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軽く快適で、精巧。“ブリオーニ”が実現する、テーラーリングの新たな地平。

ミラノ・メンズファッションウィークで発表された、“ブリオーニ”の2024秋冬コレクション。イタリアの高いテーラーリング技術をベースとしつつ現代性を備えた服は、今回「The culture of human touch ヒューマンタッチの伝統文化」を標榜し、新たなラグジュアリーの形を提示していた。

FASHION Jan 30,2024

職人の伝統を基盤として、現代性を創造する
テーラーリングの配剤で実現する、新鮮な存在感

長年、メンズファッションのトレンドをリードしてきたミラノ・メンズファッションウィーク。大型見本市のピッティ・イマージネ・ウオモやパリ・ファッションウィーク・メンズと並んで、現在も大きな影響力を有している。今年は1月12日から16日まで開催され、イタリアを本拠としているブランドを中心に、世界各地のデザイナーやブランドが参加していた。新型コロナウイルス流行の影響を感じさせない、久々のファッションウィークでもあった。

職人の伝統を基盤として、現代性を創造する

ミラノ・メンズファッションウィークにて、プレゼンテーション形式で2024秋冬コレクションを発表した“ブリオーニ”。1945年にイタリア・ローマにオープンしたビスポークアトリエに端を発する老舗ブランドである。ちなみにメンズファッションにおけるファッションショーは、この“ブリオーニ”が1952年にフィレンツェのピッティ宮殿で開催したものが最初といわれている。

今回プレゼンテーションの会場に選ばれたのは、Circolo Filologico Milanese（ミラノ文化協会）、1908年に建てられたアール・ヌーヴォー様式の建築物である。古今の書籍に囲まれたアカデミックな雰囲気の空間に、スケッチやファブリックなどアトリエのエッセンスを感じさせる品々が配置されて、“ブリオーニ”のクラフツマンシップと価値観が巧みに表現されていた。

イタリアのテーラーリング技術をもとにした「ローマンスタイル」の担い手として、世界にその名が知られてきた“ブリオーニ”。その真髄は、服が着用者と一体となるような、軽さを感じさせる仕立ての技術にある。最新のコレクションにおいても、「軽さ」、「快適さ」、「精巧さ」が表現されているという。

テーラーリングの配剤で実現する、新鮮な存在感

またスポーツウエアには仕立ての技術が取り入れられる一方で、ジャケットやスーツなどのテーラードウエアはより軽くシンプルになっていて、それらがミックスすることで、メンズウエアにおける新たなカテゴリーの可能性を追求している。ビキューナやキャメル、コーヒーブラウンといったナチュラルな印象の色を中心に、ホワイトやブラックなど、モダンな印象の無彩色が巧みに組み合わされている。

トラウザーズはボリューム感があるものが多い。さらにジャケットやスーツなどのテーラードウエアはニットやシャツなどと組み合わされ、軽快な印象のスタイリングに。フィールドジャケットやブルゾン、アノラックなどのカジュアルウエアは、上質な素材を採用して、エフォートレスかつエレガントなスタイルを実現している。さらにたっぷりとした量感のトートバッグなどが、その雰囲気に華を添えている。

イブニングウエアにおいても、新たなスタイルが提案されている。カラーパレットは、スペイン出身の画家マリアノ・フォルトゥーニの作品を彷彿させるような、ヴェネチアからインスパイアされたもの。ディナージャケットやタキシードといったアイテムが肩の力が抜けたスタイリングで提案されている一方で、“ブリオーニ”のコレクションを象徴するヘリンボーンのシルク生地にはガラスビーズで精巧な刺繍が施されるなど、クラフツマンシップに根ざしたラグジュアリーが展開されている。

さらに、日本でも2023年秋冬より本格展開が始まったウィメンズコレクション「La Donna」も、マスキュリンとフェミニン、それぞれの要素を巧みに織り交ぜた展開を継続している。テーラーリング技術から導かれたトラウザーズ、コート、シャツ、ディナージャケットは、軽い仕立てと流麗なシルエットが大きな魅力だ。

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