが心地いい。キャビン436室(定員872名)に対し、乗組員は約490名。乗船時はほぼ満室だったが、ゆったりと過ごせ、滞在を通じてスタッフの目が行き届いていると感じた。
ホテルのアフタヌーンティーはちょっと気恥ずかしいが、ゆっくりと楽しみたいという向きにぴったりなのが、1日6セット限定の「イブニングハイティー」(乗船後に予約)だ。
今回は、3種類あるなかから、オードブルもスイーツも楽しめる「スタンダードセット」をオーダーし、船首に位置する「ビスタラウンジ」で楽しんだ。
暮れていく景色、刻々と変わる景色を眺めながらのラグジュアリーなハイティー。忘れられないひと時となった。
グルメに加えてエンタメも充実。「ギャラクシーラウンジ」では、毎夜、エンターテイナーによるショーという楽しみがあり、船内シアターの「ハリウッドシアター」では、名画が上映される。
船内で楽しめるコンテンツがたくさんあって、パートナーや友人たちと船内で楽しく過ごしていると、ふと、ひとりになりたいときもある。そういった時に過ごせる場所が多いのも魅力だ。
24時間利用できる「ライブラリー」、ブックラウンジの「イー・スクエア」は、ドリンクを飲みながらの読書、そして、ビジネススペースとしても使いやすい。和室の用意もある。
時間によって場所を変え、ただ、海を眺めているという時間も有意義。
朝、デッキをウォーキングしていたら、偶然にも船長に遭遇。「昨夜は船長をイメージしたカクテルを味わいました!」と声を掛けたら、にっこり笑って応えてくれた。
船内グルメも開放感ある眺めも存分に味わって、気がつけば3日目の朝を迎えていた。
函館港に入港し、下船後に観光へと向かう乗船客を多く目にした。かくいう私も、また函館でランチをしてから帰路へ。クルーズ前後に、今回ならば金沢や函館の観光をプラスする、クルーズ+発着地を巡るという旅も魅力的だと感じた。
「飛鳥Ⅱ」は2025年春、最後の世界一周クルーズへと出航する。そして、同年「飛鳥III」の就航が予定されている。「飛鳥Ⅱ」とは、また違った魅力のある船だというから、乗り比べできる日を楽しみに待ちたい。
STAFF
Writer: Fukuko Hamada
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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